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2025年9月11日 20:03

ボート大会中止も 諏訪湖で藻が大量発生 理由は?

ボート大会中止も 諏訪湖で藻が大量発生 理由は?
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 長野県の諏訪湖で、大量の「藻」が異常発生しています。原因は、一体何なのでしょうか?

大量の藻 なぜ発生?

 一面に広がっているのは大量の水草。長野県のほぼ中央に位置する諏訪湖では、かつてない異常事態が起きていました。

陸地ではなく藻の上に立っていた
陸地ではなく藻の上に立っていた

 早朝の諏訪湖には、藻と格闘する人の姿が。湖から器具を引き上げるたびに、大量の藻が絡みついてきます。足元を見ると、陸地ではなく藻の上に立っていました。

 湖の上から見ても、藻の多さは一目瞭然です。

藻の多さは一目瞭然
藻の多さは一目瞭然
下諏訪町漕艇協会 小口正志会長
「過去にないぐらいの量。“ないくらい”じゃなく、ない。目立つようになったのは7月」
ああ
5月の湖面
9月の湖面
9月の湖面

 5月にはまだ青かった湖面が徐々に緑になっていき、7月には一面が水草に覆われていました。専門家は「今年の異常な暑さ」で水温が上昇したことが一因とみています。

小口会長
「ボートをやっている人間だけでなく観光業、遊覧船とか、みんな同じように頭を悩ませている」
水陸両用バス
水陸両用バス

 諏訪湖観光の目玉、水陸両用バス。優雅に湖を周遊したあとには、車両の至る所に藻が絡みついていました。

車体にも藻が…
車体にも藻が…

 すると、陸上ツアーに行く前に、客を乗せたままバスは停止。藻の除去作業が始まりました。

手作業で藻を除去
手作業で藻を除去
諏訪湖ヨットハーバー 林秀夫さん
「手作業でやらなきゃいけないものですから。このまま走行すると道路に落ちてしまうので除去します。お客さんにも10から15分(車内で)待ってもらって申し訳ない」

 湖からあがるたびに緊急点検と除去作業を行うため、人数を増やして対応しているといいます。

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ボート大会が一部中止

 影響は諏訪湖で盛んなスポーツにも。午前7時前に始まったのは地元高校ボート部の朝練です。しかし、オールをこぐたびに藻が絡みつきます。

オールをこぐたびに藻が絡みつく
オールをこぐたびに藻が絡みつく
岡谷南高等学校 ボート部 守屋洋明監督
「あんな感じで絡んでしまう。ずっと絡みながら、こがなければいけない。この状態が続くと困る。改善する方法を考えないといけない」
岡谷南高等学校 ボート部員
「全然こげない。藻が多すぎてオールに引っかかり、(水に)落ちてしまう人もいる」

 週末には大きな大会を開催する予定です。参加者の安全のために、毎朝藻の除去作業を行っていますが…。

毎朝藻の除去作業を行っているが…
毎朝藻の除去作業を行っているが…
小口会長
「人海戦術で解決するような問題ではない。焼け石に水の作業を毎日やっている」

 スケジュールの変更を余儀なくされ、一部のレースの中止が決まりました。今年で44回目ですが、初めての事態だといいます。

小口会長
「悲しいが、通常通りにはいかない」
水温が下がれば、藻は枯れていくという
水温が下がれば、藻は枯れていくという

 専門家によると、ここまで爆発的に増えた藻を人の手ですべて除去するのは現実的ではないといいます。しかし、水温が下がれば、藻は枯れていくということです。

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