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2025年7月3日 16:00

世界各地で異常な暑さ 日本史上最も暑かった6月 暑さのワケ この夏どうなる?

2025年7月3日 16:00

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気象庁は、6月の日本の平均気温が平年よりも2.34℃高く、観測史上最も高温だったと発表しました。

ヨーロッパは、熱波による猛暑に見舞われ、各地で最高気温が40℃を超えています。

日本では来週、関東より西で40℃に迫る可能性もあります。

■各地で史上最高気温 欧州で46℃ 異常な暑さの要因

世界各地で異常な暑さとなっています。

日本では、7月1日、全国で一番の暑さとなったのが、埼玉県鳩山で38.1℃
愛知県豊田市と香川県高松市では37.6℃となり、体温越えの暑さとなりました。

フランスは、7月1日、パリで最高気温40℃

ポルトガルは、6月29日、南東部で最高気温が6月史上最高となる46.6℃

スペインは、6月28日、南部で最高気温が史上最高の46℃、6月29日には48℃を示す街の温度計もありました。

アメリカは、6月24日、ニューヨークで38℃、ボストンで39℃になりました。ニューヨークは、平年6月の最高気温は20℃後半です。

異常気象に詳しい、三重大学大学院の立花義裕教授によると、
「2025年の特徴は、偏西風の北上が例年よりも早いこと。偏西風の南側は暑くなるため、6月の段階で真夏の状態に。それに加えて偏西風が、東アジア、ヨーロッパ、北米東部で激しく蛇行したことで、異常な暑さを引き起こしている」といいます。
また、偏西風の北上が早まった原因について、立花教授によると、
「原因は温暖化。『海の高温』と『陸の高温』が、偏西風を全体的に北にシフトさせた」ということです。
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■日本史上最も暑かった6月 この夏は2024年以上の暑さに

日本の暑さです。

6月の平均気温は、平年よりも2.34℃高く、1898年の統計開始以降、過去最高となりました。

6月30日に30℃以上の真夏日となった地点は、全国914の観測地点のうち634地点と、6月としては、比較可能な2010年以降最多となりました。

名古屋市の小学校では、6月17日午前11時ごろに、熱中症の危険度を表す暑さ指数が『31』と、危険レベルになり、授業や掃除を含めた屋外活動を禁止したところもありました。

気象庁の担当者は、7月1日、
「真夏を迎える前の段階で盛夏期のような大気の流れが実現していて、正直驚いている。6月は異常な高温といえる。これから先も平年よりかなり気温が高い見通し」だと話しました。

この週末以降の予想最高気温です。

東京は、34℃〜36℃。
名古屋は、36℃〜37℃。
大阪は、35℃〜37℃。
週末以降は、各地で40℃に迫る可能性があります。

この夏の気温について、三重大学大学院の立花教授です。
「2025年は6月から気温が高いので、海面温度もどんどん上がっていて、この夏は、2024年以上の暑さとなる可能性がある。近い将来40℃超えが当たり前の時代も来る」
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■欧州 記録的猛暑 仏で原発停止 独では川の水位低下

ヨーロッパも記録的な猛暑となっています。

スペインでは、南部のエルグラナドという町で最高気温46℃6月のスペイン国内最高気温を観測しました。
スペインの地元紙は、北アフリカからの乾燥した熱風がイベリア半島に流れ込み、スペインの一部が『サハラ砂漠の一部』と化していると報じています。

フランスでは、全国101県のうち84県に熱風警報が出されました。これは、過去最多となっています。
フランスの一般の住宅や学校は、エアコンの普及が少ないので、約1350の公立学校が休校となりました。

暑さの影響で、フランス南西部のゴルフェシュ原発が、冷却水に使う河川の水温上昇のため稼働を停止しました。

さらに、エッフェル塔では、暑さのため頂上展望台が閉鎖しています。

イギリスでは、ロンドンで6月30日に、最高気温33.1℃を観測しました。
ロンドンの平年の6月の最高気温の平均は21.6℃なので、多くの交通機関にエアコンがありません
そのため、地下鉄内は33.6℃、バスの車内は36.3℃という暑さになっています。

ドイツでは、猛暑の影響でライン川の水位が低下し、貨物の輸送に支障が出て、輸送コストが上昇しています。

こうしたヨーロッパの猛暑の原因は、ヒートドームという現象です。
上空を覆う高気圧が、熱気を押し下げて、ドームのような形を作り、熱を閉じ込める現象です。

三重大学大学院の立花教授です。
「本来は、地面が日射を受け温度が上がると、暖かくなった空気は膨張して軽くなり上空に上がっていくが、ヒートドームが起きると、強い下降気流に阻まれて、熱気がそのまま地面付近にたまるため、高温になる」
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■6月の高温「地球温暖化なければ起こり得なかった」

この6月の高温について、東大・京大の研究者らが、現在の地球と、温暖化していない仮想の地球の2種類のモデルを、コンピューターでシミュレーションしました。

シミュレーションの結果です。
日本上空約1500mの気温を比較すると、現在の地球は、6月16日〜18日で平均17.2℃です。
一方、温暖化していない地球では、約8℃〜約16.5℃の範囲でおさまるという結果となりました。

この研究に参加している東京大学の今田由紀子准教授は、
「どのような偶然のゆらぎが重なったとしても、17.2℃を超える可能性は、ほぼゼロ。6月の高温は、地球温暖化がなければ起こり得なかった」としています。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年7月2日放送分より)

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