一時は巨額の赤字で先行きが危ぶまれた徳島県の阿波踊りは、黒字に転じて4年目を迎えました。今年は名称をローマ字表記に統一し、外国人観光客も楽しめるイベントに進化しています。
4億円赤字から復活 世界へ魅力発信
12日に開催初日を迎えた徳島県の伝統芸能・阿波踊り。降りしきる雨も何のその、踊りを楽しむ姿はまさに「踊る阿呆(あほう)に見る阿呆」です。
夜遅くまで続いた阿波踊り初日、会場は始まる前から人々の熱気に包まれていました。
にぎわいを見せる祭りですが、2017年には徳島市の観光協会の4億円を超える累積赤字が発覚。コロナ禍では観光客が激減し、席を減らす苦渋の対応も強いられました。
しかし、阿波おどり未来へつなぐ実行委員会事務局によると、3年前からは集客数も増加し、3年連続の黒字に転じています。
今年は人気アニメと阿波踊りがコラボ。朝からグッズを買うための列ができていました。
「(Q.何時に起きた?)家を出たのが4時。買えるかというのが、すごい楽しみ」
中には、海外からのファンもいました。
「買いたいのはうちわですが、うちわは締め切り(売り切れ)。缶バッジとアクリルスタンドです」
外国人の間に認知度が高まっている阿波踊り。今年からは祭りの総称を大胆にアルファベットの「THE AWAODORI」に刷新。海外に向けたアピールに振り切りました。
「初めて来ました。みんなと一緒に踊れることが楽しみ」
50年近く踊り続けているという、本家大名連の連長・清水理さん。年々観客は増え続けていると肌で感じています。
「それはもう人だかりですよ。わんさかわんさか来ていますね」
観客との触れ合いも大切にしているといいます。
「観ているお客さんと共に、踊る側も一つになって楽しんでもらいたいと。これがまさに郷土芸能でなかろうかと」
コロナ乗り越え 無料演舞場が復活
チケットの売り上げも3年間で増加していて、去年は1年前より1万2000枚多く売れています。
さらに、今年はある場所が復活していました。
「今回6年ぶり」
地元の飲食店などが協力して2018年に始めた、チケットがなくても楽しめる無料演舞場です。コロナ禍から、しばらく開催を見送っていたといいます。
「町自体が沈んでいたというか、旅行者様も少なかったというのもあり復活できず」
経費がおよそ600万円かかり、町の人手が減ったなかで多くの店が開催に踏み切れずにいましたが、今回は企業の強い後押しもあり、開催が決まりました。
「すでにちょっと明かりが消えている店も多かったので、もっと盛り上がれる話になったらと思っています」
初日は悪天候での開催となりましたが、無事に最後までやり切ることができました。
日本の美しい文化を楽しめると、海外からも人気の阿波踊り。15日まで開催しています。
「AWAODORI!AWAODORI!」
(「グッド!モーニング」2025年8月14日放送分より)