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化粧品メーカーで働いていた女性が、社長からパワーハラスメントを受けて自殺したとして、遺族が賠償を求めた訴訟をめぐり、東京地裁は、1億5000万円の支払いなどを決定しました。
起業を夢見て、努力する姿は、家族の目にも、明らかでした。
里実さんの姉
「英語学んで、外資系とか、海外とのやりとりをしながら化粧品作ったりとか。『友だちと一緒に会社作りたいね』というのは聞いていて。すごく一生懸命、それに向かって頑張ってるんだなって思って」
「英語学んで、外資系とか、海外とのやりとりをしながら化粧品作ったりとか。『友だちと一緒に会社作りたいね』というのは聞いていて。すごく一生懸命、それに向かって頑張ってるんだなって思って」
里実さんが、化粧品メーカー『ディー・アップ』に就職したのは、4年前の春。しかし、憧れたはずの、そこでの日々に里実さんの未来は奪われました。
入社から8カ月が経った2021年12月23日、里実さんは、“上司に反抗的な態度を取っている”などといった理由で、一方的に社長室へ呼び出されます。
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坂井満社長
「お前、大人を舐めるなよ。先輩が注意したときも、ひどい態度をとってるらしいな。そういう人は合わねぇな、うちには」
「お前、大人を舐めるなよ。先輩が注意したときも、ひどい態度をとってるらしいな。そういう人は合わねぇな、うちには」
約50分にわたり、叱責され続けた里実さんは、それでも仕事を続けられるよう許しを請います。
里実さん
「チャンスをください。今後、一切、そのような態度を見せないように、ちゃんと自分なりに分析して」
「チャンスをください。今後、一切、そのような態度を見せないように、ちゃんと自分なりに分析して」
坂井満社長
「分析どころの話じゃねえ。チャンスはもうない。いいよ、終わり。世の中でいう野良犬っていうんだよ。そういう人たちのいるところで、仕事した方がいいよ」
「分析どころの話じゃねえ。チャンスはもうない。いいよ、終わり。世の中でいう野良犬っていうんだよ。そういう人たちのいるところで、仕事した方がいいよ」
翌日も続けて、そしりを受けた里実さんは、年明け、うつ病と診断されます。その後、自宅で自殺を図り、25歳で、命を落としました。
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労働基準監督署は、去年5月、坂井社長の言動がパワハラに当たり、うつ病と自殺との間に、因果関係があると認定。そして、東京地裁は9日、会社側の謝罪や、1億5000万円の支払い、社長の辞任などを含む決定を出しました。
会社側は10日付けで、坂井社長が退任したことや、社内の体制と職場環境の改善に取り組むことなどを発表しています。
代理人 松本龍馬弁護士
「我々としては、どうか、パワーハラスメントが世の中から少しずつでも減っていき、いつか里実さんや、ご家族と同じような思いをする方がいなくなることを切に願っています」
「我々としては、どうか、パワーハラスメントが世の中から少しずつでも減っていき、いつか里実さんや、ご家族と同じような思いをする方がいなくなることを切に願っています」
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