社会

モーニングショー

2025年9月15日 16:22

「本当の恐怖」 やっと水がひいたが…衝撃店内 大雨浸水の爪痕 東京・自由が丘

「本当の恐怖」 やっと水がひいたが…衝撃店内 大雨浸水の爪痕 東京・自由が丘
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 この週末も各地で浸水被害が相次いだ。東京・自由が丘で浸水被害に遭ったお店を取材すると、水が引いた後も店内は荒れた状態で、いつ営業の再開ができるか分からないということだ。

大雨浸水の爪痕 恐怖の瞬間

「魚三四味家」
鈴木拓朗店長

「この辺ももうぐちゃぐちゃ。うわー、ありえないねー」

 これは11日の大雨で浸水した、東京・目黒区の地下の飲食店。荒れ果てた店内は真っ暗。懐中電灯で照らしながら先へ進む。

鈴木店長
「ちょうど皆ここでお昼して食べていた感じですね。もうほら、ここに食べていたまんまが。サンマを食べていた僕のまんまがあって」
水が流れ込んだ時の様子
水が流れ込んだ時の様子
脱出を試みる飲食店スタッフたち
「ヤバいね」
「ちょっとダメかも ヤバいかも店長」
「(ドア)閉めた方がいいかもしれない」
「閉めちゃうと…」
「なんかいろいろ落ちてきてる!」
「ヤバいかもヤバいかも」
「本当に出た方がいいかも。先に」

 記録的な大雨となった東京。これは地下の店内に水が流れ込んできたときの映像だ。

鈴木店長
「1回(ドアを)開けたんですけど、その時は開いた。(スタッフが)着替えて戻ってきて、開けようとした時にはもう開かなかった。その時は(水が)5センチくらい。うちに修理に来ていた業者さんが戻ってきてくれて、ハンマー持ってきてくれて、割ってもらって」
「もう死ぬかなっていう、本当の恐怖を感じました」

 店長の鈴木さんや従業員は、入り口のドアのガラスを割ってもらい脱出。階段を上って避難した。

「水がだいぶ抜けて、中入れるんで、もう中に入っていこうかなと思って」

 大雨から3日が経った14日、ようやく排水作業が終わり店内に入ることができた。

「(Q.まだ水が抜けていないんですね?)そうですね、まだ抜けていないですね」
入り口付近の壁
入り口付近の壁

 入り口には3センチほどの水が排水しきれずに残っていた。入り口付近の壁には、水の跡とみられる線。測ってみると、店内は1メートルほど浸水していたことが分かる。

「当時、あそこの白い所から雨漏りが始まったんですよ。バケツみたいなの置いたんですけど、これですね。こんな所まで飛んで落ちてますし。こんな所まで吹き飛んで。すごいですね、もう…。この辺も、もうぐちゃぐちゃ。うわー、ありえないねー」

 部屋の隅に置かれていた冷凍庫は傾き、飲み物が入ったダンボールは散乱。ホールと厨房(ちゅぼう)を仕切る扉は水の勢いで歪んで動かなくなってしまったのか、鈴木さんは扉を蹴破り厨房へ。

「(Q.奥に倒れているのは?)冷蔵庫じゃないですかね。たぶん」

 厨房の中も物が散乱。なかなか前へ進めない。

店内には生ごみが至る所に…
店内には生ごみが至る所に…
「うぁータイのごみですね。クサッ」

 料理の仕込み時間に襲った今回の大雨。店内には生ごみが至る所に散らばり、浸水を免れたガスコンロの上には仕込み途中の貝や煮物がそのまま残されていた。

 ホールでは、休憩中のスタッフが遅めの昼食を取っていた時に水が流れ込んできたという。

「ちょうど皆ここでお昼をして食べていた感じですね。もうほら、ここに食べていたまんまが。サンマを食べていた僕のまんまがあって」
「ダメかな。床もすごいきしんでるもん。ゆるいもん床も」

 きらびやかな印象だった店内は、茶色く泥で汚れ、通路の壁には穴が開いていた。

「悲惨ですね。なんとも言えない」
「(Q.お店っていつ頃再開できそうですか?)もういつだろうっていう。(お店を再開)できるか分からないですけど、皆に応えられるように一日でも早く(お店を再開)できるようにしたい」

3.5メートルのゴルフスタジオが水没

 11日に自由が丘周辺で観測されたのは、1時間に134ミリという、桁違いの雨。

 浸水した「魚三四味家」から100メートルほど離れた地下にある、ゴルフのレッスンスタジオも浸水。

ゴルフのレッスンスタジオ
ゴルフのレッスンスタジオ

 14日に訪れると、排水は終わっていて、中の様子を見せてもらった。

自由が丘ゴルフスタジオ
吉川高広代表

「(Q.ガラスがもう…)ここを突き破ったんですよ」

 地上から流れ込んだ水が、入り口のガラスのドアを突き破り、大きな穴が開いた状態に。

浸水当時の防犯カメラ
浸水当時の防犯カメラ

 浸水当時の防犯カメラの画像を見ると、画面右側にあるガラスのドアを突き破った水が、ものすごい勢いで店内に流れ込む様子が捉えられている。店のスタッフはカウンターに上がり水から逃げているのが分かる。

「(当時店にいたスタッフ)本人はここまで酷いと思っていなくて、(水が)入り口のガラスをつき破ってきたんで、本人は慌ててカウンターに飛び乗って。水が入り切ってから割れた窓から地上に逃げていったと。一瞬の出来事だったみたいですね。どうすることもできなかったと」

 店にいたスタッフは濁流に逆らいながら階段を上がり、なんとか脱出。幸いにも人的被害はなかった。

 排水後の店内を見ると、天井の近くにはペットボトルや紙の資料が引っ掛かっている。

 このゴルフスタジオは天井までおよそ3.5メートルあるが、完全に水没したという。入り口とは反対側にあるガラス窓は、水圧の影響か外に向かって押し出されていた。

浸水前
浸水前
浸水後
浸水後

 ゴルフクラブが整頓されたきれいなスタジオが、水没後には無残な状態になってしまった。

「率直に言うと、うちの従業員が無事でよかった。(復旧には)1〜2カ月はかかりますかね。(復旧に)数千万はかかるんじゃないですか」
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危機一髪 地下駐車場水浸し 地上へ脱出

 日本列島では先週、地下への浸水が相次いだ。

 記録的な大雨によって、一面水に浸かった三重県四日市市の地下駐車場。駐車してある車のナンバープレートが隠れるほどの高さにまで水が流れ込んでいる。車は水しぶきを上げて進んでいく。

 車の警報音とともに、遠くでサイレンの音もかすかに聞こえてくる。

三重県四日市市の地下駐車場
三重県四日市市の地下駐車場

 500台以上が駐車可能な地下2回建ての巨大な駐車場。車の持ち主は地下1階に駐車していた。

 出口付近にさしかかると、雨水が流れ込んでくるのが分かる。車の後方カメラには、激しい流れになっている様子が確認できる。

車を運転していた男性
車を運転していた男性

 車を運転していた男性はこの時の状況について、「車高の高い車だったから、なんとか脱出できた」と話した。

 地上へ出ると視界に飛び込んできたのは、一面水に浸かった街の中心部だった。

 12日から13日にかけ大雨となった四日市市では、1時間あたりの降水量として観測史上最大となる123.5ミリを記録。街は広い範囲で冠水した。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月15日放送分より)

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