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山の日の3連休を大雨が襲い、普段は登山客でにぎわう北アルプスの山道が川のようになりました。予約のキャンセルも相次ぎ、山小屋は悲鳴を上げています。
大きく変化した川 10人が遭難も
国内屈指の山岳リゾートとして知られる北アルプスの玄関口、長野県の上高地。
普段はエメラルドグリーンの清流で知られていますが、大雨の影響で梓川は茶色く濁り、増水しています。
氷河で削られたお椀(わん)状の地形で有名な「涸沢カール」も、激しい雨で普段水が流れていない場所が川のようになってしまっています。
常駐して14年目になる遭難防止の隊員にとっても初めての光景だといいます。
雨は、現在は落ち着いてきていますが、3連休中に長野県では10人が遭難。そのうち2人が低体温症になり、5人がけがをしました。
木曽山脈を登っていた男性は駒ケ岳を目指していましたが、途中で引き返しました。
登山者
「雨も風も強くて、かなり怖かった。このまま続行したら遭難するのではという思いはかなり強くありました」
「雨も風も強くて、かなり怖かった。このまま続行したら遭難するのではという思いはかなり強くありました」
大雨によって、ここまで変化してしまう山の景色。影響は山小屋にも出ていました。
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「9割以上がキャンセル」山小屋悲鳴
登頂すれば、眼下に広がる雲を眺めることができる北アルプス。
槍ケ岳山荘グループ 穂苅大輔代表
「山の日の3連休からお盆休みの期間は、1年で最も登山者の多い時期。もともとは連日、満員のご予約をいただいていた。この大雨ですから本来、登山ができるような状況ではないので、もうほとんど9割以上の方がキャンセルという状況」
「山の日の3連休からお盆休みの期間は、1年で最も登山者の多い時期。もともとは連日、満員のご予約をいただいていた。この大雨ですから本来、登山ができるような状況ではないので、もうほとんど9割以上の方がキャンセルという状況」
近年、ヘリコプターで運ばれる物資の輸送費や人件費の上昇が山小屋の経営を圧迫しています。
北アルプスで6つの山小屋を運営する会社は、これまで1泊2食付きで一人1万円ほどだった宿泊料金を去年、1万4000円から1万5000円に値上げしたばかり。
来年、再び値上げを検討していましたが、書き入れ時を大雨が襲いました。
穂苅代表
「この大雨とか山だと雪が少ない傾向にあったりとか、10年20年前と比べて山の自然の状況が変わってきている。山小屋を取り巻く環境は非常に厳しくなる一方ですので、登山者の方々に理解をしていただいて、できることを協力していただきたい」
「この大雨とか山だと雪が少ない傾向にあったりとか、10年20年前と比べて山の自然の状況が変わってきている。山小屋を取り巻く環境は非常に厳しくなる一方ですので、登山者の方々に理解をしていただいて、できることを協力していただきたい」
(「グッド!モーニング」2025年8月13日放送分より)
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