社会

グッド!モーニング

2025年9月9日 11:37

不正なDNA型鑑定、7年で130件 佐賀県警が40代科捜研職員を懲戒免職

不正なDNA型鑑定、7年で130件 佐賀県警が40代科捜研職員を懲戒免職
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 刑事裁判の行方を左右するDNA鑑定で不正が繰り返されていました。佐賀県警の科捜研の職員が7年間にわたりおよそ130件の不適切な鑑定を行っていたことが分かりました。

なぜ不適切な鑑定を行ったのか?

佐賀県警 井上利彦首席監察官
「このような事案を発生させたことに対して、県民の皆様に深くおわび申し上げます。申し訳ありませんでした」

 DNA型鑑定など科学技術を駆使して犯罪捜査をサポートする科学捜査研究所、通称「科捜研」。その信頼を根幹から揺さぶる事態が明らかになりました。

井上首席監察官
「平成29年(2017年)6月から去年10月までの間、DNA型鑑定作業において不適切な鑑定を行った」
科捜研に所属する40代の男性職員
科捜研に所属する40代の男性職員

 警察によると、科捜研に所属する40代の男性職員は、実際には行っていないDNA型鑑定を行ったかのように報告。使用したガーゼなどの資料を紛失し、依頼元へ別のものを返却していました。

 DNA型鑑定の重要性について専門家はこう話します。

有罪決める大きな材料
有罪決める大きな材料
法科学研究センター
元埼玉県警 科捜研
雨宮正欣さん

「DNA型鑑定とは鑑定費用も非常に高価だったり、重要な事件だけに行われていたが、最近はDNAが採取できるならば数多くの事件に採用されている。被告人が有罪か無罪か判断するうえで、極めて大きい位置を占める」

 男性職員による不適切な鑑定は、7年間で130件。去年10月、上司が鑑定記録に嘘の内容が記載されているのを見つけ、事態が発覚しました。

「今後の刑事事件の裁判に影響を及ぼす可能性も」
「今後の刑事事件の裁判に影響を及ぼす可能性も」
雨宮さん
「専門的な知識を持った上司が必ず1名以上、複数のダブルチェック、トリプルチェックを経たうえで、裁判所に提出される。今後の刑事事件の裁判に影響を及ぼす可能性もある。非常になげかわしい事案」

 証拠隠滅などの疑いで書類送検され、懲戒免職処分となった男性職員。なぜ不適切な鑑定を行ったのでしょうか。

男性職員
「上司に自分の仕事ぶりをよく見せるためだった。作業が遅いことなどを上司から指摘されるのを避けるため」

 佐賀県警は、不適切な鑑定の一部は事件の証拠として使われていたものの、捜査や公判に支障はないと説明しています。

(「グッド!モーニング」2025年9月9日放送分より)

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