もし富士山が噴火したら…。内閣府が26日、被害を想定したCG映像を公開しました。時間が経つにつれ、都内でも住宅倒壊の恐れがあります。
「富士山噴火」新宿にも降灰
国内外からの登山客でにぎわう富士山は、今も火山活動を続ける活火山です。
「最近5600年を考えると30年に1回は噴火していた。それが300年間噴火をしていないので…」
専門家が「いつ噴火してもおかしくない」と警鐘を鳴らすなか、その時に何が起きるのか。内閣府がシミュレーションCGを公開しました。
溶岩流や噴石、様々な被害が想定されていますが、なかでも広範囲に影響が懸念されるのが降灰の影響です。
富士山から近い場所では、直径2ミリを超える岩石の粒子や噴石が降り、辺りは昼間でも闇に包まれます。
そして、新宿の繁華街も灰色の世界に。富士山から100キロ離れた都内にも積もる火山灰。噴火から2日後には、5センチ以上の厚さになることが想定されています。
富士山の大規模噴火から2日後、首都・東京では何が起きるのでしょうか?
灰色の世界で、どこまでも続く車の列。噴火の後、雨が降ると、3センチの降灰でも二輪駆動の車は動けなくなります。
さらに、鉄道もわずかな降灰で地上の路線は運行停止に。移動手段が徒歩に限られ、物資の配送も困難になります。
そして、降灰後の雨で停電も発生。火山灰が河川に降り、処理能力を超えると水質が悪化する恐れもあるといいます。
たった2日で、これだけのことが起こりうるのです。そして噴火から15日後には、状況はさらに切迫。東京都内でも命の危険が迫ります。
被害想定CG公開 家屋倒壊も
富士山が噴火した時、何が起きるのか。26日、内閣府がシミュレーションCGを公開しました。
そのなかでは、わずか2日で交通インフラや電気、水道にいたるまで首都圏の機能がマヒする危険を指摘。さらに噴火から時間が経ち、15日後には東京都内でも降灰量が30センチ以上になる地域も出始めます。
そうなると、木造家屋は押しつぶされるように倒壊する恐れが出てきます。屋根の上に30センチ以上の火山灰が積もり、雨が降るとその重みに耐えられなくなるためです。
富士山の噴火で多くの被害が想定される東京都は「火山防災の日」にあわせ特設サイトをオープンし、対策の重要性を訴えています。
特設サイトでは生成AIで富士山噴火の被害を再現した映像を公開。噴火からわずか1〜2時間で都内に火山灰が降り始め、ライフラインへの深刻な影響を与える様子を生成AIで再現しています。
そのなかで、降灰中は外出を避けて窓を閉めること、やむを得ず外出する場合はマスクやゴーグルを着けることを呼び掛けています。
また、火山灰は雪と違って自然になくならないため、行政の指示に従って除去する必要があるということです。