ある動物の“脱走”ニュースが話題になっている。
“動物脱走”といえば、過去には、ドーベルマンが逃げた際に警察が20人体制で捜索する騒ぎになった。体長3.5メートルのニシキヘビが逃げた際も、見つかるまで報道が続いた。さらに、ヤギが崖で立ち往生し、「崖の上のポニョ」と勝手に命名されて取材合戦になった事例もある。徳之島のハブが逃げた際には、島民はいたって普通だったが、メディアは大騒ぎとなった。
そして今回、逃走してニュースになったのはエミューだ。エミューは、ダチョウに次いで世界で2番目に大きな鳥とされ、およそ180センチにもなる。飛べない鳥だが、脚力が強いため、走るスピードはなんと時速50キロに達する。
今回逃げ出したのは、家庭で飼われていた体長150センチほどのエミューで、茨城県警が注意喚起を行い、飼い主とともに捜索にあたった。すると翌朝、林の中で寝ているところを保護された。
なぜ、エミュー脱走は全国的なニュースになったのだろうか。元『週刊SPA!』副編集長の田辺健二氏は「『脱走』は見出し映えするパワーワード。『どうなったのか?』と結末も気になるため引きが強い」と分析する。
エミューは一般的にはあまり知られていない動物だが、調べてみると、日本一エミューがいるという町・佐賀県基山町を発見した。
しかし、なぜ基山町でエミューを育てているのか。株式会社きやまファームの柳瀬浩史氏は「耕作放棄地というのがある。高齢化が進んで農業をやっていた土地が使わない人が増えてきて荒れていく。その土地を有効に使えないかということで、エミューは柵さえすれば勝手に育っていく動物なので、飼育もしやすいし、簡単に育つのではとスタートした」と語る。
2014年当時、当初4羽だったエミューは10年余りで800羽に増えたほど、繁殖力が非常に高い。一方で、とてもデリケートな一面も持つ。柳瀬氏は「すごく大きな音がバッと鳴ると、反応してショック死してしまう」と説明した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)