今週末も、各地で厳しい暑さとなった。24日、東京は今年最も暑い37.3℃を観測し、7日連続猛暑日に。高円寺で行われた阿波踊りには多くの人が訪れたが、熱中症で救急搬送される人が相次いだ。
炎天下の場所取り 容赦ない日差し
猛暑日の炎天下、会場には早くも観客が集まった。お目当ては東京の夏の風物詩、東京高円寺の阿波踊りだ。
「(Q.今何を読んでいたんですか?)漫画を読んでいました」
スタートまで2時間以上あるなか、漫画を読んで過ごすという男性。しかし…。
「暑いですね。ちょうどここだけ、ビルの影がなくて」
容赦なく照り付ける直射日光を日傘で何とか遮りながら待つことに。開始1時間前には歩道が人で埋め尽くされ…皆さん歩道と車道ギリギリのところで、交通規制が始まるのを待っていた。
そして午後4時すぎ、道路に運営側が用意した観覧用のござが広げられていく。歩道で待っていた人たちが、次々にござの上に着席。漫画を読みながら待っていた男性も、ござの一番前を確保した。
「最前線を取れて達成感がありますね」
しかし、ギリギリ直射日光。ござが出てきても陰にはならず…開始まで、あと1時間ある。
汗だく踊り手 沿道にも熱気
今年で結成20周年の華純連に所属する御子貝さん。「連」とは阿波踊りのグループのことを指す。
「去年とかまでは35℃とかまでいってなかったですけど、きょうは例年よりも暑いので気温が」
阿波踊り歴の長いベテランでもこの暑さは過酷で、塩分タブレットなどで対策するという。
午後5時になり、東京高円寺阿波踊りは、いよいよスタート。連の踊りが始まった。
踊り手の掛け声と観客の歓声が入り混じり、一気に熱気が増す高円寺の街。沿道にはあふれんばかりの人が。さらに、なかには建物から見る人の姿もみられた。
次々と連が通りを進むなか、華純連が登場すると観客は大盛り上がり。額に汗をにじませ懸命に踊る御子貝さん。その姿を沿道から見守る妻は、次のように話す。
「楽しそうでしたね。踊るあほうですね」
踊り手たちがいったん休憩に入ると…。衣装が汗で濡れ、透けてしまう人もいた。
「本当に去年より全然暑くて。1本踊って、もう汗びっしょりです」
「(Q.暑さ対策は何かされている?)基本的には水分をきちっと取って、踊り踊りで給水所があるので、そこで水分を取って」
熱中症疑い 観客動けず 踊り手も…
猛暑日となったこの日。東京は平均湿度も73%と、蒸し暑い一日になった。
午後6時を回って、消防隊員も慌ただしくなってきた。
会場近くの道路では、道路にうずくまり立ち上がれなくなった女性がいた。警備員が氷で体を冷やし、水分補給を試みるが、なかなか回復できない。そこへ、救急隊員が駆け付けた。座っていたところから立ち上がって、近くにある涼しいお店で休ませてもらうようだ。
熱いアスファルトの上を全力で踊る踊り手たち。熱中症対策で、各会場ごとに運営が用意した給水所で水分補給を行うものの、連の人だろうか、1人が救護所に運び込まれた。首のあたりを冷やしているのだろうか、消防によって運ばれていく。
23日の東京は、午後7時になっても気温は29.8℃、さらに湿度は78%だった。
踊りの最中に突然、客席近くで倒れ込んだ踊り手の女性。足がつってしまったのか、苦しい表情で立ち上がることができない。その後、仲間が駆け付け立ち上がると、支えられながら会場の外へ。
「痛い、痛い、痛い、痛い…」
「足つりました、熱中症で。両足つったから」
阿波踊りの本場・徳島から参加したが、この暑さで両足がつってしまったのだという。
救急車がサイレンを鳴らしながら入ってきた。暑さで体調をくずしたのだろうか。どうやらこのまま搬送されるようだ。
その後も、熱中症と思われる踊り手の搬送が相次いだ。
歴戦の踊り手 暑さと格闘
終了まで1時間を切り、踊りが佳境を迎えると…。
「暑いです!GoProが壊れた。熱膨張しちゃったみたい。カメラを取り付けているんですけど、暑さで」
高張り提灯に取り付けていたカメラが暑さで壊れてしまう。
「暑さは明らかに、去年より暑いです。体力の奪われ方が半端じゃないです。湿度もあるけど、気温があるんですよ。呼吸ができなくなる気温みたいな」
歴戦の踊り手も今年の暑さに苦しむなか、いよいよフィナーレが近づく。踊り続けて3時間。会場の熱気は最高潮に。そして午後8時になり、高円寺阿波踊りは終了した。
2日間で102万人の観客を魅了した阿波踊り。
「大満足です。疲れたけど、すごく楽しかったですね」
汗だくで踊り続けた御子貝さんは、次のように話す。
「暑かったですね。去年も多かったですけど、みんな熱を求めて密集しているような、そんな感じでした。楽しいです、やっぱり」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年8月25日放送分より)
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