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2025年6月5日 19:40

「すごく壮絶な…」愛子さまのつぶやき 忘れてならない“沖縄の歴史”

2025年6月5日 19:40

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 沖縄を訪問中の愛子さまが思わずつぶやかれた「壮絶」との言葉。何をご覧になったのでしょうか。

■沖縄戦の記憶 どう継承?

 先に車から降られた愛子さま。髪はポニーテール、そしてなかなか見ることがない、かりゆしのワンピース姿です。

両陛下もかりゆし
両陛下もかりゆし

 そしてもちろん、両陛下もかりゆしでした。両陛下は藍色、愛子さまは黒いに近いお色味です。

 海洋博覧会の展示では、時おり腰をかがめながら、模型をじっくりご覧になります。

模型をじっくりご覧になる
模型をじっくりご覧になる
天皇陛下
「当時としては最新の技術?」

 5日午後3時半すぎから、首里城の修復作業を視察されました。2日間の沖縄ご訪問。4日だけで、およそ1万2000人が出迎えました。

 最初の訪問は、那覇市内の小桜の塔。ご一家を一目見ようと、隣接する波上宮の鳥居に人々が集まっていました。

小桜の塔に供花された
小桜の塔に供花された

 ご一家は、撃沈された対馬丸で犠牲となった、子どもたちを弔うために建立された小桜の塔に供花されました。

 続いて対馬丸記念館へ。出迎えた男性に、陛下は意外な言葉をかけられます。

出迎えた男性に…
出迎えた男性に…
「前にお会いいたしました。本当にいろいろ大変でございましたね」

 3年前の訪問でも会っている、対馬丸の生存者・代表理事の高良政勝さんのことを陛下は覚えていらっしゃったようです。

「いろんな人と会っているのに、一個人を覚えられているというのはすごいなと。感心しました」
対馬丸
対馬丸

 疎開する学童をのせたまま、撃沈された対馬丸。当時4歳だった高良さんは救助されましたが、一緒に乗っていた両親と兄弟7人をなくしました。

 対馬丸の撃沈については、箝口(かんこう)令が敷かれるなか、高良さんの兄の手紙は、奇跡的に祖父母に届いたといいます。

天皇陛下
「お兄様のお手紙で、お知りになったわけ…」
愛子さま
「厳しい統制がなされて、お手紙も…」

 愛子さまも、心を寄せられました。

愛子さまも、心を寄せられた
愛子さまも、心を寄せられた
高良さん
「2代の皇族がおいでくださったなと。そしてまた、3代目も、ご一緒された。愛子さまがおいでになられたのは、非常に大きなことだと思います」
犠牲者の遺影
犠牲者の遺影

 展示室ではふと、愛子さまが身を乗り出されます。ご覧になっていたのは、犠牲者の遺影です。

対馬丸記念館 平良次子館長
「遺影は亡くなった人の4分の1しかないとお話をしましたら、愛子さまが『写真だけですか』とおっしゃった」
「どういうことだと思ったら、『肖像画を集めたらどうでしょう』と。びっくりした。そういうアイディアはなかった。新しい世代で、いろんなことをきたんなく相談しながら、考える世代に一緒になっていきたいという気持ちはありました」

 そして、最後には…。

愛子さま
「きょうは、すごく暑い、お暑いぐらいね」
天皇陛下
「どうぞお体を大切に」
皇后さま
「お大事にお過ごしください」
相手を気遣う声が…
相手を気遣う声が…
愛子さま
「お体を大切に」

 相手を気遣う声が聞こえてきます。

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■愛子さまのつぶやき “壮絶な…”

 たまたまカメラが拾っていた、愛子さまの肉声。4日訪問された、平和祈念資料館でも聞こえてきました。

愛子さま
「本当にすごく壮絶だった…。生きていくために、選択をしなければいけない」

 愛子さまが「壮絶」と話されたのは、14歳の戦争体験者が書いた防空壕の中での証言文です。

戦争体験者の証言文
戦争体験者の証言文
「この方を壕(ごう)におくとみんなに噛(か)みつくし、また大声を出すと敵に発見されるから、これではいかんとオヤジ連中が相談して、どうせこれは助からないといって首をしめて、助からないから十八名を助けるということで、ちっ息させたわけです」
愛子さま
「本当にすごく壮絶だった…生きていくために選択をしなければいけない」

 この証言文がある資料館を、天皇陛下も20代の頃から3度訪問され、真剣な眼差しを向けられていました。

20代の頃から3度訪問された
20代の頃から3度訪問された
沖縄県平和祈念資料館 前川早由利館長(当時)
「『痛ましい内容だね』というお言葉をいただいた。大変優しいまなざしで沖縄戦の状況を熱心に、沖縄のことをよく理解しようとしているお姿が非常に印象に残りました」
愛子さまの世代にも受け継ぐ
愛子さまの世代にも受け継ぐ
元宮内庁職員 山下晋司さん
「今の陛下も戦後のお生まれですけれども、その次の愛子内親王殿下の世代にそういった過去を忘れないというか、そういうことを受け継いでいくということが非常に大事だと、今回の沖縄でも行動で示されているというふうに私はとらえています」

 両陛下は4日夜、沖縄訪問の感想を寄せられています。

沖縄訪問の感想
沖縄訪問の感想
「はじめて3人そろって沖縄県を訪れることができ、うれしく思います。平和祈念資料館では、沖縄戦に関する実物資料、写真パネル、沖縄戦体験者の証言などの展示を見て、凄惨(せいさん)な沖縄戦の様子や、当時の人々の苦難について、改めて理解を深めました。初めて訪れた愛子も、苦難の道を歩んできた沖縄の人々の歴史を深く心に刻んでいました」
「平和の尊さを心に刻み、平和への願いを新たにしていきたいと思います」
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