秋雨前線が停滞したことで、大気の状態が不安定になり、首都圏を中心に雨雲が急発達、広範囲で雷雨となりました。
記録的短時間大雨情報も相次ぎ、東京だけで、5回、発表されています。
観測史上最大となる1時間に92ミリの雨を観測した世田谷区では、河川の氾濫も起きました。
区内を流れる谷沢川。水位は堤防を越え、濁流はガードレールを飲み込もうとするほどです。周囲の住宅街には、一時、浸水が広がりました。
「水を見ながら、たまるかなと思って、心配だから。一瞬、目を離した隙に、もうたまった。多少、土嚢やっても関係ない。どんどん(水が)入っちゃう。もう見ているしかない」
1時間に約120ミリの雨が降ったとみられる品川区でも河川の氾濫が起きました。
立会川の水位は上昇し、わずか1時間後に氾濫。川沿いのマンションでは、部屋の中まで水に浸かってしまったそうです。
「家電とか、カーペットとか、結構、被害受けました」
大田区では、積んであったコンテナが崩れました。警視庁によりますと、積み下ろしを行っていた2人が下敷きになり、うち1人が死亡しました。
11日、一番多くの雨が降ったとみられているのが目黒区。午後3時20分までの1時間で134ミリを観測しました。
水は、街の一角に流れ込みました。
目黒区にある眼鏡屋。
「バケツをひっくり返したような雨。タイタニックみたいに水が押し寄せてくるんですよ、怖かった。フレームは、全部、上に出ているから、メガネケースや備品はアウトかなと。こんなの初めてで、びっくりした。営業できるかは、明日、チェックです。PCとかWi−Fiとかネット環境ないとレジもできない」
当時、街には多くの客がいたといいます。
「半地下の店にいたけど、しばらくしたらザーって。雨の音かなと思ったら、浸水してくる音で、初めて大変なことだと。どんどんどんどん水が店内に流れてきている状況でした。結局、扉を開けないで、扉の上部にある窓ガラスを割って外に出た」
目黒区では、7000軒以上で停電が発生。生活にも影響が出ています。
「困っちゃう1人だから」
エアコンが使えないばかりか、復旧のメドがわからないことには、冷蔵庫を何度も開けることはできません。
「早く対応してほしいわ」
東京電力によりますと、停電の原因は調査中としていますが、発生時には、辺り一帯に雷が鳴り響いていたそうです。
神奈川県でも大雨となりました。
川崎市には、合わせて3回の記録的短時間大雨情報が出され、いずれも約100ミリの猛烈な雨が降ったとみられます。冠水により立往生した車もありました。
「(Q.雨すごいですね)雷もすごいね。(Q.道路どうでした)下が見えないから、穴が開いているとおっかないから」
大雨は、帰宅の足を直撃しました。
鉄道各社のダイヤは大幅に乱れ、駅のホームには人があふれています。
大きな影響を受けたのは東急電鉄。
線路や踏切が冠水し、目黒線・池上線・大井町線・新横浜線の4路線が、一時、運転を見合わせました。
武蔵小山駅のタクシープールには、長蛇の列ができています。
「もう2時間ぐらい待ってます、最悪です。(3駅先の)大岡山駅に帰りたい。電車乗っていたら“運休”って。少し待っていたけど、動かない。しょうがなくタクシーに来たら、長蛇の列で困ってます。中原街道が混んでるみたいで、全然、来ない。早く帰りたいです」
「武蔵小山で仕事をしていて、これから帰る。西武池袋線の石神井公園まで帰ろうと。(Q.何時ごろに電車に乗ろうと)5時半には駅に来ていた。それから1時間。待ちきれないからタクシーに並ぼうと。予想外でしたね。雨が降ってたらわかりますけど、雨がやんでるのに帰れないって」






















