18日は、全国の71の地点で35℃を超える猛暑日となり、今年の最多を更新しました。最高気温34.1℃を記録した大阪では、大阪・関西万博の来場者が日陰を求めて大屋根リングの下に集まりました。給水所にも長い列ができました。
■開場待ち大行列、展示館へダッシュ
18日、大阪・関西万博の会場では、入場前から厳しい暑さとの戦いが始まっていました。
手元の温度計で31℃を超えるなか、続々と集まる来場者。開場30分前には、入場待ちのエリアがぎっしりと人で埋め尽くされていました。
そして午前9時になると、開場と同時にお目当てのパビリオンへ走っていく人たちがいました。
「走ると危ないので、走らずにゆっくりとお歩きください」
警備員の注意を守ろうと、早歩きで目的地に向かう人の姿も。
開場から10分足らずで行列となったアメリカ館では暑さ対策のためか、テントが設置されています。日よけテントを設置したものの、行列ははるか後方まで伸びていました。
午前10時を回り、開門から1時間が経過しました。暑い日差しのなか、列が作られていました。
「暑いですね。水分とるしかないかなと思うので。あとは、パビリオンに入って涼しめればなと」
インドネシア館の前には、行列に並ぶ人の暑さを和らげるためにミストが発生するパラソルが設置されていました。
「他の国とかは、こういうミストなかったんですけど、ここだけミストがあってすごい。暑さ対策としては、ばっちりやなという感じ」
「(Q.やっぱり変わりますか、このミストで)だいぶ涼しいですね」
パビリオンの暑さ対策に喜びの声を上げる来場者がいる一方、フランス館前の行列にはほとんど日陰もなく直射日光が当たります。
「暑いです。入るまでが大変」
「暑さ対策それなりにしてきたから」
「(Q.一応扇風機も)孫のやつ(ミニ扇風機)借りてきた」
パビリオンによって建物のデザインが異なり、暑さ対策にも差があります。
ミストが出ているインドネシア館と、ミストがないフランス館の行列をサーモカメラで見てみると、インドネシア館ではミスト付近が青く表示され、周囲よりも温度が低いことが分かります。
一方、フランス館では、日光を浴びている日傘や首などが赤く表示されています。
■南国スタッフ衝撃「フィリピンより暑い」
日が昇るにつれて、気温はぐんぐん上昇。18日、大阪市は今年最高の34.1℃を記録しました。
さらに、万博会場内では、厳しい暑さのなか大屋根リングの下には少ない日陰を求めて来場者が殺到。暑さのあまり地面に座り込む人や、靴を脱いで寝転がってしまう人の姿もありました。
「(Q.暑さいかがです?)すっごく暑いです」
「(北海道の気温と)倍くらい違います」
午後3時すぎ、大屋根リング付近で熱中症と思われる要救護者が発生。駆けつけた救護隊が女性の手首を握り、脈を確認しているようにも見えます。
その後、女性は担架に乗せられ緊急車両で搬送されました。
「ストレッチャー通ります」
会場内の救護室にも、熱中症とみられる女性が担架で運ばれました。ぐったりとした様子ですが、腕をあげ、意識ははっきりしているようです。
連日の暑さについて、日本にやって来た外国人スタッフはどのように感じているのでしょうか?
「今まで経験したことがない暑さを体験している。非常に言いづらいがひどい。溶けてしまいそう」
一方、南国から来たスタッフも、次のように話します。
「ここはあまり風が吹いていません。フィリピンより大阪のほうが暑く感じるわ」
厳しい暑さのなか長い行列ができていたのは、会場内に32カ所設置されている無料の給水所です。その行列は、給水機とその横の自販機をぐるりと囲むほどの長さに。
「氷のクールスポット」は、中に入ると温度が違います。また、15分おきに大量のミストが3分間発生する人気のスポット「いのちパーク」もあります。
■85歳の母親&65歳娘、45年ぶりの遠出
関東から来た85歳の母親と、65歳の娘。開場の1時間半前から、入場ゲートに並んだといいます。
「(Q.暑くなるようだが?)手ぬぐいは風通し良いし、扇風機持って」
親子2人で遠出をするのは娘が高校生の時以来、およそ45年ぶりだといいます。
「絶対来たかったの。万博は絶対ね」
「万博初めてなの、母は。私は、つくばと愛知とここ来てるんだけど、母は初めてで」
「この万博は絶対ね、今しかない」
この日、2人がまず向かったのは、いのちの起源と未来をたどる三菱未来館。壮大な映像の数々が、2人を魅了します。
「スケールの大きい映像を見ながら楽しめるっていうのも最高です」
次に向かったのは、大阪ヘルスケアパビリオン。施設内では、25年後の自分の姿を見ることができます。
25年後、110歳の自分を見た母親の感想は…。
「自分を見てね、情けない。もう少しマシな顔で今度お会いしたいですね」
「それ相応じゃないの?」
「そうですか?」
■猛暑日地点最多…熱中症で死者も
梅雨とは思えない暑さが続くなか、16日、万博協会は熱中症を防ぐための「暑さ対策の強化」を発表しました。
およそ150基のパラソルや60台のスポットエアコン、ミストを発生する扇風機およそ30台を追加で設置。来場者に800本の日傘を貸し出す予定です。
18日は、全国各地で真夏並みの暑さとなり、今年最多となる71地点で猛暑日(35℃以上)、577地点で真夏日(30℃以上)を記録。
神奈川では90代の女性が自宅で意識不明の状態で見つかり搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。熱中症が原因とみられています。
また三重では、路上に倒れていた72歳の女性が熱中症で死亡しました。
体温を超える“危険な暑さ”。名古屋では最高気温36.8℃を記録。
東京では、熱中症の疑いで117人が救急搬送され、小金井市では消火作業中の消防隊員ら4人が熱中症とみられる症状を訴え搬送されました。
連日の暑さで、季節の植物にも影響が及んでいます。
東京・日野市にある高幡不動尊。この季節には、参道を彩るアジサイが咲き誇りますが、今年は例年通りとはいかない様子です。
本来なら、雨にぬれるアジサイを一目見ようと多くの人が訪れる梅雨の時期。しかし…。
「かなり夏が始まった状態。毎年、来る人がちょっと減っている」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年6月19日放送分より)