この3連休、車の事故が相次ぎました。外国人観光客が運転するレンタカーの事故も多くなってきています。事故を起こした車のドライブレコーダーには、標識を無視して運転する様子が記録されていました。
観光地で急増 外国人運転レンタカー事故
北海道長沼町で撮影されたドライブレコーダーの映像。直進する車が交差点に差しかかったところで衝突。ガラスの破片が激しく飛び散っています。
映像をよく見てみると、左側の道路に一時停止の標識がありますが、衝突してきた車は止まらずそのまま交差点に進入していたことが分かります。
一時停止を無視して事故を起こした車は、アメリカ人観光客が運転するレンタカーでした。
「一時停止の標識を見落としていた」
おととし1月には上富良野町で、一時停止の標識を無視して交差点に進入したレンタカーがダンプカーと衝突する事故が発生。レンタカーに乗っていたのはシンガポールから来た家族4人で、母親と赤ちゃんの2人が死亡しました。
山梨県忍野村で台湾から訪れた観光客が運転するレンタカーの映像を見ると、一時停止はしたものの、左右の確認が甘く、右から来た車と衝突。車体には複数の傷が付いていました。
事故の直前には、一時停止の標識がある交差点に差しかかっても、減速することなく通過。幸い、先に交差点にいた車が停止していたため事故にはなりませんでした。
さらに進んだ先には通学路を示す標識が。時間帯によっては、児童が登下校していた可能性もあります。
今、人気観光地を中心に外国人が運転するレンタカーの事故が増加しているといいます。
雄大な富士山を臨む人気の観光スポット・忍野八海。周辺の道には歩行者があふれ、車が1台通るのも一苦労。そこに、通り抜けを諦めたのか、止まっている車がありました。
同じ方向に進もうとしている車が来て、道路を一時的にふさいでしまう形に。どうにか動き出したものの、慣れない車と道に悪戦苦闘していました。
屋根に乗った富士山の写真が撮れることで有名となり、外国人観光客が殺到するコンビニには、「わ」ナンバーの車がたくさん止まっていました。
なかには、外国人が運転していることを示すシールが貼られたレンタカーもありました。
商店街でも、駐車場に止まっている車はレンタカーです。外国人なのか、レンタカーで来ている人がいます。地元の人に話を聞いてみました。
事故寸前の場面を見たという人もいました。
「レンタカーでは、あそこが道路なんですけど、道路がないところに目がけて曲がろうとしていた車を見たことはあります。多分、外国の方じゃないかなと。ヒヤヒヤしましたね」
さらに、近くの神社の駐車場では…。
別の細い道でも。大型のレンタカーは、すれ違う軽自動車が歩道側によける形で通過していました。
標識の違いや言語の壁…貸し出す前に対策も
山梨県富士河口湖町にあるレンタカー店には、この日も多くの外国人の姿がありました。
利用客の8割以上が外国人ということで、店は日本の運転ルールや注意事項を丁寧に説明します。
「日本での運転に緊張しています。オーストラリアの道路はもっと広いから、日本ではゆっくり安全にいこうと思います」
「日本でどうやって運転するか学ぶために、動画を見てきました」
「(Q.日本と台湾は違いますか?)日本は左側通行ですが、台湾は右側通行なのでそこが違います」
「店舗でも必ず注意喚起を行っております。お話をうかがうと、慣れるまで10分から15分ほどかかってしまうというところで、そういった時はゆっくりと走行をするように心がけていただいています」
山梨県警によると、富士五湖地域では外国人観光客のレンタカーによる物損事故はおととしは417件でしたが、去年は770件と1.8倍に。今年はさらに増加傾向で、7月末時点ですでにおよそ600件の事故が起きているといいます。
また物損事故に占める外国人の割合は、おととしは1割でしたが、今年は2割に増えています。
なぜ、外国人によるレンタカーの事故が起きてしまうのか。別のレンタカー店に聞きました。
「一時停止が分からなくて見過ごしてしまうというケースも散見されますし、一時停止の重要性を認識されていないお客さまも多くいますので」
日本で初めて運転したというオランダからの観光客は、次のように話します。
「(Q.説明を受けていなかったら分かりづらい?)不安だったと思う。オランダと日本、どちらも一時停止の標識は赤いけど、何が書かれているかは読めなかったと思う」
標識の違いや言語の壁が…。そのため貸し出す前には、こんな対策もしているといいます。
「1つ道路標識を覚えてほしいです。逆三角形の標識は一時停止と常に思い出してください。たくさんの人が一時停止標識に関する事故を起こしているので、事故を起こさないようにちゃんとお伝えします」
「OK」
英語を話せるスタッフが常駐。さらに事故の増加を受けて、交通ルールの事前説明を重点的に強化しています。
「観光客も事故をしたくて車を運転しているわけではないので、地域の人たちも海外の人たちが運転していることにより安心を感じてもらえるような体制づくりを私たちは必要だと思って頑張っています」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月15日放送分より)