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証言台に立ったのは、被告の母親でした。オンラインカジノで常習的に賭博をした罪に問われているフジテレビ元社員の初公判で、母親が明かしたのは息子がついた嘘でした。
初公判に母親も出廷「優しい子」
鈴木善貴被告(44)の母
「息子は真面目で優しくて、頑張り屋でした」
「息子は真面目で優しくて、頑張り屋でした」
法廷に響く母親の言葉を、どのような心持ちで聞いていたのでしょうか。
オンラインカジノで常習的に賭博をした罪に問われている鈴木被告。フジテレビでバラエティ制作部の企画担当部長をしていた元幹部社員の男が法廷に立ちました。
16日午前10時、東京地裁で始まった初公判に、鈴木被告は濃いグレーのスーツで出廷。去年9月から今年5月にかけて、日本から海外のオンラインカジノサイトにアクセスし、バカラやスロットで賭博をしていたという趣旨の起訴状が読み上げられると…。
鈴木被告
「間違いありません」
「間違いありません」
鈴木被告は、その内容を認めました。
検察側は「ギャンブルへの執着は根深いものがある」として、懲役1年を求刑しています。
検察側
「今年に入り社内調査(フジテレビ)に『もうやっていない』と嘘をついて賭けを続けていた。去年9月から今年5月までの賭け金は5億9700万円と推定される」
「今年に入り社内調査(フジテレビ)に『もうやっていない』と嘘をついて賭けを続けていた。去年9月から今年5月までの賭け金は5億9700万円と推定される」
6億円に迫る金額をオンラインカジノで賭けていたとする検察側。消費者金融や知人、家族から借金をしていたといいます。
裁判では鈴木被告の母親が証言台に立ち、金を貸した状況について話しました。
鈴木被告の母親
「去年11月に『投資に失敗して街金で金を借りてしまった』と相談され、500万円貸しました」
「去年11月に『投資に失敗して街金で金を借りてしまった』と相談され、500万円貸しました」
弁護側
「オンラインカジノについては?」
「オンラインカジノについては?」
鈴木被告の母親
「逮捕の報道で知りました。こんなにギャンブルに深入りしているとは思いませんでした」
「逮捕の報道で知りました。こんなにギャンブルに深入りしているとは思いませんでした」
鈴木被告は母親に投資で失敗したと嘘をついて、ギャンブルするための金を工面していました。
なぜ、ここまでオンラインカジノにのめり込んだのでしょうか。その背景について鈴木被告は、被告人質問でこう語っています。
弁護側
「ギャンブルをやめようとは思わなかったんですか?」
「ギャンブルをやめようとは思わなかったんですか?」
鈴木被告
「負けた瞬間はそう思うが、その後、勝てば一気に返せると思ってしまった」
「負けた瞬間はそう思うが、その後、勝てば一気に返せると思ってしまった」
弁護側
「今はどう思っていますか?」
「今はどう思っていますか?」
鈴木被告
「いろんな人が“やめろ”と言ってくれて、客観的に自分でもやめときゃいいのにと思っていた。でも逮捕されるまで甘くみていた」
「いろんな人が“やめろ”と言ってくれて、客観的に自分でもやめときゃいいのにと思っていた。でも逮捕されるまで甘くみていた」
弁護側はギャンブル依存症の治療を続けるとしたうえで、執行猶予を求めました。
裁判官
「これからはどう支えていく?」
「これからはどう支えていく?」
鈴木被告の母
「行動はもちろん監視します。一緒に暮らすことになると思うので、話し合っていきたい」
「行動はもちろん監視します。一緒に暮らすことになると思うので、話し合っていきたい」
鈴木被告
「個人の身勝手な行為で迷惑をかけました。本当に申し訳ないです。今後は猛省して生まれて変わった気持ちで生きていきたいです」
「個人の身勝手な行為で迷惑をかけました。本当に申し訳ないです。今後は猛省して生まれて変わった気持ちで生きていきたいです」
判決は、今月25日に言い渡される予定です。
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