岐阜県中津川市の山小屋に設置されたカメラの映像には、クマがミツバチの巣箱に頭を突っ込み、中のはちみつを食べている様子が映っている。隣の石川県では、市街地を中心に今月だけで19件のクマの目撃情報があった。
■国道走行中 突然飛び出してくるヒグマ
17日夜、国道を走行していた車の前に、突然飛び出してきたのはヒグマ。そのまま車と衝突し、ヒグマは大きく跳ね飛ばされた。
現場は北海道東部の釧路町の国道272号で、運転していた20代女性は中標津町方面に向かっていたところだった。
11日の深夜、車内に響き渡る女性ドライバーの悲鳴と、激しい衝突音。千歳市内を走行していたタクシーがクマと衝突した。
タクシーのドアミラーは根元から完全に折れてしまっている。後部座席のドアも完全に閉まらなくなっている。女性運転手にけがはなかったという。
■市街地にクマ「人間なめられてる」
今月に入り、クマは全国各地で目撃されている。
13日に秋田県男鹿市の寺に出没したクマは、お供え物を探していたのか、墓の横をゆっくりと歩いている。
目撃した人によると、クマの体長は1メートルを超えていて、人の目を気にする様子は感じられなかったという。
「(クマは)いないってずっと言われてたので、ビックリしました」
今回出没した地域は、これまでクマが目撃されていない場所だった。
一方、富山県南砺市では、工場内を歩き回るクマが目撃された。
「職員から電話がありまして『クマがうちの会社に入った』『シャッターおろして閉じ込めてあります』」
体長1メートルほどの子グマとみられ、天井近くの柱によじ登るなど工場内を動き回り、2時間ほど居座っていたという。
「人を怖がらないクマが増えている気がして…」
この周辺は、クマがよく出没する地域だというが、工場の中に入り込んだのは初めてだという。
クマの生態に詳しい岩手大学農学部の山内貴義准教授は、このようなクマの行動についてこう分析する。
「クマの行動は今繁殖期で、一番活動的といえば活動的な時期。ひとたび里までおりれば、おいしいものが結構その辺に転がって簡単に食べられる。そういったのを学習している個体が多い。一言で言えば、やっぱり人間がなめられている」
■電気柵倒し餌だけを…進化系クマ
岐阜県中津川市の山道を抜けていった先にある「クマ出没注意」の看板が掲げられた山小屋。ウッドデッキ上のものは、見る影もなく破壊されていた。
三尾和廣さん
「クマの執着心というのは半端なもんじゃないですから」
9日の未明、1頭のクマが山小屋に姿を現した。クマはウッドデッキに置いてあった木箱を押し倒し、木箱に鼻先を付けながら、前足で箱を壊そうとしている。しばらくすると、木箱は破壊され、クマが中に頭を突っ込んでいるのが確認できる。
箱はミツバチの巣箱だった。20分にわたって、黙々とミツバチの巣箱をあさっていたクマ。それから15時間後、再びクマが現れたのだが、先ほどのクマと比べて一回り大きいサイズのクマだった。
壊された巣箱の前で腰を落ち着け、同じように顔をうずめている。巣箱にいた大量のハチがクマの周囲を飛び回っているが、気にとめる様子もなく一心不乱に巣箱をむさぼるクマ。この大きなクマは翌朝にも現れ、雨が降る中、巣箱の前に座り込み物色していた。
三尾さんはこう話す。
山小屋を囲うように立てられていた電気柵もなぎ倒されていた。
三尾さんはすぐに警察と市役所に通報し、捕獲機が設置されたが…。
「(捕獲機の中の)白い発泡スチロールの餌(えさ)を全部食べてしまっている。中に入らず引っ張り出して(食べている)。ここに来たクマはものすごく利口だと思う」
■12日間で19件 市街地でクマ目撃情報
石川県能美市では、17日までに6日連続でクマが目撃されていた。
「毎日のように情報が入ってますから、またかっていう」
「すごい怖いですし、1階の窓を開けられなかったり」
10日に撮影されたクマの写真、すぐ近くに小学校がある。12日にもクマが撮影された。能美市でクマが目撃されている場所は山を切り開いて作られた住宅地で、今月に入り延べ19件の目撃情報が寄せられていた。
市は、地元の猟友会や警察などと連携しパトロールを行っている。さらに、市が設置しているクマを捕獲するための檻(おり)を、これまでは山間部に設置していたが、住宅地の中にある林にも設置するようにしたという。
これまでに目撃されたクマは、体長など情報にばらつきがあるものの、市は同一個体の可能性があるとしている。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年6月19日放送分より)