8月最後の週末も、各地で40℃を超えが続出するなど、危険な暑さとなりました。河口湖では大幅に水位が下がって湖底が見えるなど、観光にも影響がでてきています。
観光地襲う…猛暑渇水
この週末、埼玉県熊谷市や鳩山町では、関東でこの時期としては初めて40℃以上を観測しました。東京でも7年ぶりに38℃を超え、今年一番の暑さとなりました。
危険な暑さのなか東京では、浅草の夏を締めくくるサンバカーニバルが行われていました。
およそ5000人のダンサーが練り歩いたその舞台裏では、クーラーボックスを抱えたスタッフが踊り手に水を手渡す様子が見られました。熱中症防止のため、踊っている最中にも水分を取ります。
パフォーマンスが終わると、皆さん一斉に給水所へと駆け寄っていきます。
「(Q.いかがですか?)めっちゃおいしい。みんなの熱気と私たちのダンスの熱で(のどが)渇きました」
危険な暑さは観光地にも異変をもたらしていました。
富士五湖の一つで、避暑地として人気の高い河口湖。
湖にぽつんと浮かぶ六角堂。本来は周りを湖で囲まれていますが、現在は草木が生い茂り、陸続きに。
湖の底にあるはずの“道”が現れた理由は、雨不足。河口湖は8月の降水量が平年を大きく下回り、1日午前6時時点で基準水位より3メートル以上低い状態となっています。
六角堂へ続く道を歩いてみました。貝殻がたくさん落ちています。いつもですと、この辺りは水の中です。本来なら船で来る所ですが、歩いて六角堂まで来て、石を登っていきます。
普段歩くことのできない場所に、観光客は次のように話しました。
「ここが(水が)引いたといううわさを聞いて、一回も来たことがないので、夏休み最後だから皆で見てみようかって。写真なんか見ると、こんな感じなんだよね。この辺りまで水が」
「河口湖は何回か(来たことが)あるんですけれども。予想をはるかに超えた状態」
一方、スワンボートなどを貸し出す業者には、深刻な影響が出ているといいます。
「僕らの言う通常って、ここら辺が水のことが多いので。営業はしているんですけど(とめられる)台数がギリギリ5台で。今まで8台で回していたのを5台なので」
「(Q.本来だったらこのスワンボートも営業?)もちろん、そうですね。稼いでくれるんですけど」
観光客に人気のスワンボートは水位が下がったことで止められるスペースが減り、3台のボートが使えない状況に。さらに…。
「河口湖は釣りも楽しめるんですけど。今年の釣りのレンタルのお客さんが、たぶん今までで一番少なかったですね」
大町さんによると、水温の上昇で魚の動きがにぶり、なかなか釣れない状況に。観光客は例年より3割減少しているといいます。
「心配なのは、紅葉の時期が最後の繁忙期になるんですよね。自然のことなので。あとは本当もう、神様にお祈りしながらやるか」
ボート部の学生などが利用する漕艇(そうてい)場では…。
「ここの横が、本当はいつも水が張っていて、すぐ舟が出せる状態なんですけど。オールでこぐので、藻が引っかかったりすると危ないですね」
「(Q.藻がすぐそこまで。浅いですね)すごく浅いです。ここも本当に1メートルあるかないかくらいなので」
渇水の影響で思うような練習ができない状況に。今月予定されていた大会は中止となりました。
「ここ使えなくなったら、近くの漕艇場が相模湖とかに行かないとないくらいですね」
滝が消えた?滝行中止
観光地の異変は納涼の名所でも。
三重県名張市にある赤目四十八滝。およそ4キロメートルにわたる渓谷には緑豊かな森林と、およそ23もの滝があり、四季折々の風景が観光名所として知られています。
「日本の滝100選」にも選ばれている赤目四十八滝。なかでも、特に見どころとされているのは“赤目五瀑”と呼ばれる5つの滝。そのなかの一つは不動滝ですが、現状は水は流れ落ちては来ていますが、通常時と比べてみると、現状の水幅がかなり細く、水量が少ないことが分かります。
「(水量がある時は)もうちょっと迫力のある感じには見えるかなって。水しぶきも多い」
さらに“赤目五瀑”の千手滝でも、例年と比較すると岩肌がはっきりと見えるほど、水量が減っていることが分かります。
「こんなに岩が見えたことないですよ。いつも水で真っ白なの。もっと迫力がありますよ、普段だったら、しぶきがかかるくらい」
名張市では先月31日までで、15日連続1ミリも雨が降っていません。
「例年と比べたら、川の様子、滝の様子見ていたら、こんなずっと雨量が少ないとか、滝の水の流れが少ないのは、なかった」
さらに観光の目玉にも影響が出ています。1000年以上前から修行の地として知られるこの場所。毎年、滝行が行われることでも知られています。その滝が…消えていました。
滝行を行う様子と比べてみると、まったく水がありません。
観光の目玉の1つとしてツアーも組まれる滝行ですが、今年の8月は全面中止に。今月から再開の予定ですが、今後の天候次第だといいます。
「特に今年は中止せざるを得ない状況が多くなってきて、それも滝を流れる水の量が少ないっていうので、(今後は滝の)様子を見ながら予約を受け付けていければなと思っています」
ダム渇水 水提供を一時停止
渇水は実りの秋にも影響が出ています。
岩手県にある豊沢ダムでは6月以降、極端に雨が少なく深刻な渇水に陥っています。
過去の様子と比べると違いは一目瞭然。例年、比較的雨量の少ない夏の時期でも貯水率は30〜40%です。それが今では3%程度、例年の10分の1にまで水が減っています。
本来このダムは、花巻市と北上市の田畑、およそ4250ヘクタールに水を供給する農業用水として利用されています。しかし先月12日には貯水率が2%にまで低下、農地への給水も一時ストップしていました。
そのため、収穫した作物にも影響が及んでいます。
「やっぱり成長がちょっと遅れているというか、(雨が)適度に降って、タマネギが肥大していくとか。今年はちょっとそれもなくて…」
収穫したタマネギはサイズによってM、S、SSと3つのサイズに分けられます。今年、Mサイズの収穫量は例年の半分、逆にS、SSサイズは例年の2倍の量になっていて、大きく育っていないことが分かります。さらに、全体の収穫量も3/4程度に落ち込んでいるといいます。
「(Q.単価で言うといくらくらい?)66円(Mサイズ)、50円(Sサイズ)、0円(SSサイズ)みたいな…。昨年売り上げが1000万円ぐらいあったのが、500万円弱ぐらいにはなってしまうのかなと」
夏休み最後の週末、各地で相次いだ40℃超え。この暑さは、いつまで続くのでしょうか?
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月1日放送分より)