社会

グッド!モーニング

2025年9月3日 11:33

観光業者「私たちも干上がる」 八ッ場ダムの貯水率2割切る異変 水没した街が出現

観光業者「私たちも干上がる」 八ッ場ダムの貯水率2割切る異変 水没した街が出現
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 厳しい残暑と水不足で、群馬県の八ッ場ダムがかつてない姿を見せています。普段は水の底にあるはずの道や鉄橋が現れ、地元の観光にも影響が出ています。

観光業者「私たちも干上がる」

 厳しい残暑に見舞われている日本列島。東京都心は2日、9月としては25年ぶりに37.0℃を記録しました。

 雨も少ないなか、群馬県ではある異変が起きていました。

 どんどん水位が低下している八ッ場ダム。見てみると、地面が完全に干上がっていて、奥には旧JR吾妻線の鉄橋が姿を現しています。

おととし10月の八ッ場ダム
おととし10月の八ッ場ダム
きのうの八ッ場ダム
きのうの八ッ場ダム

 関東の水がめの一つ、八ッ場ダム。2年前の10月には水が豊富にたまっていましたが、貯水率は16.4%(3日午前4時現在)まで低下しました。

利根川ダム統合管理事務所 守谷武史副所長
「ここまで連続して落ちる傾向は初めて。100%近い状況が多かったなかで、(貯水率が)今年は少ない状況」
ダム完成以来最も低い水位
ダム完成以来最も低い水位

 ダム完成以来、最も低い水位だということです。群馬県内では今のところ取水制限は取られていませんが、町の観光にも目に見える影響が出ています。

沈んでいたかつての町並みが…
沈んでいたかつての町並みが…

 猛暑と水不足の影響で、貯水率が大きく落ち込んでしまった八ッ場ダム。沈んでいたかつての町並みが現れ、観光客も驚いています。

観光客
「4月に来た。まだいっぱいだった」
「何回か来ている、こっち好きで。水いっぱいあった」

 異変は地元の観光にも暗い影を落としています。

水陸両用バス「にゃがてん号」
水陸両用バス「にゃがてん号」

 3年前には豪快に水しぶきを上げていた水陸両用バス「にゃがてん号」。現在は水位が下がりすぎて運航が難しくなっています。

Dts creation 篠原忠司専務取締役
「安全に運航できる水位が保たれていないので、運航を断念せざるを得ない。昔の国道も見えている。ここまで下がることはなかなかない。雨が降らないと、ダムだけでなく私たちも干上がる」

 今後は局地的な雨が予想されていますが、水不足を解消するほどのまとまった雨は見込めず、国は節水を呼び掛けています。

(「グッド!モーニング」2025年9月3日放送分より)

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