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2025年9月6日 11:00

荒川の“最初の一滴”を求め遡ると何が? 歴史やグルメ、雄大な景色が広がる

荒川の“最初の一滴”を求め遡ると何が? 歴史やグルメ、雄大な景色が広がる
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東京と埼玉を流れる1級河川、全長173キロの「荒川」。遡る(さかのぼる)とフシギな光景が…。「都内を流れる荒川は、かつて隅田川だった?」その名残の不思議な水門を発見!

荒川随一の景勝地、長瀞で“謎のグルメ”が大人気。高速道路みたいな「流しそうめん」とは?

源流を求め標高2475メートル、片道約7時間の山頂を目指します。荒川“最初の一滴”、そこには想像を超えた世界が広がっていました。

まるで高速道路?“謎のグルメ”

まずやってきたのは荒川の河口エリア。

佐々木快アナウンサー
「ここから、荒川を遡っていくと何があるのか追跡していきます」

東京と埼玉を流れる1級河川、全長173キロの「荒川」。最初の不思議。実は、都内を流れる荒川の大部分が人工的に造られたものなんです。知っていましたか?

旧岩淵水門
旧岩淵水門

上流に向かうこと約22キロ。東京・北区に、その始まりとなる水門がありました。

佐々木アナ
「時代を感じるといいますか年季が入っている」
1958年撮影
1958年撮影

今から100年余り前に作られた旧岩淵水門。今は右側にあるのが荒川で、左側が隅田川です。

しかし元々は、隅田川が荒川でした。度重なる氾濫で治水対策として新たに作られたのが荒川放水路。それが現在の荒川になっていました。

旧岩淵水門は増水時、隅田川へ水を流入させない重要な役割を担っていました。

荒川を遡ると何があるのか。河口から約100キロの埼玉県長瀞町に、謎のグルメがありました。

長瀞の「岩畳」
長瀞の「岩畳」

荒川随一の景勝地、長瀞の「岩畳」。広さは畳2万枚分と言われています。

厨房から各テーブルに伸びた竹
厨房から各テーブルに伸びた竹

佐々木アナが目にした不思議な光景とは、まるで高速道路のジャンクションのように厨房(ちゅうぼう)から各テーブルに伸びた竹。

連日予約で一杯の、流しそうめんのお店。

埼玉県民(20代)
「夏だなって。景色が良い」

それにしてもなぜ、こんな複雑な流しそうめんになったのか?

少ない人手でも切り盛りできるようになっている
少ない人手でも切り盛りできるようになっている

厨房には1人で6卓分のそうめんを流す店員の姿が…。

実は、あまりの人気でテーブル席を増設。少ない人手でも切り盛りできるよう、この形に行き着いたのだといいます。

川の流れを感じながら、佐々木アナも早速いただくことに。

佐々木快アナウンサー
佐々木快アナウンサー
佐々木アナ
「来た来た来た、よしよしよし、取れました。結構速かったですよね」
「冷たくて、のど越し最高。(麺が)締まっています」

麺は埼玉県産の小麦を使用。コシが強く人気を博していました。

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源流を大捜索 なぜ?岩に立てた無数の木の枝

埼玉県秩父市に入ると、一気に木々が増え、上空からは荒川が見えなくなりました。

源流はこの辺りにあるのですが、思わぬ試練が待っていました。

佐々木アナ
「埼玉の奥にある荒川源流は長野側から回る必要がある。荒川の源流には何があるんでしょうか」
日本百名山の甲武信ケ岳
日本百名山の甲武信ケ岳

向かうのは、標高2475メートル。埼玉・長野・山梨の三県にまたがる日本百名山の甲武信ケ岳の山頂付近に荒川、最初の一滴があるといいます。

実は、埼玉側から荒川の源流まで、遡る道はありません。そこで今回は、長野側から山頂まで登り、荒川の源流を目指します。

登山道の入り口には、親子連れの姿もありました。

佐々木アナ
「出発です。よろしくお願いします」
登山ガイドの渡辺哲夫さん(左)
登山ガイドの渡辺哲夫さん(左)

迷いやすい場所もあるため登山ガイドの渡辺哲夫さん(69)に同行してもらいます。

この日、関東各地で40℃を超える暑さを記録していましたが、まるで別世界の涼しさです。

佐々木アナ
「見えました。荒川の源流どこですかね」
「この目の前の川ではなくて?」
渡辺さん
「これは千曲川(信濃川)なんですよね」
信濃川
信濃川

横を流れていたのは荒川ではなく信濃川。実はこの山、荒川だけでなく信濃川の源流もあるんです。

山頂を越えた先にある荒川の源流を追い求め、進むこと2時間。不思議な光景が…。

佐々木アナ
「これは何の合図ですか?」
壁面に立てかけられた、たくさんの木の枝
壁面に立てかけられた、たくさんの木の枝

壁面に立てかけられた、たくさんの木の枝。一体どんな意味があるのか?

渡辺さん
「こうやって杖代わりに。もういらないと思ったら、こういうところに立てかけるんですよ。日本人の性なんですかね」

杖代わりに使った木の枝を誰かが立てかけ、いつしか“杖置き場”に。登山者たちの助け合いから生まれていました。

さらに、沢にそって歩くと…。

佐々木アナ
「川が細くなってきましたね。源流に近づいてきているんですかね」

水量が少なくなる川。その先に…。

佐々木アナ
「目印ありました。コップがある」
信濃川の源流
信濃川の源流

まず見つけたのは、信濃川の源流。小石の隙間から最初の流れが湧き出ているのが分かります。一口飲んでみると…。

佐々木アナ
「冷たくておいしい、夏に最高」
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荒川の源流を発見 白いモクモクの正体

荒川の源流を探し、登り始めて6時間。

登り始めて6時間
登り始めて6時間
佐々木アナ
「雄大、見事な景色ですね。この山々のどこかに荒川の源流があります」
きれいな景色を見て…
きれいな景色を見て…
「こんなきれいな景色を見ると、あれをしたくなりますね。いいですか。『荒川の源流見つけるぞー!』」
「…」
「よし、もう一回やっておきます?」
最大の難所
最大の難所

山頂の向こうにある荒川の源流。最大の難所が目の前に広がります。

佐々木アナ
「いやー最難関ですかね。どうやって行きましょう。登山道ラストスパートです」
甲武信ケ岳の山頂に到着
甲武信ケ岳の山頂に到着
「やりましたね。来ました。甲武信ケ岳の山頂、到着です!」
「さあ、ここからがいよいよ本番です。この頂上から下っていきますと、荒川の源流にたどり着く」
荒川の源流がある埼玉側へ
荒川の源流がある埼玉側へ

長野側から登り、荒川の源流がある埼玉側へ…山頂から標高200メートルほどを下りると。

佐々木アナ
「あ!聞こえてきませんか?沢の音」

目前に迫った荒川の源流。ところがここで、佐々木アナに異変が!

佐々木アナ
「ヤバい、ヤバい、ヤバいかも」

目にしたものとは…。

ハチが大の苦手の佐々木アナ
ハチが大の苦手の佐々木アナ
佐々木アナ
「でっかいハチの巣があります」
木のコブ?
木のコブ?

しかし周囲にハチの姿はなく、よく見ると木のコブのようにも見えますが…。

ハチが大の苦手の佐々木アナ。恐る恐る下っていきます。そして…。

石碑
石碑
佐々木アナ
「ありました。荒川源流点という石碑が立っています」

石碑のすぐそばに、荒川の始まりがありました。そこには不思議な光景が…。

穴から白い霧のようなものが
穴から白い霧のようなものが
佐々木アナ
「水が出ているところ白いモクモクが出ています」

苔むした穴から白い霧のようなものが。水に触れると分かりました。

佐々木アナ
「冷たい。氷水みたいです」
手を触れると赤くなるほど冷たい水
手を触れると赤くなるほど冷たい水

真夏なのに、手を触れると赤くなるほど冷たい水。白い霧は、周囲の気温と低い水温の差から生まれていました。

佐々木アナ
「最初はこんなに細い流れなのに、やがて大きな川になっていくんですね」

荒川を遡ると知られざる歴史や、納涼の絶品グルメ。そして雄大な景色が広がっていました。

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