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2025年8月6日 16:00

猛暑で不眠 慢性的な睡眠不足は健康リスク増 どうすれば?プロの寝室から学ぶ快眠法

2025年8月6日 16:00

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猛暑による寝苦しさで、睡眠不足に悩む人が増えています。

慢性的に不眠が続くと、生活習慣病のリスクを高める恐れもあります。

睡眠の専門医が自宅の寝室で実践している快眠法についても、見ていきます。

■知らずに抱える睡眠負債 あなたは大丈夫?8つのチェック

暑くて、「眠れない」という皆さんの声です。

60代と50代の夫婦
「暑くて夫婦でくっついて寝られない。エアコンはつけっぱなしだが、夜中に起きてしまい、そのあと寝ようとしても、ベタベタして眠れない。疲れで昼間眠いし、昼ごはんもあまり食べられない」
50代男性
秋冬に比べて、寝付きが悪い。夜中の2時3時くらいになると、目が覚めてしまう。日中に疲れを感じる。10年前と比べて、夏の疲れを感じている」

7月は、異常な暑さでした。
平均気温は、平年より2. 89℃高く、統計開始以来最高の気温となりました。

東京の熱帯夜は、8月4日時点で、すでに23日
過去20年の平均熱帯夜日数は、32. 5日です。
8月上旬で、すでにこの日数に近づいています。

知らないうちに抱えてしまうのが『睡眠負債』です。

『睡眠負債』は、慢性的な睡眠不足が続き、負債が蓄積されている状態です。

たとえば、適切な睡眠時間が7時間、でも実際5時間しか眠れなかった場合、睡眠負債は2時間となります。

こうした状態が続くと、睡眠不足で体内時計が崩れていきます。

東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長によると、
「夏の睡眠負債が原因で、慢性疲労不眠が増えている」といいます。

不眠が続くと健康リスクも増えます。

睡眠時間が6時間未満の場合
●心筋梗塞などの心血管疾患が、4. 95倍
●糖尿病が、1. 37倍
●うつ病が、2. 27倍
●認知症が、1. 22倍
発症リスクが高くなるというデータもあります。

梶本院長です。
「睡眠不足が続けば、生活習慣病のリスクも高める。睡眠は、昼間の活動によってダメージを受けた脳を修復・回復している時間。単純に睡眠時間を延ばせばよいというわけでなく、肝心なのは『睡眠の質』

みなさんの睡眠は大丈夫でしょうか。

睡眠負債のチェックです。
8つの項目があります。
みなさん、いくつ該当するでしょうか。

●電車やバスで、次の駅に着くまでに眠ることがある
●毎晩布団に入ると、5分以内に眠りに落ちる
●起きてから4時間後に、眠気やだるさがある
●休日はいつもより、2時間以上長く寝ている
いびきをかいている。
●夜中に2回以上起きる。
●パジャマが寝汗でびっしょりになる。
●風邪をひきやすい。

【該当する項目が、0個の人】
睡眠の質が高く、ベストな快眠状態です。

【1〜2個当てはまる人】
睡眠負債の初期段階です。
規則正しい生活を心がけましょう

【3〜4個当てはまる人】
睡眠負債がたまっている可能性が大きいです。
自分の睡眠を見直しましょう。

【5個以上当てはまる人】
睡眠の質が低く、生活習慣病のリスクが高くなっています
早急な改善が必要です。

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■「夜中に3回起きる」松岡アナの寝室診断

「夜中に3回起きる」という松岡アナの睡眠について見ていきます。

東京疲労・睡眠クリニックの梶本院長に診断してもらいます。

エアコンは、冷房ではなく、ドライ(除湿)
体感温度から、マイナス1.5℃に設定しています。

診断結果です。
かなり優秀なエアコンだと思う。こうした機能を使うのは良い。
ドライ(除湿)の機能しかないエアコンを使っている場合は、ドライではなく、冷房にして設定温度を25℃〜26℃にする方が良い。
除湿には、冷風が出る除湿と温風が出る除湿の2つあり、温風が出てしまうと暑くなる。『冷房』だと確実に冷える。

寝るときは、長袖のシャツに短パンアイマスクをつけ、毛布1枚を掛けて寝ています。

診断結果です。
寝巻については、短パンよりは長ズボンの方が良い。
毛布1枚ではなく、厚手の布団が良い。

カーテンは、レースカーテンだけ閉じて寝ます。

診断結果です。
レースカーテンは、日の出とともに起床しなくてはいけない生活ならばOK。
ただし、そうでないなら遮光カーテンを使うほうが良い。
レースカーテンだけで寝ると、街灯などの光が入ってきてしまうことがある。

足元には、扇風機を置いて、自分に風が当たるようにしています。

診断結果です。
足元の扇風機は良いが、風は自分に当てない方が良い。
空気を循環させる、サーキュレーターのように使う方が良い。

起きる時は、携帯電話2台のアラームと爆音目覚まし時計。合わせて3台のアラームで起きます。

診断結果です。
これは仕事上仕方がないと思うが、携帯のアラームや大音量の目覚ましは避けた方が良い。
徐々に音が大きくなるようなものがベスト。

そして、寝る前には、温かい飲み物を飲んで、入眠時は、ヒーリング音楽を(2時間)聴きながら寝ます。

診断結果です。
温かい飲み物は良いとは限らないが、寝る前のルーティーンになっていれば〇。
ヒーリング音楽は2時間だということで、これは長すぎ。
目と耳は、寝ているときも常にONの状態なので、雑音が入ると眠りが浅くなる。
寝付きがよいなら、10分、長くても30分以内にした方が良い。

松岡アナです。
「睡眠時間は8時間取るようにしているが、実際はトイレなど夜中に3回ぐらい起きてしまい、8時間も寝られていない。慣れない仕事の時は寝付きが悪かったり、眠りも浅いので、どうしたら深く眠れるのか知りたい」
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■プロの寝室 枕・照明・天井 ひと工夫で快眠 入眠儀式も

どうすれば、快眠できるのでしょうか。

睡眠のプロ・東京疲労・睡眠クリニックの梶本院長が、実際にどうしているのか見ていきます。

寝る前の入浴方法です。
この夏の時期は、ぬるま湯のシャワーです。
湯船には浸かりません
お湯に浸かりたい場合は、38〜40℃のぬるめのお湯で、浸かるのは5〜10分が良いということです。

寝室に行く前に、入眠儀式(寝る前のルーティン)として、
パジャマに着替える
読書
聴き慣れた音楽や音を聴く
軽いストレッチ  
などを行います。

寝ている間の脱水予防として、200ccの常温の水を20分かけて飲みます
こうすると、就寝中にトイレに起きる回数が減ります。

梶本院長によると、
「歯磨き前であれば、スポーツドリンクでも良い」ということです。

梶本院長が実践している快眠のコツ1つ目、枕です。

横向き寝枕』という、高さが高めの、横向きで寝やすい枕です。
いびき予防
心臓・胃への負担軽減
体温調節がしやすい
ということです。

快眠のコツ2つ目は、照明です。

寝る前は、『暖色(オレンジっぽい色)の照明』にしています。

暖色=夕焼けの色で、眠くなるということです。

快眠のコツ3つ目、梶本院長の秘密兵器は、天井に時刻を投影する、プロジェクター式時計です。

夜中に目が覚めた時、起き上がったり、スマホで時間を確認したりすると覚醒しやすくなります
それを軽減する効果があるということです。

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■エアコン故障 どうやって寝る?入眠剤は?目覚め方も大事

お天気の片岡信和さんの睡眠に関する悩みです。

先週、エアコンが故障しました。
その日から、首・両脇・腰に保冷剤を当て、両手首に冷却ジェルシートを貼り、両手に保冷剤を握って寝ています。
ただ、保冷剤が溶けて、2時間おきに不快な暑さで目が覚めてしまうということです。

片岡さんです。
「保冷剤は冷えて、体に刺激が強い。エアコンなしでも、体に刺激を与えず、冷却できる快眠法はありますか?」
梶本院長によると、
「一番おすすめは、ビジネスホテルに避難することですが、湿気が高い時にできる方法としては、ペットボトル2リットルを2本凍らせて、洗面器の上に置いておく10%程度の除湿効果があり、感覚的には1〜2度体感温度が下がる」ということです。

片岡さんですが、8月7日には、エアコンの修理に来てもらえるそうです。

玉川徹さんの睡眠の悩みです。
「眠れないときは、入眠剤に頼ってもいいですか?」
梶本院長です。
「新しく出てきた薬の中には、副作用などの少ないものもあるので、薬を飲まないで不眠症を続けるより、不眠症を治すために医師に処方された薬を飲む方が、認知症などのリスクを考えると、より安全ということもある」ということです。

快眠のためには、目覚め方も大事です。

ポイント1つ目は、(大きな音などでなく)『で起きる』。
これは、夜ぐっすり眠れるホルモンの分泌につながります。

梶本院長の寝室は、自動で遮光カーテンが開くようになっています。

起床のポイント2つ目は、『“脳の興味を引く”起き方』です。

梶本院長の寝室は、自動でテレビのスイッチがONなり、モーニングショーのオープニングで、起床しているということです。

そして、休日に平日の睡眠不足を補うには、『中央時刻を変えずに長く寝る』です。

平日と休日で睡眠時間が変わっても、どちらも中央時刻(この場合3時)は変えないのが大事です。

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■快眠のカギは自律神経 疲労軽減のポイント

夏の快眠には、自律神経も重要です。

自律神経は、体温や心拍、呼吸、血圧などの体の機能を調節する役割があります。

東京疲労・睡眠クリニックの梶本院長によると、
「自律神経は睡眠も制御している。夏は室内外の気温差などで、自律神経が最も疲れやすくなる時期。自律神経を疲れさせないことが、快眠のカギ」ということです。

その自律神経を疲れさせないためのポイント、食事面です。

疲れている時に、スタミナがつく食事は、ダメです。

梶本院長によると、
「脂肪分が多い料理は、消化に時間がかかり、自律神経への負担が増える」ということです。

おすすめは、鶏のムネ肉です。
疲労回復効果のある『イミダペプチド』が多く含まれ、快眠にもつながります。

コンビニで販売している『サラダチキン』もおすすめです。

自律神経を疲れさせないためのポイント、仕事面です。

同じ姿勢で長時間座り続けると、血流が悪化して、血流改善のために自律神経が活発に働き、負担となります。
そうならないために、1時間に1回立ち上がり、歩きましょう。

階段を使って、1階下のトイレに行くのも、効果的です。

自律神経を疲れさせないための、外出の際のポイントです。

目から紫外線が入ると、角膜に炎症が起きて、それが脳に伝わりストレスとなり、自律神経に乱れが生じます。
そのため、外に出る時は、サングラスを着用して、紫外線をカットしましょう。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年8月5日放送分より)

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