タイワンリスが神奈川県内で大繁殖して、農作物に深刻な被害が出ています。数年前までは湘南周辺だけでしたが、今では横浜や川崎での捕獲も相次いでいます。また、多摩川を越えた東京・世田谷区での目撃都情報もあり、都内に定着する恐れもあります。
農作物被害…電線かじられる
横浜駅の隣・東神奈川駅から徒歩6分の場所にある反町公園。子どもたちも大勢遊ぶ公園の一角に今、多くのタイワンリスが住み着いています。
タイワンリスといえば近年、三浦半島で大繁殖し、2023年度に鎌倉市では過去最多の2861匹が捕獲されました。
閉園した動物園やペットとして飼われていたものが逃げ出し、繁殖・定着したといわれるタイワンリス。その被害は深刻で、野菜や果物が食い荒らされるだけでなく、電線をかじられたり、住宅の雨どいに巣を作られたりなどの報告もあります。
昨年度には鎌倉市での捕獲数は2202匹に減少しましたが、過去にも増減を繰り返しているため油断はできません。
年々、タイワンリスの捕獲数が増加している横浜市。市から駆除の委託を受けている業者に付いていきました。
こちらの住宅では今年1月に罠を設置してから、すでに15匹捕獲しているといいます。
「最初は1匹か2匹だったので、かわいいと思っていたが。ところがどっこい、増えてくるとみんな食っちゃう。柿の木2本とキウイがあったが、キウイは枝を食われた後、枯れちゃったの」
別のタイワンリスによる樹木の被害です。木の皮がかじられミミズ腫れのようになっています。ここから浸水すると木が腐り、倒木の危険性もあります。
この日、駆除をしたタイワンリスは3匹。こちらの業者では4月だけで50匹の駆除を行ったといいます。
「じわじわ北上しているかなという感じ。実際に回収・調査を担当したところの北限は港北区の新横浜の新幹線の駅のそばまで」
都内で目撃した人も
すでに東京の目と鼻の先にまで生息範囲を広げているタイワンリス。専門家は、都内に侵入してくるのも時間の問題だといいます。
「東京都も非常に緑地が多いところになるので、そういった部分で別に県境に塀が立っているわけでもバリアーがあるわけでもありませんから、基本的にいつ入ってもおかしくない。場合によっては入っていても、気づいていないという可能性もある」
神奈川県から川を挟んだ先にある東京・世田谷区の二子玉川で話を聞いてみました。
「(Q.リスをこの辺で見たことがある?)ないです」
「(Q.リスをこの辺で見たことがある?)見たことないです」
五箇氏によると、タイワンリスに限らず、外来種の大半は侵入から発見までに10年近い時間を要するといいますが…。
「(二子玉川駅近くの)病院の裏山で見たことがあります。そこで枝にこう、あれしているのを見たことがあります」
すでに都内で目撃した人もいました。
「本当、見た目はかわいいんですが、結果的に彼らが繁殖することで、日本の野鳥やあるいはムササビのような動物、そういったものの生息域を奪ってしまう。樹木を枯らしてしまうことで、森林の生態系に悪影響を及ぼす。また人の家に近づくことで、寄生虫等の感染症のリスクも上げてしまう。言ってみれば、人間社会そのものに対しても安心安全な持続性という部分を大きく損なう可能性がある」
(「グッド!モーニング」2025年8月15日放送分より)