社会

グッド!モーニング

2025年6月19日 11:39

西武鉄道で小田急電鉄の車両走る 大手私鉄が中古を引き継ぎ 「第二の人生」乗客驚き

2025年6月19日 11:39

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 西武鉄道が、小田急電鉄から譲り受けた中古の車両を改修して、運行を始めました。大手私鉄が他の大手私鉄の中古車両を運行するのは異例です。

■環境面だけでなくコスト面でもメリット?

 東京・小平市。西武鉄道・拝島線と国分寺線が交わる小川駅です。

 西武鉄道のイメージといえば、黄色い車体を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ブルーとグリーンを基調にした車両は元々、小田急線を走っていました。

車両の下の消費電力を抑える装置
車両の下の消費電力を抑える装置

 西武鉄道は、2030年度までに全車両を消費電力の少ないものに置き換える計画を発表。西武はなぜ、中古車両を譲り受けるのか。その理由は、小田急の車両の下に取り付けられている消費電力を抑える装置にありました。

 小田急と同じ装置の付いた東急電鉄から合わせて100両を譲り受け改修して導入する予定で、今回はその第1弾です。

「使用電力削減に伴うCO2排出の削減とともに…」
「使用電力削減に伴うCO2排出の削減とともに…」
西武鉄道 広報部 相沢淳さん
「環境に優しい鉄道を実現するため、電車の新造と並行して小田急電鉄・東急電鉄から譲り受けた環境負荷の少ない車両を、効率的な導入により使用電力削減に伴うCO2排出の削減とともに、車両の製造廃棄に伴うCO2排出量の削減を見込んでいる」
大手私鉄間での車両の譲渡は異例
大手私鉄間での車両の譲渡は異例

 小田急から到着した車両を1年以上かけて改修。大手私鉄間での車両の譲渡は異例です。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんはこう話します。

「引退した車両というのは、第二の働き場所ということで、地方の私鉄に行く。そういう例はあるんですが、大手私鉄同士での車両譲渡は非常に珍しい」
鉄道ジャーナリストの梅原淳さん
鉄道ジャーナリスト 梅原淳さん

 梅原さんによると、環境面だけでなく、コスト面でもメリットがあったのではないかと分析します。

「(両社のメリット)共通なものというのは、どちらも得な売買ができたということ。西武鉄道にとっては、環境性能に優れた電車が手に入る」
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■大手私鉄同士の車両譲渡 利用客は…

大手私鉄同士の車両譲渡
大手私鉄同士の車両譲渡

 消費電力の削減などお互いの利害が一致したことで成立した、今回の大手私鉄同士の車両譲渡。

小田急電鉄 担当者
「当社の車両計画では、廃車・解体を進めているところでしたが、駅のホーム施設との相性などの諸条件が合ったことで、西武鉄道に車両をリユースいただくことができました。幸運にも、こうした車両に新たな活躍の場を設けることができ、大変喜ばしく思っています」

 利用客からは次のような声が聞かれました。

利用客(70代)
「(この取り組みは)とてもいいと思います」
利用客(30代)
「小田急の車両が西武線を走るということで、最初に聞いた時はとても驚いた。環境のことを考えていて、いい取り組みだなと感じた」

(「グッド!モーニング」2025年6月19日放送分より)

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