市長の学歴詐称疑惑で揺れる静岡県伊東市は25日、市政の停滞で市議会での補正予算案の提出が先送りされることを明らかにしました。市民生活へのダメージは避けられません。
市長のSNSコメント欄は大荒れ
「(Q.9月の議会対応どうする?)おはようございます」
記者の質問を遮るようにあいさつし、市長室へ消えていった伊東市の田久保市長。自身のSNSでは、追及されている学歴詐称疑惑ではなく、メガソーラー建設計画についての投稿を繰り返しています。
24日には、制限していたコメント欄を開放。すると、「論点ずらしはうんざり。早く辞職してください」といった500件を超えるコメントが寄せられましたが、市長からの返答はありません。
学歴詐称疑惑に正面から答えないまま、市長の座に居座り続ける田久保市長に市も困惑しています。
「今回の定例会において(補正予算の)議案は提出していません。7月に田久保市長が辞任を表明したことから、新たな市長が決まった段階で改めて補正予算を組む予定でしたので、現状まだ調整が終わっていない。今までにない状況に置かれているなというのは正直なところ」
年度当初の予算が不足した場合に、新たな予算を投じる補正予算。これまでは市が作った補正予算案を9月の議会で審議してきました。ところが、学歴詐称疑惑によって市長と議会側が対立したことから中身の調整が進まず、補正予算案の提出を断念する事態になっています。
定額減税の給付やごみ焼却炉の補修費など、市民生活に直結した予算が盛り込まれる予定でしたが、先送りされることになります。
市長に辞職求める署名8000筆超
そうしたなか、市民からも市長の辞職を求める動きがありました。今月6日から始まった「田久保市長の辞職」を求める署名活動。22日までに1000筆を目標としていましたが…。
「黙っていては伊東市のためにならないから署名活動をした。きょう現在で署名数はだいたい8000筆は超えている」
ここで気になるのが市長の解職を求める「リコール制度」です。1カ月で有権者の3分の1を超える署名を集めれば、住民投票を行うことができ、そこで過半数を得れば市長を失職させることができます。
伊東市によると、伊東市の有権者数はおよそ5万6000人(今年5月)。リコールを行うには1万8000人ほどの署名が必要です。3週間ほどで必要な署名の半分近くが集まったことになります。
「びっくりしました。みなさん(市長に対して)思っていることは一緒だということで共通認識しました。一刻も早くやめていただいて、もう1回選挙に出て対応していただければと思う」
しかし、市長選から1年間はリコールできないという規定があるため、5月に当選した田久保市長へのリコールはできません。署名活動は26日まで延長され、27日に市長に提出するということです。
(「グッド!モーニング」2025年8月26日放送分より)







