40℃に迫る暑さが続く中で、夏の暑さによって、おなかの調子を崩す人が増えています。
夏に便秘が悪化する原因は、大腸の『砂漠化』です。
砂漠化した腸内環境を整える、オススメ食材についても見ていきます。
■下痢&便秘 おなかの悩み増加 夏に悪化するワケ
2025年の記録的な猛暑の中でのおなかの悩みです。
50代女性・会社員の方は、おなかの冷えからくる『下痢』に悩んでいます。
通勤で暑い外から冷えたオフィスに入ると、特に腸が不調になるということです。
「おなかの調子が悪い、仕事中トイレに行くのがつらい」と話しています。
2つ目の悩みは『便秘』です。
30代女性・会社員の方は、2、3日に一回しか便が出ないそうです。
暑さで食欲がなく、肉や野菜などをあまり食べないということです。
「おなかが重い感じ、不快感がある。お茶とかコーヒーを飲むがあまり改善されない」と話しています。
3つ目の悩みは『おなかの張り』です。
20代女性・会社員の方は、便が4日に1回で、夕方になるとおなかが張るということです。
病院で胃の検査をしても異常がなかったので、不安から、松生クリニックを受診しました。
松生院長が診たところ、おなかの冷え、水分不足、運動不足、食事不足などが原因で、おなかにガスが貯まり、胃を圧迫していたということです。
夏におなかの不調を感じる人は、『よくある』、『ときどきある』をあわせると、59%という調査もあります。
どんな悩みが多いのでしょうか?
多い順に、『おなかの冷え』『便秘』『下痢』『おなかの張り』『食欲不振』です。
「ここ4、5年で35℃以上が当たり前になり、温度差でおなかの調子を崩す人が多くなった。慢性的な便秘の人でも真夏に悪化するケースが多い」ということです。
■日本の便秘 多いのは女性と高齢者 便秘で死亡リスクも増
おなかについての皆さんのギモンです。
「トイレに行っても、すっきりしない感じがある。おなかが痛くなっても我慢しちゃう」
「10〜20分トイレでいきむと痔になりやすくなる。5〜6分で出なければ、一度仕切り直して、歩いたりすると便が下に降りてくる」ということです。
「この時期は、あっさりした食べ物を好んで食べてしまう。それが逆に腸に良いのか悪いのかわからない」
「あっさりとした食べ物がどの程度かわからないが、例えばそうめんだけとかだと、食物繊維が不足している」
「冷房をガンガンかけるが、おなかにとってよいのか寝るときに結構迷う」
「冷房をかけるのは熱中症を予防するためには必要。おなかを冷やさないために、厚手のタオルをかけておくのが良い」ということです。
「どのくらいの頻度でお通じがあるのが正常なのか、わからない」
「通常は、1日に1〜3回程度。食べた後にトイレに行く人も多い。ただ、2〜3日に1回でも、おなかの張りなど自覚症状がなければ、便秘と言わなくてよいと思う。張りに加えて、おなかの不快感や残便感などがあれば、便秘がちだと思ってよい」
便秘について、2022年の調査では、症状があると答えた人が約439万人。
男性は約162万人、女性は約277万人と、女性の方が多いです。
そして、約287万人が65歳以上です。
便秘が続くと、『肌荒れ』『胃炎』『逆流性食道炎』などにつながり、死亡リスクも増加します。
便秘患者は、便秘でない人に比べると、20%以上死亡率が高くなります。
さらに、トイレでいきむことによって血圧が急上昇して、脳卒中やくも膜下出血、心筋梗塞などのリスクもあります。
「便秘は、若いうちは女性に多いが、高齢になるにつれ男女差はなくなっていく。ここ最近は、気温の変化や食生活の乱れなどから、症状を訴える人が多い」ということです。
■暑さで便秘 原因は「大腸の砂漠化」食事量の減少が影響
夏の便秘の原因の一つは、『大腸の砂漠化』です。 『大腸の砂漠化』は、水分不足で大腸が乾き 、食べ物の残りかすが腸内に停滞しやすくなった状態です。
体の水分が失われると、大腸内の水分量も減少します。
そうすると、便が固形化しやすくなり、大腸のぜん動運動(消化した食べ物を、腸が伸びたり、縮んだりして体外へ排出する動き)が低下して、おなかにガスがたまりやすくなります。
結果、おなかの張りや便秘につながります。
「ただ水分だけをたくさんとればいい、というわけではない」ということです。
『大腸の砂漠化』には、『食事量の減少』と『発汗量の増加』という、2つの要因があります。
食事量の減少についてです。
成人の場合は、1日に約2. 5リットルの水分が必要とされています。
●水などで、約1. 2リットル、
●体内で生成される水分が、約0. 3リットル、
●食事で、約1リットルの水分をとっています。
この夏の時期、暑さで食欲がなくなって、食事量が減ると、食物繊維の摂取量も減ります。
「大腸で、水分を保持してくれる食物繊維をしっかりとらなければ、水を飲んでも、あまり大腸には届かない。夏は発汗で水分が出て、さらに大腸に届かなくなる」
夏の便秘の原因には、『寒暖差』もあります。
室内室外の温度差が10℃以上になると、腸に大きな負担がかかります。
さらに、冷房の効いた部屋では、おなかが冷え、大腸が血行不良になり、大腸の運動が低下して、便秘を起こしやすくなります。
■あなたも「大腸の砂漠化」!? 7つのチェック
大腸が『砂漠化』しているかどうかの、チェックリストです。
1、少食
2、野菜をあまり食べない
3、水分をあまりとらない
4、朝食をとらない
5、なんとなく、おなかがスッキリしない
6、便が出ても、爽快感がない
7、あまり体を動かす習慣がない
4つ以上当てはまれば、『大腸の砂漠化』の恐れがあるということです。
■目指すは「大腸のオアシス化」医師おすすめ食材で改善へ
『大腸の砂漠化』を解消するには、どうしたら良いのでしょうか。
「不足している水分に加えて、腸内改善物質も摂取して、腸内環境を改善し、『大腸のオアシス化』を目指す」
松生院長がおすすめの食材が、キウイフルーツです。
便を軟らかくする水溶性食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維が大腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。
松生院長の調査で、排便が毎日はない便秘気味の中高生の親子498組を対象に、キウイフルーツを1日1個、2週間継続して食べてもらったところ、約7割の人で、排便が1日1回になるなど、便秘改善効果が確認されました。
さらに、大腸の動きを活発にする、エキストラバージン・オリーブオイルを小さじ1〜2杯かけて食べると良いということです。
そして、松生院長が考えたドリンクが、『スーパーペパーミント・ティー』です。
1日1リットルが目安です。
▼お湯:1リットル
▼ペパーミント・ティーのティーバック:1個
▼レモン果汁:大さじ1〜2杯
▼ショウガチューブ:1〜2cm分
▼オリゴ糖:適量
で作ります。
このドリンクの効果です。
▼ペパーミントに含まれるメントールが、おなかのガスの排出を促す作用
▼ショウガが、腸の運動を活発にする作用
▼オリゴ糖が、腸内環境を整える作用
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年8月19日放送分より)