内閣府が、富士山が噴火した時の被害を想定したCG映像を公開しました。
首都圏全体に影響が出るとみられています。
富士山の噴火で火山灰による深刻な被害が懸念されています。
都内で住宅が倒壊するなど生活への影響についても見ていきます。
■富士山噴火 最新の政府想定 溶岩流は神奈川県にも
富士山の大規模噴火で何が起きるのか見ていきます。
1つ目は、大きな噴石です。
大きな噴石とは、噴火によって火口から飛び出す約20センチから30センチ以上の岩石のことです。
富士山が噴火した際の到達範囲は、最大4キロ。
2014年、御嶽山の噴火では、約1キロの範囲に飛散し、噴石等で死者、行方不明者は 63人にのぼりました。
2つ目は、溶岩流です。
溶岩流は、マグマが火口から噴出して地表に流れ下り、道路、農耕地、集落など広範囲を焼失させる現象です。
富士山が噴火した際の到達範囲は、神奈川県内にまで及ぶ可能性があります。
1986年、伊豆大島噴火で発生した溶岩流は約1カ月にわたり、全島民の約1万人が、島の外へ避難しました。
3つ目は、融雪型火山泥流です。
融雪型火山泥流とは、熱によって斜面の雪が溶かされ大量の水になり、周辺の土砂や岩石を巻き込みながら流れ下る現象です。
1926年、十勝岳の噴火で発生した融雪型火山泥流で2つの村が埋没。
死者、行方不明者は144人に上りました。
■降灰は首都圏にも影響 火山灰 意外な怖さ 倒壊の恐れも
火山灰は、非常に細かい粒子で、直径2ミリ未満です。
風で飛ばされやすく、広範囲に影響が出ます。
また、ガラス片や鉱物結晶からなり、固くとがっています。
健康被害もあります。
目に入ると異物感や角膜に引っかき傷ができることがあります。
また、大量に吸い込んだ場合、鼻やのどの痛み、呼吸器疾患が悪化する恐れもあります。
富士山が最後に噴火したのはいつなのでしょうか。
江戸時代、1707年、宝永噴火です。
この噴火は断続的に16日間続き、降灰は100キロ以上離れた房総半島まで降り注ぎました。
宝永噴火をモデルケースとした広域降灰の状況です。
富士山から約100キロ離れた新宿でも、3時間後から火山灰は降り始め、15日目には10センチ程度降る可能性があります。
火山灰の影響について見ていきます。
倒壊の恐れです。
雨が降り、30センチ以上の降灰があると、火山灰の重みで木造家屋が倒壊する恐れがあります。
下水管などから水があふれる恐れがあります。
雨が降るなどして下水管や雨水管が詰まり水があふれる恐れがあります。
断水などの恐れがあります。
火山灰によって河川などの水質が悪化して、上水施設の処理能力を超えると、水道水が飲めなくなったり、断水する恐れがあります。
停電発生の恐れがあります。
雨が降り3ミリ以上の降灰があると、電線から電気を外に漏らさない能力が低下して、停電が発生する可能性があります。
電話が通じにくくなる恐れがあります。
安否の問い合わせなどで、特定の地域に通信が集中し、通信設備の能力を超えると、電話が通じにくくなります。
農作物が収穫できなくなる恐れがあります。
10センチ以上の降灰で野菜など、
15センチ以上の降灰で稲、
20センチ以上の降灰で果物類などが収穫できなくなる恐れがあります。
■降灰 生活に深刻な影響 帰宅どうすれば?
降灰によって、私たちの生活に深刻な影響が出ます。
道路への影響です。
雨が降ってないときは、10センチ以上の降灰で、2輪駆動の車が走行不能になります。
雨が降っているときは、3センチ以上の降灰で、2輪駆動の車が走行不能になります。
物資への影響です。
道路交通に支障をきたして、物資の配送が困難になり、生活物資の入手が難しくなります。
鉄道への影響です。
微量の降灰でも、電車とレールの間で通電不良が発生し、列車の位置が把握不能になって、鉄道が運行できなくなります。
道路・鉄道への影響で、移動手段が徒歩に制限されます。
2011年に発生した東日本大震災では、平日の日中の発生だったこともあり、帰宅困難者が首都圏全体で約515万人出たということです。
「首都直下地震では大規模な延焼火災の可能性があるため、安全な場所で待機すべき。富士山噴火の場合は、帰れるなら帰ってもよいが、降灰中だと視界が悪くなるなど屋外の環境はよくないため、基本的には無理をせず、屋内にとどまったほうがよい」
■富士山噴火したら…自宅&外出時にとるべき行動 備えも
もし富士山が噴火したら、その時どうすればいいのか、見ていきます。
噴火後、0.1ミリ以上の降灰が予想される場合は、『火山灰注意報(仮称)』が、
3センチ以上の降灰が予想される場合は、『火山灰警報(仮称)』が、
原則、市町村単位で発表される予定です。
火山灰が降っている最中は、外出せずに自宅にとどまることが基本になります。
火山灰の侵入を防ぐために、窓やドアをしっかり閉めてください。
さらに、通気口やドアの隙間はタオルなどでふさぎ、エアコンの室外機にはカバーをかけてください。
やむを得ず外出する際は、顔への密着性が高いマスクで口と鼻を覆い、
目はゴーグルや眼鏡で保護してください。
コンタクトは目に火山灰が入った際に、角膜を傷つける恐れがあるため外してください。
処分が必要と想定される火山灰の量です。
約4億4900万立方メートルで、
これは東日本大震災の災害廃棄物の約10倍です。
火山灰は水分を含むと固まるため、
排水溝に流さないようにしないといけません。
富士山噴火への備えについて、関谷さんです。
・気管支などを守るマスク。
・目を保護するゴーグル。
・最低限、2週間程度の食料。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年9月1日放送分より)













