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愛知県一宮市で、妊娠9カ月の女性をはね死亡させた罪に問われている女の初公判が開かれました。事故直後に帝王切開で生まれた長女には重い障害が残り、家族は長女を被害者として認めるよう検察に求めています。
意識ない状態続く「妻が残してくれた宝物」
沙也香さんの夫 研谷友太さん(33)
「事故によって母の命を奪われ、重度の障害を負って生まれた娘、日七未(ひなみ)が被害者として扱われない現状は到底受け入れられるものではない」
「事故によって母の命を奪われ、重度の障害を負って生まれた娘、日七未(ひなみ)が被害者として扱われない現状は到底受け入れられるものではない」
今年5月、路側帯を歩いていた妊娠9カ月の研谷沙也香さん(当時31)。背後から来た車にはねられました。
救急搬送された沙也香さんは、緊急の帝王切開で娘の日七未ちゃんを出産。2日後、娘を抱くことなく息を引き取りました。
脳に重い障害を負って生まれた日七未ちゃん。今も意識のない状態が続いています。
「(娘は)妻が残してくれた宝物なので、精一杯守っていかないといけない」
過失運転致死の罪に問われている児野尚子被告(50)。初公判で起訴内容を認め、涙を流しながら遺族に謝罪しました。
「お二人に対するどのような処罰も受けます。本当に申し訳ありませんでした」
夫の友太さんはこう話します。
「よく練習してきたなと。今までいくらでも謝罪・誠意を表すタイミングはあった。事故現場で手を合わせる姿は一度も見たことがない。私と両親は毎日事故現場に通っているが、一度も見たことがない」
裁判の起訴状には、日七未ちゃんに対する罪は記載されていません。日本の刑法では原則、胎児は母体の一部とみなされるためです。
遺族は日七未ちゃんに対する過失運転致傷罪も含めるよう、検察に訴因変更を求めていて、友太さんが呼びかけたオンライン署名は、開始からおよそ2週間で11万筆以上に達しています。
「起訴状を見た時に一切(娘の)名前が入っていない。娘が何にもなかったかのようにされる。親として許せなかった。過去の胎児への加害行為で有罪となった判例を精査していただき、本件における、胎児への加害行為について過失運転致傷罪への適用を含めた刑事責任の検討を強くお願いしたい」
2日の公判で検察は、日七未ちゃんが受けたダメージの状況などについて、追加捜査することを明らかにしています。
(「グッド!モーニング」2025年9月3日放送分より)
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