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貸金庫から18億円を盗んだと話している三菱UFJ銀行・元行員の女の裁判が18日に開かれ、女は「自分を見失っていた」と涙ながらに謝罪しました。
元行員の女 涙を流して謝罪
18日、東京地裁で検察側が元三菱UFJ銀行の行員に求刑したのは懲役12年。
検察側論告
「国内有数の前代未聞の犯行。これまで積み上げられてきた三菱UFJ銀行の信用を毀損(きそん)するものである」
「国内有数の前代未聞の犯行。これまで積み上げられてきた三菱UFJ銀行の信用を毀損(きそん)するものである」
検察側が「前代未聞の犯行」とした事件が明るみに出たのは去年11月。三菱UFJ銀行が貸金庫から顧客の資産を盗んだとして、1人の行員の解雇を発表したのです。
その行員が、山崎由香理被告(47)。2020年4月から去年10月まで東京の練馬と玉川、2つの支店で貸金庫の責任者を務めていました。
そして、その立場を利用して、予備の鍵で顧客の貸金庫を開け、金塊や現金を盗んでいたのです。
三菱UFJ銀行 半沢淳一頭取(去年12月)
「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものであると、厳粛に受け止めており、お客様や関係者の皆様に心よりおわびを申し上げます」
「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものであると、厳粛に受け止めており、お客様や関係者の皆様に心よりおわびを申し上げます」
問われているのは、6人からおよそ3億3000万円相当の金塊のほか、現金6000万円ほどを盗んだ罪。ただ前回、8月の公判で山崎被告は…。
山崎被告(8月の公判)
「(盗んだのは)全体で100人ほど、合わせて17〜18億円になります」
「(盗んだのは)全体で100人ほど、合わせて17〜18億円になります」
そこまでの巨額の盗みに手を染めたきっかけは、被告のつくった借金です。
検察側論告
「原因はFX投資による失敗、競馬の負け。借金を重ねて、それを顧客から盗んだ金や現金で穴埋めしていた。被告は、貸金庫から盗んだ当該の顧客が来ると予測される時期になると、別の貸金庫から金を移すなどして被害の発覚を逃れていた」
「原因はFX投資による失敗、競馬の負け。借金を重ねて、それを顧客から盗んだ金や現金で穴埋めしていた。被告は、貸金庫から盗んだ当該の顧客が来ると予測される時期になると、別の貸金庫から金を移すなどして被害の発覚を逃れていた」
山崎被告は、これまでの裁判で起訴内容を全面的に認めています。
山崎被告(8月の公判)
「はじめは100万円くらい、お客様のお金に手をつけた。それが1回あたり100万円から500万円になっていった。数千万という額になると頭の中がマヒしていました。(三菱)UFJは客・社員を大事にする会社です。私のような悪人一人のために、UFJを悪く思わないでください。本当に申し訳ございませんでした」
「はじめは100万円くらい、お客様のお金に手をつけた。それが1回あたり100万円から500万円になっていった。数千万という額になると頭の中がマヒしていました。(三菱)UFJは客・社員を大事にする会社です。私のような悪人一人のために、UFJを悪く思わないでください。本当に申し訳ございませんでした」
山崎被告は、自身はギャンブル依存症だったと主張しています。
18日の公判では、時折涙を流しながら、早期の社会復帰をしたいと訴えました。
山崎被告
「何とか返さなければ、どうにかしなければという思いでした。罪悪感とともに、どう返すか考えていました。自分を見失っていました。被害者の皆様が被った気持ちを考え、罪をしっかり償って、少しでも多く、返済に向けて堅実にまじめに働いていきたい。早期に社会復帰したいと考えています」
「何とか返さなければ、どうにかしなければという思いでした。罪悪感とともに、どう返すか考えていました。自分を見失っていました。被害者の皆様が被った気持ちを考え、罪をしっかり償って、少しでも多く、返済に向けて堅実にまじめに働いていきたい。早期に社会復帰したいと考えています」
検察側によると、これまでに山崎被告から回収されたのはおよそ860万円です。
判決は来月6日の予定。弁護側は「場当たり的な犯行で反省をしている」とし、懲役5年が相当だと主張しています。
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