熊本県では11日朝にかけて7つの市と町に『大雨特別警報』が出され、このうち玉名市では一日で450ミリ以上という観測史上最大の雨量となりました。この雨で2人が心肺停止、3人が安否不明となっています。
『線状降水帯』相次ぎ…猛烈な雨
熊本県内で降り続く雨は時間とともに激しさを増し、危険な雨へと変わっていきました。県内では10日夜から11日朝にかけて相次いで線状降水帯が発生。流れ込んだ雨雲が同じ場所に途切れることなく猛烈な雨を降らせ続けました。
気象庁は一時、玉名市・長洲町・八代市・宇城市・氷川町に大雨特別警報を発表。夜が明けて上天草市・天草市が追加され、特別警報の対象は7つの市と町に広がりました。
老舗呉服店も 着物100点が被害
甚大な被害に見舞われた玉名市。300年以上続く老舗の呉服店は床上浸水の被害に遭いました。
「グチョグチョとビチョビチョ。振り袖ですね」
約100点の着物が被害に遭ったといいます。
「相当な(被害)額になる」
(Q.計算もなかなか)
「もうしたくない感じ。ただ、人的被害がなかったので、何とか頑張れるのかな」
また、牛乳配達をしている会社の倉庫は人の背丈ほどまで浸水し、巨大な冷凍庫も横倒しに。11日に配達する予定だった300人分の乳製品も水に浸かってしまいました。
「少し行くと左側に川がある」
(Q.氾濫したタイミングで水位が上がった)
「そうだと思う。朝仕事に来たらこうなっていた」
その境川では午前0時過ぎ「人が流された」と通報がありました。捜索は続いていますが、発見には至っていません。
繁華街も浸水…地下の店舗は
熊本市内もかつてない雨に見舞われました。6時間で300ミリに迫る雨を記録したのは観測史上初めてです。腰まで水に漬かりながら必死に自転車を押す人の姿も。雷雨の中でも外出せざるをえない人がいます。
「看護師で、今から夜勤に行こうと思ったら家の前が浸かっていて。歩いて。病院は高台だから大丈夫」
県の対策本部によると、市内では川に流された男性2人の安否が分からなくなっています。
アーケードのある繁華街も、くるぶしが隠れるほどの水位に。ビルの地下に入る飲食店は一瞬で水に飲み込まれたといいます。6時間以上行われた排水作業。地下に降りてみると、水圧でシャッターが変形し、開かなくなっていました。ここは火鍋が人気の店で、オープンからわずか2年。経営がようやく軌道に乗り始めた矢先の出来事でした。
「もう泣きたい気持ち。今後はどうしたらいいのか。従業員の今後の生活をどうするとか大変心配。みんなで協力してやっと落ち着いてきたのに、今回の水害でめちゃくちゃに。もうダメかな」
4人家族で避難中 父親が…
県内のあちこちで冠水被害が起きています。八代市の住宅では室内すれすれまで水が迫り、外に出ると一面が濁った水に覆われていました。高齢の姉が取り残されてしまった家では。
(Q.姉は中に)
「中にいます。姉が目覚めた時には玄関まで水が来ていた」
夕方になってようやく水位が下がり、救助することができました。
天草市内の街中ではこんなものも。
「魚が上がってきたんですかね。川から来たんでしょうかね」
冠水の速さを物語るのが、上天草市で捉えられた映像。道路が水で覆われるまで、わずか30分でした。
市内では避難所も一時孤立。お盆休みでにぎわっていたキャンプ場でも、利用客12人と従業員3人が一時的に孤立しました。
土砂災害も相次ぎました。甲佐町では避難途中の車が土砂崩れに巻き込まれました。
「雨がひどくてやまないから避難した方が良いのではということで(避難に)動いたタイミングが土砂と重なってしまったのでは。午前3時台だから雨が多かった」
母親と子ども2人が救助されましたが、車の外にいた父親の行方が分からなくなっています。現場からは男性1人が救助されましたが、心肺停止の状態です。
町全域に『緊急安全確保』停電も
甲佐町からさらに奥。山あいの美里町でも深刻な被害が広がっていました。
「こちらはかなり土砂がたまっている場所です。軽乗用車が土砂に丸々埋まっている状況です。そして向こう側の車は、おそらく川に流されて電柱でせき止められたような形となっています」
午前2時過ぎの映像では、画面奥の橋に流木が引っかかり、土砂が堆積。そこから水があふれ出ました。町全域に『緊急安全確保』が出されたのは午前5時前でした。
「逃げないと危ないんですけど、この辺が水浸しだったので、垂直避難で家族全員2階へ避難した」
「コンクリートや土がすっぽりと抜け落ちてしまってます。それに引きずられるかのように電柱も倒れています。その向こう側、工場の壁・コンクリートも崩れています」
周辺には約30センチの泥が積もっていました。
「聞いたことないくらいの雨の音が一晩中続いていた。岩がここ流れる音が聞こえるんですよ。寝ていても。ゴトゴト地響きがするような音を立てながら岩が流れてた。川底を」
町では停電も続いています。
「里芋も軟らかくなってきているし、冷凍食品も溶け始めている。幸い水は出ているので、そこは助かっているんですけど」
(Q.夜はどう過ごす)
「こんな電気を頼りに今日は一晩過ごそうかなと」






















