連日、相次ぐクマ被害。15日は青森のリンゴ畑で70代の女性が襲われました。「クマが人を襲うワケ」を調べると、今年特有の理由が見えてきました。
市街地にクマ なぜ相次ぐ?
15日、クマの被害が起きたのはリンゴ畑です。
午前10時ごろ、70代の女性が畑で休憩していたところ、突然、背後からクマに襲われ顔や右腕にけがをしました。
「おっかない。反対側に畑があるがモモがやられた」
奈良県でも15日、80代の女性がクマに襲われ、顔にけがをしました。
ヒグマに人が襲われ死亡した北海道では、厳戒態勢が続いています。
人が襲われるケースも
道路の真ん中を走ってくるのは、100キロ以上はあると見られる巨大なヒグマ。9日、車の中から撮影された映像です。ヒグマが走る、すぐ近くには住宅があります。
道路をけり上げる後ろ脚は、筋肉が大きく盛り上がっているのが分かります。
ヒグマが現れたのは北海道北部の留萌市。田畑に住宅が点在するこの場所を、ヒグマが突如走り抜けて行きました。
「今の時期は繁殖期の終わりごろ。オスは広い行動圏をもって行動。その過程で人里近くに出ることもある。本気を出したら時速50〜60キロまで出る」
クマが自宅の敷地に侵入する異常事態も相次いでいます。
「こんな感じで(カメラを設置)」
10日午後9時、物置の横を通ってノシノシとヒグマが。撮影者によりますと、体長はおよそ1.5メートルほどだといいます。
「(Q.映っているのを見て?)震えましたね。本当にえーと思って。たまたま1時間前に、この物置にいた」
「(Q.時間が違ったら?)遭遇していた。人を怖がらないような歩き方。警戒しているような歩き方ではなくて、完全に何かを探している。物置でごみ袋を荒らされた。
北海道で初めて、「ヒグマ警報」が発出された福島町。新聞配達中の男性がヒグマに襲われ死亡したのを受け、15日も厳戒態勢がとられています。
先週から連日ヒグマが市街地で目撃されていて、15日も午前4時ごろ、スーパー付近で目撃情報がありました。
14日はスーパーの裏口にあるごみ置き場に壊された形跡があり、ヒグマがごみをあさったとみられます。
「24時間体制で警察がパトロール。日中は用事がない限り出ないように。出る時は周りを見渡してから出る」
なぜ、ヒグマは人を襲う?
なぜ、クマは人を襲うのでしょうか?番組では、目撃者、クマに襲われた経験がある男性、専門家、それぞれの証言や見解から検証します。
目撃者が目の当たりにしたのは、クマの「執着心」です。
「目の前にクマが人間のうえにかぶさる状態。すぐに声を出して追い払おうとしたが、全然逃げようともしない。そのうちにクマが人間を引きずって」
4年前、ヒグマに襲われた安藤伸一郎さん。当時の体験を語ってくれました。
「衝撃としては車か何かが自分にぶつかってきたのかと。最初は、クマだと気がづかなかった」
襲われたのは、札幌の市街地です。突如、現れたヒグマ。道路を歩く安藤さんを背後から襲います。
安藤さんは、あばら骨が6本折れ、140針ほど縫う重傷を負い、全治まで半年かかったといいます。
「腕で頭を守るかたちですね」
今もクマにかまれた傷跡が。ひざの後遺症にも苦しんでいます。
「日常で動くと痛い。何もしない時でも痛みがずっと残っている。明け方に襲われたが、暗くなるとどこから何が出てくるか分からない。一切家から出ないように心がけている」
市街地で人を襲うクマ。一体なぜなのでしょうか。
「クマは自分が獲得した食べ物への執着心がとても強い」
この夏の猛暑が影響している可能性を指摘します。
「7月になって暑くなってきて草が硬くなってきて、山に食べ物が少なくなってきたことが原因で、一部の個体は人里近くに何か食べ物がないかという行動をとる。段々行動がエスカレートしてきたことが背景の一つとして考えられる」