11日、東京は猛烈な雨に見舞われて各地で河川の氾濫、浸水の被害が相次ぎました。線路が冠水して鉄道も止まるなど混乱が大きく広がりました。
ひょう&落雷…“竜巻”も カメラ捉えた瞬間
激しい勢いで真横に打ち付ける雨。11日に都内を襲った雷と猛烈な雨。気象庁は東京に記録的短時間大雨情報を5回発表しました。
激しい風雨で木の枝も落ちるほど。階段の上から大量の水が流れ落ちます。さらに大雨に加えてひょうも降りました。
マンホールからは激しく水が吹き上がり、車の高さをゆうに超えていきます。
千葉県木更津市では、竜巻のようなものが複数目撃されました。
カメラが捉えた氾濫の瞬間
東京・品川区では午後3時半までの1時間におよそ120ミリの雨が降ったとみられ、立会川が氾濫。川の水位が上昇し建物にまで迫ります。
上から見てみると、すごい勢いで流れてきた大量の水が行き場をなくし、水しぶきをあげ道路に流れ込みます。
午後2時半ごろの立会川の様子を見ると、段々と雨が強まりだし、みるみるうちに水位が上昇。わずか1時間ほどで川が氾濫しました。
川の水があふれるなか、次々と土のうを積む住民と警察官。しかし…。
「最初あふれないかなと思った。でも心配になってみんなで土のうを積み始める、どうしてもあふれる、跳ね返ってきちゃう」
川沿いのマンションでは、部屋の中まで水につかってしまったといいます。
「(Q.玄関の前に置いてあるのは?)もうびしょ濡れだったのでとりあえず外に。家電とかカーペットとか結構被害を受けました」
「店の中で座って仕事していても、そこの水位が見えた。すごかった、もうザバザバザバザバ」
観測史上最大となる1時間に92ミリの雨を観測した世田谷区でも河川が氾濫しました。
区内を流れる谷沢川。水位は堤防を超え、濁流はガードレールをのみ込む勢いです。
11日、一番多くの雨が降ったとみられているのが目黒区。午後3時20分までの1時間で134ミリの猛烈な雨を観測しました。
午後3時すぎに撮られた映像では、辺り一面が冠水。さまざまなものが浮かんでいるのが分かります。
目黒川では一時、警戒レベル4に相当する氾濫危険情報が発表されました。
杉並区の善福寺川は、50分ほどで警戒水位まで水が上昇しました。
また、大田区を流れる呑川は、普段は水位も低く穏やかですが、短時間で川の水位が急上昇。道路に降った雨があふれ、滝のように川に流れ込んでいきます。
大田区では呑川流域や田園調布などに一時、緊急安全確保が発令されました。
商店街浸水 地下のクリニックが…
猛烈な雨の影響はここでも…。
品川区にある戸越銀座商店街。道路は冠水し、大量の水がビルの中へ。三角コーンが流され、川のようになった道路をタクシーが進みます。
地下で診療を行っていたというクリニックのスタッフはこう話します。
「地下だったので、どこから逃げようみたいな」
「逃げられなかった」
スタッフが医療機器を守りながら、水が引くまで地下でしのいだというクリニック。まだ復旧のめどは立っていません。
この店も店内が水浸しに。
「もうそこが川になって、なすすべもなく」
「片付けなんですけど、今お客さんがもう少ししたら来る。電源はここ(の席)は使えないんですけど、こっち(の席)は使えるんで」
一方、休憩中に浸水したというこちらの居酒屋は…。
「水がもうこの辺まで来たんですよね。急に滝のように(水が)入ってきたんで」
「(Q.低くなっているから一気に流れてきた?)そう、そう、そう」
「(Q.今夜の営業は?)予約結構受けていたんですけど、もう全部断ります」
コンテナ崩れ 2人下敷き
記録的短時間大雨情報が相次いで発表された東京。
停滞する秋雨前線に向かって、大量の湿った空気が流れ込んだことで大気の状態が不安定になり、11日午後2時ごろから4時ごろの間に首都圏を中心に雨雲が急発達し、広範囲で雷雨となりました。
東京では目黒区の一部など一時7000軒以上で停電が発生しました。
さらに、この雨や風が影響したのでしょうか。警視庁などによると、大田区で積んであったコンテナが崩れ、積み下ろしを行っていた2人が下敷きになり、うち1人が死亡。もう1人は自力で脱出し命に別状はないということです。
カメラ捉えた“冠水する街”
神奈川でも猛烈な雨が降りました。強い水しぶきを上げて視界はほとんどありません。
川崎市では、11日午後3時までの1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降りました。
市内を流れる川も一気に増水しました。
道路にあふれた雨水は勢いを増し川のように。車が通るたびに大きな波ができていました。
冠水する道にエンジンが止まってしまった様子のバイク。その隣をトラックが波を立てて通り過ぎていきます。
川崎市中原区のコンビニ。すぐ近くに遊歩道があり、普段は穏やかに小川が流れていますが、11日、景色は一変。小川の水があふれ一面池のようになりました。
「(雨が降っていたのは)3時間くらい。私ここにずっと住んでいますけど初めてくらいです。ここ数十年起きてないはずです」
川崎市内では、短時間で冠水した道に立ち往生する車が多数見られました。道路の真ん中に乗り捨てられた車。別の車がよけて通ります。人々が力を合わせて道路脇に移動させました。
川崎市内では他にも、武蔵小杉駅構内が浸水。さらに改札機が故障。
「改札は使えないみたい。雨でダメになっちゃって。(水の高さが)このぐらいはあったかな」
大雨の影響は帰宅ラッシュにも。構内では駅員が排水作業に追われ、駅前のバス停には長蛇の列ができていました。
「普段より(列が)長いですね。倍くらいは」
「大井町線が止まってしまったので、遠回りして帰ろうと思います。(普段より)30分から1時間延びちゃうと思います」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月12日放送分より)
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