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報道ステーション

2025年9月2日 01:43

学歴詐称問題 伊東市長に不信任決議“解散か”4件で刑事告発も

2025年9月2日 01:43

学歴詐称問題 伊東市長に不信任決議“解散か”4件で刑事告発も
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学歴詐称問題が浮上してまもなく3カ月です。静岡県伊東市議会は1日、田久保真紀市長に対する不信任決議案を、全会一致で可決しました。関係者への取材によると、市長は「議会の解散」に踏み込む見通しです。

伊東市長に不信任決議

1日から始まった伊東市議会9月定例会。議題に上がったのは市長に対する不信任決議です。

四宮和彦市議
「本市の負の象徴として全国的に評判となってしまった田久保真紀市長が伊東市長であり続ける限り、基幹産業である観光業ひいては市民生活に暗い影を落とし続けることを危惧せざるを得ない」
佐藤周市議
佐藤周市議
「市役所職員幹部からの辞職要求に始まり、市内経済3団体からの辞職要求に加え、1万人以上の署名が集まっている状況からすれば、田久保市長不信任の議決は自明の理である」
犬飼このり市議
犬飼このり市議
「まず原稿を読む前に市長に一言。朝からずっとモノを書いておりますが、人の話を聞く姿勢ではないですね。ちゃんと聞いてください。市長には市政への信頼を取り戻すため、伊東の未来のための決断を求め、不信任決議に賛成とし、最後に市民の声を代弁します。『市長もういい加減にしてください』以上でございます」
不信任決議案可決

全会一致で不信任決議案は可決。その瞬間、田久保市長は表情を変えず、何度も小さくうなずきました。

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“虚偽証言”など4件で刑事告発

市議会

また、市議会は、百条委員会への出頭拒否や証言拒否など4件について、地方自治法違反の疑いで刑事告発することを決め、警察に告発状を提出し、即日受理されたということです。

不信任決議の通知書

議会終了後、議長が不信任決議の通知書を手渡しました。

伊東市議会 中島弘道議長
伊東市議会 中島弘道議長
「良識ある判断をお願いいたします。議会としては一刻も早く市長が辞職していただくことを望んでいます。どうぞよろしくお願いいたします」

その直後、田久保市長は。

伊東市 田久保真紀市長
伊東市 田久保真紀市長
「今受け取ったばかりですし、議会の意向はお伺いしました通り、非常によく分かっております。ですが受け取って即答する類いのものではないと思うので、まずは持ち帰り、もう一度、不信任決議の中身を見て考えたうえで決めたい」
(Q.じっくり考えるとおっしゃいましたが時期は)
「……」

この態度に、市議会側は不満をあらわにしました。

伊東市議会 青木敬博副議長
伊東市議会 青木敬博副議長
「不誠実な態度だと思う。辞職勧告を出され、不信任も出されている。これだけの混乱を生んでいる。それなのにすぐ決断できない。延命を図っていると思っている」
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市民「早く落ち着きたい」

市長の学歴詐称疑惑に始まった問題はいまだ終わりが見えません。

伊東市民
伊東市民
「今の田久保さんにはやめてもらいたい。まっとうな人、説明責任を果たせる人がいい」
「辞職していただきたい、早く。本当に落ち着きたいです。選挙をするしかないならそれでもいいので、無駄なこの1〜2カ月ひどかったので」
「実は応援していた。私の周りも田久保さんを応援している人がいるが、こういうことがあって嫌だなっていう人もいれば、ごめんなさいと言ってまた新しくやってくれればという人もいる」
田久保市長

不信任決議により、田久保市長は10日以内に議会を解散しなければ失職することになります。関係者への取材では、解散に踏み切る見通しだということです。

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田久保氏の今後の動向は

静岡朝日テレビの板垣亮記者に聞きます。

板垣亮記者

(Q.田久保市長は議会の解散に踏み切る見通しということですが、具体的な動きはありましたか)

板垣亮記者
「複数の関係者を取材したところ、田久保氏が先月31日夜、支援者を集めて会合を開いたことが分かりました。その場で『市議会を解散する』などと話したということで、期限ギリギリの今月11日ごろに解散を表明し、その後の市議選に複数の田久保氏の支持者を擁立する構えです」
板垣亮記者

(Q.田久保氏の支持者を擁立するということですが、この状況下で有権者はどう行動しますか)

板垣亮記者
「学歴詐称疑惑をめぐる混乱により、ゴミ処理に関する補正予算の審議ができないなど市民生活にも影響が及んでいて、田久保氏の陣営に勢いはありません。選挙後には田久保氏の不信任決議案が再び提出されることが確実視されていて、3分の2以上の議員が出席して、その過半数が賛成すれば、今度は市長が失職することになります。この不信任決議を阻むためには、市議選で田久保氏を支持する7人の議員の当選が必要ですが、現実的ではない情勢です。こうしたことから、田久保氏側には確たる戦略はなく、とりあえず可能な限り延命を図るしかないのが現状です」
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