関東などでゲリラ雷雨となりました。雷雨はいつ、どこで起きるのか。その予測現場にカメラが入りました。
■去年夏 全国でゲリラ雷雨7万9000回発生
19日午後3時過ぎの山梨県甲府市内。局地的に激しく降るゲリラ雷雨です。午後4時過ぎ、福島市内でも突然、大粒の雨が降り出しました。
梅雨とは思えない暑さのなか、各地でゲリラ雷雨の発生が相次いでいます。
伊丹勇輔さん
「(暑さで)1回に降る強い雨も回数が多くなってしまうかも」
短時間で集中的に降るゲリラ雷雨。いつ、どこで発生するか、予測が難しいとされてきました。しかし今、その予測精度が大きく進化しています。
「(予測精度)90%は、ユーザーの協力もあってできるように」
予測精度90%。ゲリラ雷雨予測の最前線にカメラが迫ります。
梅雨真っただ中の今、各地で多発するゲリラ雷雨。背景にあるのは、夏のような気圧配置。太平洋高気圧が勢力を強め、梅雨前線を押し上げています。
気象庁は奄美地方の梅雨明けを平年より10日早く発表。全国的にも梅雨明けが前倒しになる可能性があります。そうなると気がかりなのは、ゲリラ雷雨の数です。
去年の夏、全国で発生したゲリラ雷雨はおよそ7万9000回。今年はそれを上回る恐れもあります。
ひとたび発生すれば、混乱に陥ることも。都市部では、マンホールから水が噴き出し、道路は冠水。
命に関わる事態も起きています。2017年、多摩川の花火大会を襲ったゲリラ雷雨。雷が観客の近くに落ち、9人が手足のしびれを訴え病院に搬送されました。
命を守るには、どうすればいいのでしょうか?
■予測精度90% ゲリラ雷雨が予測可能?
ゲリラ雷雨の予測に取り組んでいるのは、千葉県の気象情報会社です。雷雨が増える7月からは、専任のチームで予測を行います。
伊丹勇輔さん
「これは群馬北部のソラカメ(定点カメラ)。ここに空が映っていて雲の発達の状況を確認している。最初の段階だと小さい雲であっても、時間で発達していくことによって雲自体がどんどん大きくなる。雲が大きくなる過程をソラカメを見て追っていく」
「ゲリラ」と呼ばれる雷雨を発生させるのは、でき始めてから一気に大きくなる雨雲。局所的に急発達するため、予測は非常に難しいといいますが、一体どのように雨雲を捉えるのでしょうか。
「気温の上がり方、風の収束である程度あたりをつける。現地のユーザーから送られてくる情報を見るのが主な方法」
ユーザーが設置するおよそ2400台のカメラからも情報が集まります。大気が不安定なエリアのユーザーに依頼をし、送られた情報をAIを用いて解析。専任チームによる最終判断で、アラームを発出します。
アプリの利用者は、スマホで通知を受けます。
「ゲリラ雷雨アラームは予測時刻の30分前に通知」
「千葉市美浜区周辺でゲリラ雷雨の可能性があります」
アプリの利用者は、近くで予想されるゲリラ雷雨を30分前に知ることができます。その精度は、なんと…。
「どれだけ当てられるのか、捕捉率は90%ほど。ユーザーの協力もあり、できるようになっている」
19日午後に番組のカメラが捉えたゲリラ雷雨も…。
「(Q.山梨で紫色になっている)昼すぎが可能性高い」
午前中の取材で予測されていました。
では、ゲリラが発生したと分かったら、どのように行動すればいいのでしょうか。
「可能な限り屋内にいれば落雷の被害も減る。アラームが届いたら近くの建物に避難してほしい」
年ごとにみると、データがある期間で最も多い栃木では、8年間でおよそ2倍に増加。ピークを迎える今後については…。
「(今年は)平年よりも気温が高くなる予想。気温が高いと大気が不安定になり、ゲリラ雷雨の発生が多いか」