社会

報道ステーション

2025年9月10日 02:14

戦時中に水没の炭鉱 調査支援訴え…遺骨発見受け 政府と面会

戦時中に水没の炭鉱 調査支援訴え…遺骨発見受け 政府と面会
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戦時中に水没事故が起きた山口県宇部市の長生炭鉱で、人の骨が発見されたことを受け、市民団体が9日、政府の担当者らと面会しました。

面会には、厚生労働省、外務省、警察庁の担当者が出席しました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
「私たちが、ご遺骨を発見し収容してから、もう2週間が過ぎております。迅速なDNAの取得すら、まだできていないという状況に、私たちは非常に憤りに近いものを持っております。高齢のご遺族に、一日も早く、お渡ししたい。時間を無駄にしないでDNAの鑑定を早くしていただきたい」
天井崩落事故

1942年2月3日に起きた天井崩落事故で、183人が海に眠ったままです。事故の犠牲者には、136人の朝鮮半島出身者が含まれています。
市民団体と韓国政府は、犠牲者につながる約80人分のDNAデータを保有していますが、警察庁は「古くなると細胞が劣化する。やってみないとわからない」などとし、鑑定について、いつ行うかなどは明言しませんでした。

約3000万円の補正予算計上を要望

これまでは、主にクラウドファンディングによる寄付で、活動を行ってきましたが、障害物の除去やダイバーの支援体制など、課題が多く、国に、約3000万円を補正予算に計上することなどを要望しました。しかし、厚労省は従来と同じく、安全性の問題を理由に拒否しました。

潜水調査の指揮を執る伊左治佳孝さん(37)は、こう話します。

水中探検家 伊左治佳孝さん
水中探検家 伊左治佳孝さん
「お金をかければ、あるいは人手をかければ解消する箇所、リスクを低減することを手伝ってくれたらと思っている。絶対、流されてもしないし、分解もしない、あんなところでは。そういう状態にあるにもかかわらず、調査が行えないことになっている。この状態というのが、やっぱりすごい悲しいと思ったんです」
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
「きょう、やっと、多分、速やかに進むようやるという外務省の話もあった。最終的には、警察庁もそういう感じだったので、やっと進んでいくのかなという感じは受け止めた。待っている遺族がいますので、『早くしてください』ということを要求して、今後も続けて早急にやっていきたい」
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