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2025年8月23日 01:49

【独自】「もうダメだって…」水の中で2時間半…浸水した車からの脱出 台風12号

2025年8月23日 01:49

【独自】「もうダメだって…」水の中で2時間半…浸水した車からの脱出 台風12号
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台風12号が鹿児島県で記録的な大雨をもたらしました。特に被害が大きかった南さつま市では、乗っていた車が浸水した60代の女性が低体温症の疑いで救急搬送されました。

大雨で川が氾濫 2階に避難

南さつま市(きのう)

大雨の被害が特に大きかったのは県の南部でした。南さつま市では21日夜、加世田川が氾濫し、複数の住宅が浸水するなどの被害が出ました。付近の住宅街では、1階の窓のすぐ近くまで水が迫っていました。この時、住宅の2階に取り残されていた女性は。

有村紀美子さん(74)
有村紀美子さん(74)
「家に帰ってきたら、もうあっという間でした。2階にいたら1階の荷物が崩れる音だけが響くんですよ。倒れてるなって思いつつ、一夜を過ごしました」

周辺では複数の住民が建物の2階に避難し、救助を待っていたといいます。

水の中で2時間半…救助 待つ

“低体温症”で搬送された女性
「バーっと来ました、水。本当に数分もたたないの。何秒だよね。本当にこんなことってあるんだって」

救急搬送された60代の女性は21日夕方、車の運転中に突然の大雨に見舞われました。

“低体温症”で搬送された女性
“低体温症”で搬送された女性
(Q.どこから水が)
「この辺とか、下からも出てきた。入りきらないのはぶわーってガラスに。もういくら押しても(ドアが)開かないから、こっちから勢いつけてばーんっていったら開いた。出られるようになってあっちに逃げた」

しかし。

“低体温症”で搬送された女性
“低体温症”で搬送された女性
「ここにつかまって。『高い所に行け』と言うが高い所ないでしょ。結局最後はこれにつかまったんですよ」
南さつま市

その直後とみられる映像では、水が多く、車の姿は確認できません。周辺の車も、かろうじて屋根の部分だけが見えている状態です。

“低体温症”で搬送された女性
“低体温症”で搬送された女性
「2時間半待っていた。そこから消防隊の人が救助に来てくれた。2時間半。もうね寒くて。ここ(首)までつかっていた。最後の方はダメだって思った。夏だったからよかった」

女性は低体温症の疑いで病院に搬送されましたが、命に別状はなく、22日に退院できました。

“低体温症”で搬送された女性
“低体温症”で搬送された女性
「助かったんだって思って。ありがとうありがとうって言いたかった」
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大雨被害の小学校 復旧滞る

竜門児童クラブ

一方、22日も避難指示が出ている姶良市。8日の大雨で崩落した中田橋の近くにある小学校にも川の水が容赦なく押し寄せました。水道工事などを優先したため、流木などがまだうず高く積まれていました。校庭にあった体育倉庫もまだ手付かずのまま。放課後30人が利用している児童クラブも深刻な被害に遭いました。また、橋の崩落で、児童の通学時間も大幅に伸びたといいます。

竜門小学校 西耕治校長
竜門小学校 西耕治校長
「先の方に集落があり、2人の子どもが通学路として毎朝ここを通って登校している。(本来なら)10〜15分だが、遠回りをする関係で40分かそれ以上の時間がかかるだろうと」

児童クラブに通う子どもは。

小学3年生
小学3年生
「土がたくさん積もって」
母親
「大事な帽子が流されてしまって、すごく悲しい思いを」
「児童クラブの中に入って探してみたけれどなかった。皆の工作がかわいそうな感じになっていた」
竜門小学校 西耕治校長
竜門小学校 西耕治校長
「災害なので起こってしまうのは仕方がないこと。どうにか9月1日に照準をしぼって(復旧を)進めていきたい」
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