今週も西日本や東日本で危険な暑さが続き、京都では最高気温が40℃に迫る予想も出ています。
今後、気温40℃が当たり前になると指摘されています。
猛暑の影響で農業や漁業では異変が起きて食料が高騰し、災害も多発する可能性があります。
■40℃目前の危険な暑さ 渇水でプール閉鎖 熱中症も
日本各地で猛暑日が続いています。
7月27日、全国で一番の暑さとなったのは、兵庫県・豊岡で、39.3℃。
7月26日は、福島県・梁川で、最高気温が40℃に迫る39.9℃を観測し、
2025年の全国最高気温を更新しました。
北海道でも7月24日に、北見市で39℃、観測史上1位です。
平年7月の最高気温と比べて、約15℃高くなりました。
同じ日に帯広市でも、38.8℃と観測史上1位。
こちらも平年の最高気温と比べると、約14℃高くなりました。
北海道で暑さによる影響も出ています。
7月24日と25日、JR北海道で列車のレールの温度が上昇し、ゆがむ恐れがあるとして、一部列車が運休または部分運休となりました。
北海道教育委員会によると、7月24日に熱中症対策として、北海道の小学校から高校のうち59校が臨時休校、258校が下校時刻を早める措置をとったということです。
暑さの影響は西日本でも起きています。
兵庫県・丹波市では、7月25日、市が運営するプールが渇水のため、わずか3日で今年の営業が終了しました。
丹波市では、7月の降水量が平年の5分の1以下で、プールに水を供給するダムが水不足になっているということです。
熱中症で救急搬送が相次いでいます。
東京都内では、7月27日午後9時までに熱中症で5歳から97歳の男女62人が救急搬送されました。
そのうち、重症者は6人でした。
平均気温が過去最高となった6月は、全国で熱中症による救急搬送者数が、過去最多の約1万7000人にのぼりました。
「温暖化がこのまま進むと40℃が当たり前の世界になる。熱中症死者数は何も対策をしなければ、10年後には、年間1万人近くになる可能性もある」
■『40℃の世界』コメ野菜育たず エッグショック恐れも
気温40℃になると、農作物にも大きな影響が出ます。
最高気温が40℃に迫る北海道では、農業に異変が起きています。
北海道東部の置戸町にある、『勝山グリーンファーム』は、約430ヘクタールの農地で、
ジャガイモや小麦などを栽培しています。
しかし、2025年の農場周辺の降水量と気温を見ると、
降水量は、7月27日時点で43.5ミリしか降っておらず、
平年7月に降る量の半分以下。
気温も、観測地点のある近隣の北見市で、7月25日まで5日連続、35℃以上の猛暑日となりました。
こちらの農場では、猛暑の影響で、収穫が時期である秋まき小麦の『きたほなみ』という品種が、高温と少雨で例年より、実の膨らみが足りず、長細く育ってしまっているといいます。
そのため、収穫量も2割以上減る可能性があるということです。
農場によると、秋の収穫物にも影響が出る可能性があり、
▼ジャガイモは、高温と少ない雨で、茎が枯れ栄養が行きわたらず、
出荷規格より小さくなる懸念があるといいます。
▼たまねぎも、高温と少ない雨で、茎が倒れ、例年より一回り以上小さいということです。
「異例の状況。2026年も涼しくなると思えないので、品種を変えることも必要」と、懸念しています。
猛暑の影響が、コメ農家にも出ています。
コメどころの新潟県上越市では、7月の降水量が1ミリと歴史的な渇水となっています。
「今後1か月以上雨が降らなければ、収穫量は5割減くらいになるのではないか」と心配の声をあげています。
2年前に卵の価格が高騰した『エッグショック』が再び起きる恐れもあります。
この夏、猛暑でニワトリが夏バテをしていて、その影響で、卵の大きさが通常より小さくなったり、卵の殻が薄くなったりしているといいます。
東京の卵の卸売り価格は、7月、Mサイズ1キロあたりが330円となり、
価格が高騰した2023年7月の価格を超えました。
「以前よりも暑さに強い品種のリクエストが増えている。ただ新しい品種の開発は最低でも10年かかる。開発中にも年々温暖化が続いているので、追いつかない状況」だといいます。
近年の異常気象を受け、2060年にリンゴの産地が変わるかもしれません。
農水省によると、現在、リンゴの栽培に適している地域が、赤い部分で示している、西日本から東日本の内陸部や東北です。
今後、気温上昇すると栽培に敵した地域が北上し、2060年代には、北海道や東北北部などに変わる可能性があるという見解が出されています。
海外では、すでに変化が起きています。
フランスでは2022年に記録的猛暑と干ばつになったことを受け、
フランスの大手シャンパンメーカーが、ワインの産地を北に移すため、
イギリス南部での生産に投資をしているという事です。
世界のカカオ生産の約6割を占める、アフリカのガーナとコートジボワールでは、
2024年に熱波で気温は上昇。
その影響でカカオが不作となり、世界のカカオ価格が280パーセント急騰しました。
「気候危機は、食糧問題に直結する。特に日本の食料自給率は他の先進国と比べると低いため、大きな影響を受けることは明白」
■海水温上昇 食卓で“おなじみ”の魚が高級食材に!?
猛暑の影響で、漁業にも異変が起きています。
スルメイカの漁に異変です。
新潟県佐渡市の漁師さんの事例です。
漁獲が5分の1になっています。
例年は1日で約600引き取れていたスルメイカが、
2025年は約120匹。
「全然釣れていない。利益はない。燃料代でプラスマイナスゼロ」だと話しています。
『イカの街』として有名な函館でも異変です。
スルメイカが数匹しか獲れず、
6月2日、初競りが史上初めて中止になりました。
その後、初競りは一週間後に行われました。
サバ缶にも異変です。
岩手の会社が製造している『サヴァ缶』は、3月から製造休止となっていて、
再開の見通しは立っていません。
理由は、サバの水揚げ減少で原料の調達が難しいことと、
オリーブ油などの価格が高騰しているためです。
2008年と比べて値段が上がっている水産物です。
サバは約1.6倍、
スルメイカは約4.7倍、
サンマは約7.2倍になっています。
原因の一つは海面水温の異変です。
日本周辺の海面水温です。
赤が濃いほど例年よりも温度が高くなっています。
一番濃い色で示される、5℃以上高いところも多くみられます。
温暖化は海水魚だけでなく、琵琶湖のアユにも影響しています。
記録的不漁です。
漁獲量は、10年前は77.6トンでしたが、
今シーズンは17.6トンでした。
産卵期の川の水温が、適温である20℃まで下がらなかったことが原因の一つだと考えられています。
■世界で豪雨、山火事、熱波「日本で起こる可能性も」
温暖化の影響で、世界では災害も増えています。
韓国では豪雨です。
24人が亡くなり、行方不明者が4人出ています。
7月16日から5日間で800ミリの雨が降り、
韓国気象庁は「200年に一度レベルの雨が降った場所もある」としています。
トルコでは数百件の山火事です。
全国各地で気温が40℃を超えていて5つの地域で火災が発生。
6月から7月にかけて、1週間で600件を超える山火事が起きたといいます。
「異常気象がもたらす熱波、洪水、山火事などがユーロ圏のGDPを今後5年間で約5%押し下げる可能性がある」としています。
アメリカでは、高温で救急ヘリが飛べない事態が起きています。
カリフォルニア州のデスバレーです。
2024年、熱中症患者が発生しましたが、高温のため救急ヘリが飛べませんでした。
救急ヘリは約49℃を超えると、安全な飛行ができないといいます。
高温で救急ヘリが飛べない理由です。
高温時には空気の密度が下がり、
ヘリのローターが空気を捉えにくくなるため、離陸や非行が難しくなります。
「今後、日本でも海外で起こっているような豪雨や山火事、落雷など、災害級の危険な現象が起こる可能性がある」
■いまこそ温暖化を止めなければいけないワケ
40℃の世界は目前に迫っています。
「平均気温が100年前と比べて1.5℃から2℃高くなると 『ティッピングポイント』と呼ばれる臨界点を超えて、 もう元に戻らない段階に踏み入れてしまう可能性がある」
ティッピングポイントのイメージです。
気候は階段状に変化します。
ティッピングポイントを超えると、もう階段をおりられません。
「2023年は100年前と比べて1.4℃高い状態、『ティッピングポイント』はもう目の前の状況。いま温室効果ガスが削減できなければ、近い将来40℃超えが当然の世界に踏み込んでしまう」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年7月28日放送分より)

















