長崎県でも線状降水帯の発生の恐れがあります。危険な雨はいつまで降り続くのでしょうか。
濁流が道路に…冠水の瞬間
街を襲う危険な雨。
「とうとう店の中まで浸水しています。心折れています。畳が揺れまくってます」
畳が浮き上がっていたのは、熊本県玉名市の呉服店です。店の中では商品が倒れ、外では時折、雷も鳴ります。
「商品の半分くらいは避難できたんですけど、あした、あさってもまだ降るんで今片付けできない状況。怖かったというか、どこまで降るんだろうっていう気持ちのほうが強かった」
八代市では街のあちこちが冠水していました。
大雨特別警報が発表されたのは11日未明のこと。
4台の車が冠水した道路につかってしまっています。道路が海のようになってしまっています。タイヤがほとんど見えなくなる位置まで水位が上がっています。車が複数台立ち往生しています。
「怖いです」
インタビューの最中、別の車がバックして引き返していきます。
「みんな気づかないから、近くにくるまで。スピード出して入ってくるから」
この雷雨のなか、外に出ざるを得ない人も…。
「看護師で今から夜勤に行こうと思ったら、家の前がつかっていて歩いて。病院は国立なので高台だから大丈夫」
地下の店は入り口が見えないほど…。
「一気に流れ込んできて地下の店は水びたしだと思う。午前0時すぎくらいには前の道路が冠水し始めて、地下にもどんどん水が流れ込んだ」
地下の駐輪場も冠水しています。
上天草市内の様子は、濁流が道路に押し寄せ道路が見えなくなるまで、わずか30分ほどしかかかりません。
別の場所も、雨で道路が冠水。トラックが取り残されています。時間を追うごとに、水位が上がり、不安そうに運転手が外をうかがいます。消防によると、運転手はその後、救助されたということです。
県道沿いでは大規模な土砂崩れが発生しています。土砂でコンクリートの壁などがなぎ倒されています。幅は30メートル以上あるとみられています。
以前はあった、斜面に貼られていたとみられる看板は、今回の雨の影響で崩れ落ちています。
甲佐町では男性が土砂崩れに巻き込まれて行方不明となっていました。家は大きく傾き、複数の車が壊れています。
「まさかこんなところ崩れると思いませんし、びっくりしました」
そして午後2時半ごろ、男性が警察車両に運び込まれます。
熊本県に出されていた大雨特別警報は午後4時前、大雨警報に変わりました。
「(Q.姉は中に?)中にいます。姉が目覚めた時には水が来ていた」
水位が低くなったため、男性は高齢の姉を迎えに行くといいます。周辺は用水路の水があふれたということです。
「玄関先に水が来ている」
男性たちは薬や着替えを持って避難しました。
「地下に水が」九州各地で被害
一方、大分では10日夜からの大雨で、一部地域に一時、警戒レベル5の緊急安全確保が出されました。
飲食店の入り口に積まれた土のう。雨水は建物の中まで入ってきたといいます。
階段を見ると、2段目の高さまで浸水していたことが分かります。
食堂と倉庫が浸水の被害に遭い、臨時休業を余儀なくされました。
大雨は長崎でも猛威を振るいました。傘がひっくり返るような風も吹き荒れます。
山肌を滝のように水が流れ、さらに進むと、地面から山の水が吹き上がっています。
原爆資料館では雨漏れが発生し、床が水浸しに。急きょ、臨時休館を決めました。
東京大学 渡邉英徳教授
「午前11時くらいからものすごい土砂降りの雨になって、窓の外から水がどんどん入ってきてしまった。我々が展示していたスペースにまず水がたまって、1階エントランスとか地下の階に流れ込んでしまった。地下に貴重な資料があって、それが濡れてしまうことが心配」
気象庁は、11日夜遅くから12日朝にかけて、長崎県で線状降水帯が発生する恐れがあると発表。土砂災害や河川の氾濫など厳重な警戒が必要です。
福岡では心配な事態が起こっています。
福津市の西郷川は茶色く濁った水が速い流れで下流へ。川沿いの道路が橋の手前から崩れています。濁流の威力が景色を一変させました。
普段は穏やかなこの川。比べると被害の大きさが一目で分かります。歩道には流木が覆いかぶさるように積み重なっていました。
10日の西郷川は、午前11時、水位は低く見えます。ところが昼すぎから水位が急上昇。午後5時には橋のすぐ下まで迫り、あふれる寸前に。
この濁流に10日に60代の男女が流され、今も行方が分かっていません。警察の捜索が続いています。
山口市では道路一面に水が広がり、車が水しぶきを上げて進みます。
平年8月の一月分を上回る大雨は深刻な事態を引き起こしました。
阿武町では数メートルにわたって山の斜面が崩れ、崩れた土砂は片側一車線の道路をふさぎました。この道は下関から広島までをつなぐ国道。2キロにわたって通行止めとなり、復旧までにおよそ20時間かかりました。
交通まひ お盆の九州を大雨直撃
九州各地で交通もまひ。
博多駅の構内には、スーツケースを抱えた人々が横になり、再開を待っていました。
博多から新大阪方面は動き始めたものの、九州新幹線は全線でストップ。
「(Q.いつ帰る予定だった?)きのうの夜だったんですけど、(新幹線)止まってるってなって夜過ごして朝を迎えた」
「帰省しに帰って飛行機に乗って着いたら全部止まってた。早く帰りたい」
11日午後になってようやく運転が再開されました。
テレ朝天気





















