横浜みなとみらいなど花火大会の事故が相次ぐなか、関西最大級のびわ湖大花火大会では群衆事故を防ぐため、高さ4メートルの目隠しフェンスを設置。しかし、打ち上げ直前から大雨に見舞われるなど大混乱に。その一日を取材しました。
事故防止に4mのフェンス設置
びわ湖の夜空に咲き誇る1万発の花火。湖面を彩る光景はまさに百花繚乱。人々を魅了した関西屈指の花火大会、その裏には様々なハプニングがありました。
巨大な壁のようにそびえたつ、長いフェンス。高さはおよそ4メートルあります。外国人観光客が押し寄せた、いわゆる“富士山コンビニ”に以前張られていた撮影防止の幕を彷彿(ほうふつ)とさせる、この高い壁は花火を目隠しするように湖畔に沿って、およそ2キロにわたり設置されています。見物客が滞留し雑踏事故が起きるのを防ぐために取られている措置ですが、地元の住民は…。
「ちょっと邪魔だな。地元の意見としてはなくしてほしいという思いはあるが、利益を出したいという部分があると思う」
そのフェンスの先に広がるのが、有料席です。お値段は最高10万円ですが、およそ6万4000席がほぼ完売。警備費用の高騰などで有料エリアは年々広がります。
一方、限られた無料観覧エリアは、場所取りの争奪戦に。朝6時の時点で、ビニールシートがびっしりと敷き詰められました。
「きつい。(無料エリアが)どんどん端に寄せられるから、そういう意味でのきつい」
そんな誰もが楽しみにしている花火大会で、今回、ちょっと心配なのが…。
「打ち上げてくれる方の安全がいちばん」
4日前に起きた、あの爆発事故です。
横浜市の花火大会で、花火を打ち上げる台船から火が出て中止になりました。その前日には兵庫県淡路島でも花火が爆発し、わずか10分でこちらも中止…。
実行委員会は、相次ぐ事故を受けて、台船の安全確認などを改めて行ったということです。
打ち上げ1時間前に大雨直撃
会場周辺のにぎわいが増した午後6時すぎ、打ち上げが1時間後に迫るなか、突然、強い雨が降り始めたのです。
会場近くでは、雨宿りをする人の姿が見られました。湖畔では木や屋根の下に、人がぎゅうぎゅう詰めになっていました。
「雨が降った瞬間に、すぐそこやったんですけど逃げてきた。風向きのせいでビシャビシャです」
ただ、せっかく確保した場所を手放せず、雨に打たれたままの人も…。
「中国人の方が見かねて(傘に)入れてくれました」
「(Q.お友達ではないんですね)違います。ありがたいです」
助け合いながら耐え忍ぶ人がいる一方で…。
「もうやらないと思うんで帰ります」
「混む前に帰っておこうかなと」
「これやるんかな?」
スタッフ
「ね〜そんな感じですけどやめるとは言っていないです」
来場者
「言ってない…」
諦めて帰ろうとする人も見られるなか、開始時間が近付きます。すると…。
花火大会開催 34万人が歓声
雨空に向けて打ち上げられた花火に、歓声が沸き上がりました。一向にやまない雨に、ブルーシートにくるまりながら見る人もいれば…。
「クリアファイルです。コンビニで何か代用できひんかなって。めっちゃきれいです」
歩道では、4メートル超えのフェンスが、通行人の立ち止まりを防いでいるはずでしたが、打ち付ける雨で外れてしまったのでしょうか、幕が垂れたフェンスの前で多くの人が立ち止まって、花火を見ています。
すぐさま対応が取られましたが、その後も、フェンス越しに見る人は絶えませんでした。
「大雨だけど楽しかったです」
大雨のなかの開催となりましたが、去年より4万人多い大津市の人口とほぼ同じ34万人が大輪の花火を楽しみました。
(「グッド!モーニング」2025年8月10日放送分より)