ひと昔前まで、脱毛は女性がするものというイメージが強かったが、今では男性の脱毛も当たり前の時代になりつつある。
みずから美容男子を公言している慶應義塾大学経済学部の坂井豊貴教授も「全身トゥルントゥルン」だという。
坂井教授は全身の脱毛はもちろん、眉はアートメイクを施しており「オンラインミーティングが増えるにつれて、自分の顔を見る回数が増えた。自分の顔を見てみると結構青い」と、モニター越しに見たヒゲの青さが、脱毛のきっかけだったと説明。脱毛はヒゲに始まり、ワキ、スネ、Vラインに進み、現在は全身ツルツルになったそう。
「やっていくうちに、なぜ脱毛するのかではなくなぜ脱毛しないのか、みたいな感じに発想が変わっていった。今のほうがずっと自分は快適」とも語った。
男性の脱毛への意識に大きな影響を与えたのはBTSの出現だと言われる。坂井教授は「BTSの人たちって体毛処理をしている。旧来的な男性からの解放というのをある程度示してくれたのではないか」と自身の考えを述べた。
韓国に詳しいライターで翻訳家の桑畑優香氏は「韓国の若い男性のあいだでは、筋肉のついた体にツルツルのお肌が憧れで、BTSをはじめとするK-POPアーティストがロールモデルと言える。韓国では20代の男性の4分の1以上が脱毛をしたいと考えている。そんな統計もある」と解説した。
坂井教授は「ムダ毛」という言葉を問題視している。「私自身がムダ毛という言葉は絶対使わないように気をつけている。それは視点の押し付けになるからだ。無駄か無駄じゃないかというのは他者が決める問題ではない」ときっぱり。
「男性の友人に話すと『自分もやってみたい』という声が圧倒的に多かった。女性にこういう話をすると、特に面白がられない。そこは男女で違いというものを感じた」と、男性に脱毛する・しないの選択権はあるが、女性にとっては「脱毛は当たり前」。
「女性側は体毛に対する社会的なプレッシャーが恐らくあるんだと思う」と、男性は脱毛する自由と市民権を獲得する一方で、女性は逆に「脱毛しない自由と市民権」は男性ほど確立されていないのではないかと主張。
「自分の容姿は自分が好きにしていいだろうと思う。それは容姿への自由だと思う。やりたければやればいいし、やりたくなければやらなくていい。他者に対して容姿の良さを求めたり、押し付けたりするというのが、非常によろしくない」と語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)