この夏の記録的な暑さが、秋雨前線の活動も活発化させています。前線に暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、10日は各地で大雨となり、落雷による火災も発生しました。夕方からは関東でも強い雨雲がかかり、群馬県では記録的短時間大雨情報が相次ぎました。
長崎・熊本には線状降水帯発生
長崎県と熊本県では大雨による被害に加えて雷も。長崎県では午前5〜7時の間に起きた落雷は約470回に上りました。県内では落雷に伴う火災も起きています。午前6時過ぎ、農機具などが入った2階建ての倉庫に雷が落ち、炎上していると消防に通報がありました。
「ドンビカドンビカで2〜3発は落ちたかなと。クーラーと扇風機とテレビとみんな(電気コードを)抜いた。(雷が)落ちたら大変だから」
気象庁は、午前5時半ごろに長崎県南部、午前6時ごろに熊本県の天草・芦北地方で線状降水帯が発生したと発表。長崎県南島原市では、たった6時間で平年9月に降る1.5倍の雨が一気に降りました。これは観測史上最大の雨量です。雨はいわゆる“生活道路”を寸断させ、道路では住民たちが“簡易的な橋”を作り、応急処置を行っていました。
熊本県では土砂崩れも発生。倒木で通行止めになった道には開通を待つ人も。
「国道なので、通勤の時間帯だし、ここの通らんと迂回(うかい)しても、同じことになる可能性があるから、ここで待っとくしかない。安全第一で。またですね、こんな短期間に。災害復旧の途中なんですけど」
先月、記録的な大雨で被害を受けた熊本県。八代市にある家は、先月の大雨で床が剥がされたまま。室外機にも泥が被っています。
「もう怖くて。10〜15分置きに見ないと。5分くらいで(水位が)上がるから」
群馬に記録的短時間大雨情報
昼頃から午後にかけて、雨雲は東京都内にも。
「うわーやば!雨、すご!向こう側見えないじゃん」
群馬県沼田市などでは、午後5時ごろまでの1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表しました。
分厚い雲は新潟県にも。上越市では、大雨に加えて雹(ひょう)とみられる氷の粒も確認されています。また、突風による被害も発生しました。倉庫の中にあった農機具は倒れ、風が通り抜けたのか、裏手の壁は吹き飛ばされていました。
「3時ちょっと前くらい。すごかったです。工場があるので色々飛んできたり。もうびっくりしちゃって」
近くの電柱にはトタンのようなものが引っかかっています。
秋雨前線が活発となった10日。南から入った暖かく湿った空気は、各地で大雨をもたらしました。11日も各地で激しい雷雨となる可能性があります。