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9年続く東京都内のラーメン店にある日突然、141万円の罰金を支払うよう通知が届きました。送り主は店舗が入るマンションの管理組合です。
「正気の沙汰では」店主困惑
「管理組合から正気の沙汰ではない通知が来た。契約書にも書いてないのに急にルール作ってこんなのいいのかな。ウチ潰れちゃうよ」
SNSで訴えたのは、都内のラーメン店の店主です。何があったのか、話を聞きました。
「8月に罰金を請求するという紙がポストに入っていて、9月に入ってから、今の罰金はこのぐらいになっているというのが、バイトのスタッフに管理会社の人が持ってきたのが始まりでした」
店舗が入っているマンションの管理組合から、先月届いた通知。「店舗使用細則徹底のお願い」と題し、違反者には罰金を科すと書かれています。
共用部での喫煙は1回5万円、共用部への違反駐輪は1万円など、具体的な罰金の額も書かれていました。
「9年もやっていて初めて、こんなことになっているな」
最初は半信半疑だったという店主。しかし、今月に入り状況は一変したと話します。
「9月に入ってお客様が知らずに、ここ(共用部)に自転車を置いてしまったということがあって、そうしたら管理組合の人だと思うんですけど、うちの店に怒鳴り込んできて『写真を撮ったからな』と。『罰金請求するから覚悟しとけよ』と。うちの女性スタッフに怒って、怒鳴って帰っていったらしくて」
「傘立てを置いていたら1日5万円。長椅子を置いていたら5万円とか。合計が約140万円になっていた」
「傘立てを置いていたら1日5万円。長椅子を置いていたら5万円とか。合計が約140万円になっていた」
今月8日に届いた2回目の通知には「段ボール」「傘立て」「長椅子」などの設置にそれぞれ罰金が科されていて、総額は141万円に上ります。
「1杯だいたい1100円なので、140万円で換算したら1000杯1300杯くらい売らないと、そのくらいの金額にはならないので、もう到底払える金額ではないです」
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共用部使用巡り厳しいルール
契約した時にはなかったという罰金ルール。店主がマンションの管理会社に問い合わせたところ、「ラーメン店とは別の店舗が共用部の使用を巡り管理組合からの要求を断り続けたため、罰金を科す厳しいルールに変わった」といいます。
「あまりにも常識的ではない金額で、常識的ではないルール設定」
高額すぎる罰金、支払う義務はあるのでしょうか?川崎フォース法律事務所の小川敦司代表弁護士はこう指摘します。
「金額として高額に過ぎるところがありますので、公序良俗違反ということで民法上は無効ということに。支払い義務はないのではないか」
逆に、管理組合が訴えられる可能性もあるといいます。
「支払う義務のない債務になりますので、繰り返し請求を受けた場合は、精神的な損害を被るということも、場合によっては考えられますので。損害として賠償を求めて、訴訟に訴え出ることもできるのではないか」
今月から公道と共用部の境には三角コーンが置かれ、自転車などの駐輪が規制されるようになりました。地元の客はこう話します。
「自転車は高架下の所に止めてきました。(店前に)止めたいけど、止めたらまずい。迷惑になっちゃうかなって思って。(店前に)自転車を止められた方が、来る人もっといるかもしれない。わざわざ(遠い所に)止めてとなると」
ラーメン店側は、客への呼び掛けを増やすなどルールを守った営業を心がけています。
「僕たちが理事会とかに参加しているわけじゃないので。決められたことを、通達されたことを守っていかなきゃいけない。ノーと言えないような状況にはなっています」
番組の取材にマンションの管理組合は、「今回の件についてコメントはない」と話しています。
(「グッド!モーニング」2025年9月16日放送分より)
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