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2025年6月2日 07:32

「千日手」はますます増加傾向?大熱戦“全7局”の名人戦…藤井聡太七冠の今後のタイトル戦を解説棋士が予測

2025年6月2日 07:32

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 将棋の第83期名人戦七番勝負第5局は5月29・30の両日、茨城県古河市で指され、千日手指し直しの末、藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に171手で勝利し、シリーズ通算4勝1敗で防衛3連覇を達成した。ABEMAでは増田康宏八段(27)が解説を担当。名人戦の本シリーズを踏まえ、今後のタイトル戦では「これから千日手が増えそう」と予測した。

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 決着局となった第5局は、対局2日目の午前中に千日手が成立。第4局から2局連続で千日手が成立する異例の事態となった。指し直し局は角換わり後手3三金型で第2局と同じ出だしに。藤井名人はやや苦しい戦いを強いられることとなったが、最終盤で逆転に成功した。熱戦の終局は午後11時16分。拮抗した大激戦だったことは時計が指し示していた時間を見ても明白なものだった。

 “全7局”を指し切り、通算4勝1敗で防衛3連覇を達成した藤井名人。終局後にシリーズを振り返り、「本局は早い段階で形勢を損ねてしまう形になったので、今は反省が一番大きい。シリーズを通して非常に難しい局面が多かったので、いろいろ考えられたことは充実した時間だったと思う。今の自分に足りていないところも見えてきた」と率直な思いを語っていた。

 ABEMAの中継には、今年2〜3月に行われた棋王戦五番勝負で藤井名人と激闘を繰り広げた増田八段が出演。永瀬九段とも研究仲間であるため、解説の合間には両者の素顔を語る場面もあった。

 藤井名人と永瀬九段は、今夏に行われる伊藤園お〜いお茶杯第66期王位戦七番勝負でも激突することが決まっている。そこで、両者をよく知る増田八段ということもあり、「これから千日手が増えそうですね」と今後のタイトル戦線を予測した。

 名人戦の本シリーズでは第1局〜3局でも千日手筋が出現したが、いずれも打開策が選ばれた。その後行われた第4局では、1日目の夕方に千日手が成立。指し直し局では、先手番となった永瀬九段が押し切りシリーズ初勝利を飾っていた。さらに第5局でも連続して成立した千日手に、増田八段は「お互いに作戦が進化しているので、(千日手が)打開できなくなっていますよね」と分析する。

 両者は、藤井名人のプロデビュー当時からの“研究パートナー”であることはよく知られている。2025年は年頭の王将戦七番勝負から名人戦、さらには王位戦とほぼ切れ間なく永瀬九段の挑戦が決まっているため、研究会は休止状態となっていることが予想されているが、タイトル戦がその“研究会の場”となりつつあるといっても過言ではない。

 両者の研究の進化により、増田八段は「今後どんどん増えてくるんじゃないかなと思います」と強調。「今度の王位戦も、千日手シリーズで長時間の対局になるんじゃないかなと思います(笑)」と苦笑いを見せる場面もあった。

 七冠保持者の藤井名人は王位戦の開幕を前に、あす3日からは杉本和陽六段(33)を挑戦者に迎え、棋聖戦五番勝負で6連覇を目指す。この五番勝負では振り飛車党の杉本六段とあり、永瀬九段とはまた違った熱戦が期待できそうだ。「名人戦の2日制と棋聖戦の1日制でだいぶ変わってくるので、切り替えて臨みたい」と語る藤井名人は、次なる戦いでどのような名局を生み出すのか。期待は高まるばかりだ。

(ABEMA/将棋チャンネルより)