社会

グッド!モーニング

2025年9月16日 12:50

水没地下駐車場160台つかる 自賠責保険「補償の対象外」 止水板「対応できず」 三重

水没地下駐車場160台つかる 自賠責保険「補償の対象外」 止水板「対応できず」 三重
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 先週末の記録的な大雨で浸水した三重県四日市市の地下駐車場で、排水作業に時間がかかり、今も160台以上の車が残されたままです。持ち主への補償も課題となっています。

「水が海のように」排水できず

 15日、週が明けましたが、たくさんの管を通して排水作業を続けています。この作業、一度も止めていないそうです。12日の浸水した際に撮影された写真です。駐車場の地下2階に続く階段は濁った水で完全に覆われています。

くすの木パーキング
くすの木パーキング

 三重県四日市市にある地下駐車場「くすの木パーキング」。近鉄四日市駅のすぐ近くにあり、地下1階と2階に500台ほどの車を止めることができる巨大駐車場です。

 12日の大雨で少なくとも160台の車が水につかり、13日の朝から排水作業が行われていますが、完了までは、まだ数日かかる見込みです。車を取りに来た駐車場利用者はこう話します。

駐車場利用者「仕方ない」
駐車場利用者「仕方ない」
「今(車は)地下2階の駐車場にあります。仕方ない。あれだけの水が海のように流れてきたら」
周辺のレンタカー店には問い合わせが殺到
周辺のレンタカー店には問い合わせが殺到

 周辺のレンタカー店には、被害に遭ったとみられる人から「長期間レンタルできないか」との問い合わせが殺到しています。

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補償を受けられない可能性も

 想定をはるかに超える豪雨による車の水没被害。補償はどうなるのでしょうか?匠総合法律事務所の秋野卓生代表弁護士はこう指摘します。

自動車保険
自動車保険
「(自動車保険には)自賠責保険と任意保険がある。任意保険に入っている場合、車両保険(へ加入していること)により、損害の填補(てんぽ)がなされる。契約時の保険金額の範囲内で補償がされる。自賠責保険だけにしか加入していない人は保険による填補はない」
補償を受けられない人が多く出る可能性も
補償を受けられない人が多く出る可能性も

 損害保険料率算出機構によると、車両保険の加入率は全体の47.2%のため、今回のケースでも補償を受けられない人が多く出る可能性があります。

 一方、駐車場の対応に問題があれば、責任を問う選択肢もあるといいます。

「駐車場の管理会社に法的責任が認められる場合には、賠償請求をすることを検討していくことになる」

 災害時の対応に問題はなかったのでしょうか?番組が駐車場の管理会社・株式会社ディア四日市の須藤康夫常務取締役に話を聞きました。

非常時に回すポンプが回りきらなかったという
非常時に回すポンプが回りきらなかったという
「(当時)当直の職員が2人いましたが、急な雨が降ってきて場内に浸入してきたので、止水板を上げるなどの対応ができず退避した。場内の排水というのはポンプを非常時に回すが、一気に浸水してポンプが回りきらなかった」
地下2階は完全に水没
地下2階は完全に水没

 大規模な駐車場のため、複数の入口から雨水が浸入し、地下2階は完全に水没。地下1階についても半分ほどの高さにまで水が押し寄せました。

地下1階に残っている車は160台
地下1階に残っている車は160台
「今でも(車が)残っている。地下1階で160台。地下2階については入れないので、いまだに分からない。金曜日の午後10時前後というと40〜50台(の車が)地下2階に入っている可能性が高い」

 連休のため保険会社などとも連絡がついていないといいます。

「車についてはかなりの損害があるということで、管理しているものとして非常にしのびなく思う。誠心誠意、対応させていただきます」

(「グッド!モーニング」2025年9月16日放送分より)

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