■台風15号は高知と和歌山に上陸
台風15号は、きょう5日未明に高知県に上陸した後、午前9時ごろに和歌山県北部に再上陸しました。このあとも列島を沿うように進み、夕方から夜には関東に最も近づく見込みです。ただ、今回の台風の特徴として、台風の中心よりも、台風からの湿った空気がぶつかる東側に活発な雨雲が連なっています。台風がこのあと最接近する東海や関東も、すでに大雨のピークです。また、台風から離れている秋雨前線によって東北でも猛烈な雨となっています。
■関東と東海で線状降水帯の恐れ
東海や関東は帰宅時間も局地的に激しい雨となる見込みです。東海や関東では線状降水帯が発生して、大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがあります。
東海
三重、岐阜、愛知 昼過ぎにかけて
静岡 夕方にかけて
関東甲信
神奈川、山梨、長野 夕方にかけて
茨城、埼玉、千葉、東京、伊豆諸島 夜にかけて
■関東の記録雨は過去10年で最多
今年は特に関東で局地的な大雨が多くなっています。その地域でまれにしか観測しない雨量となっているときに発表される記録的短時間大雨情報の数をみてみると、今年は4日までで46回、去年の2倍以上で、すでに過去10年の中で最も多い回数です。きょう5日も線状降水帯だけではなく、記録的短時間大雨情報が相次いで出されることも考えられます。
特に関東は全国の中でもアンダーパス(鉄道や道路の下を潜り抜ける道路で、周囲よりも低くなっている場所)が多く、道路の冠水にお気を付けください。
■雨雲発達傾向 原因は海水温
局地的な大雨が増加している要因の一つが、日本近海の高い海水温です。上の図は、今年の8月と平年の8月の海面水温を比較した図です。例年よりも30℃前後のピンク色が北や日本海側にも広がり、平年よりも高いことがわかります。海水温が高いと、より多くの水蒸気をエネルギーにして、雨雲が急発達しやすくなります。さらに、海水温が高いことは、今回の台風15号のように日本の近くで台風が発生する要因の一つにもなっています。この傾向は、9月の台風シーズンにかけても続く恐れがあるため、警戒が必要です。