社会

モーニングショー

2025年9月19日 14:41

茨城で突風被害 建物・電柱・クレーンが倒壊…竜巻の可能性も 現場で何が?

茨城で突風被害 建物・電柱・クレーンが倒壊…竜巻の可能性も 現場で何が?
広告
3

 18日は関東の各地でゲリラ雷雨が発生しました。茨城県では建物が倒壊するなど、突風の影響による被害が相次ぎました。

飛来物が車直撃…瞬間映像

 茨城県ひたちなか市。道路は冠水し、水しぶきを上げながら走る車。

撮影者
「ひざの高さまで水が道路にたまっていました。雷は次から次に鳴っていて、いきなり目の前の海が光った。(カメラの)画像の色が変わるほど。心臓が止まるかと思いました」

 18日、大荒れの天気となった茨城県。風が吹き荒れ、車のフロントガラスに激しく雨が打ち付けます。目の前が煙って身の危険を感じる状況に。

雨柱
雨柱

 雨は埼玉県でも…。東北道を走る車から見えた雨柱。その数分後…激しい雨に見舞われます。

局地的に激しいゲリラ雷雨
局地的に激しいゲリラ雷雨

 18日午後、関東北部を中心に大気が不安定になり、局地的に激しいゲリラ雷雨となりました。

車に次々と物が飛んでくる
車に次々と物が飛んでくる

 午後3時前、茨城県つくば市にある倉庫が突然倒壊しました。その直後の映像では、風が渦巻くように吹いています。倒壊の直前、付近の国道では突風の影響なのか、走行中の車に次々と物が飛んできます。

 同じころ、つくば市内で撮影された映像には竜巻のようなものが移動している様子が映っていました。

倉庫が突然倒壊
倉庫が突然倒壊
倒壊した建物の関係者
「(Q.風で倒れるような建物ではない?)東日本大震災でももっていたので」

 倉庫の倒壊現場からおよそ1.5キロ離れた場所では…。

消防関係者
「まず1カ所だね」
建設会社の関係者
「向こうにも転がってるのがあるけどあれもです」

 建設会社の資材置き場に置かれたコンテナが横倒しになっていました。

コンテナが横倒しに…
コンテナが横倒しに…
建設会社の担当者
「まさかこんなになっているとは。どうやって起こそうか考えていますけど」

突風か…足場崩れる

足場が倒壊
足場が倒壊

 つくば駅から徒歩10分ほどの場所にある集合住宅。10階建て以上の建物を解体中、作られていた足場が倒壊しました。

車のフロントガラスは大破
車のフロントガラスは大破

 足場が倒壊したほかにもベランダの柵が引っ張られたように折れ曲がり、現場の近くにあったとみられる車のフロントガラスは大破しています。

近隣住民
「ここで突風が起きるとは予想していなかったので、道路を挟んでこっちで起きていたら屋根が飛んでたのかな」
突風が起きた後に被害確認
突風が起きた後に被害確認

 つくば市内の3カ所の被害は、いずれも突風が起きた後に確認されています。

 18日午後3時のつくば市内には雷注意報と大雨注意報、強風注意報に加え、竜巻注意情報も発表されていました。

広告

一時およそ2万軒が停電に

 茨城県境町では、あまりに強い雨風でどこにカメラを向けても一面が真っ白の状態。この雨風の影響なのか、倉庫の屋根の一部が畑まで吹き飛んでいる場所もありました。

大型重機が倒れる
大型重機が倒れる

 さらに道路の片側をふさぐ形で倒れた大型の重機。この影響で、一時は片側一車線しか通れない状況となっていました。

 つくば市や境町とは反対側に位置するひたちなか市でも、視界が真っ白になるほどの大雨に。ホームセンターでは、床が一面水浸しになる被害も出ました。

倒れた電柱
倒れた電柱

 突風の影響により折れて横倒しになったとみられる電柱。鉄筋がむき出しになり、引きちぎられているようにも見えます。

一時およそ2万軒が停電
一時およそ2万軒が停電

 18日、茨城県では停電が発生。一時およそ2万軒に上りました。

 交差点の信号は停電のためついておらず、警察官が交通整理にあたっていました。帰宅の時間とも重なり、渋滞も発生。

「一瞬ね風が強くなったんだよね。それで5分ぐらいで停電しちゃったの。風が強かった、すごいすごい、瞬間的にすごい」

 付近の住民によると午後3時ごろ、強い風が吹き雷が聞こえた後、停電したといいます。

 家に被害が遭ったという女性。明かりが消えた家の庭に落ちていたのはよしず。2階の窓に取り付けていたものが、風で飛ばされたといいます。さらに、たてどいも2階に設置されていたものが風で吹き飛ばされたといいます。

広告

複数の倒壊被害 現場で何が?

 茨城で複数の倒壊被害を出した猛烈な雨風。現場では何が起こっていたのでしょうか?

発生当時の雨雲の動き
発生当時の雨雲の動き

 レーダーで発生当時の雨雲の動きを見ると、18日午後1時をすぎたころから茨城県の北部に活発な雨雲が掛かり、落雷が相次いで発生。雨雲は西から東へと移動し、午後3時にはつくば市付近で多数の落雷が発生しています。

現場付近で撮影した映像を検証
現場付近で撮影した映像を検証

 当時、つくば市の観測所が記録した最大瞬間風速は18.7メートル。樹木全体が揺れ始める程度の風の強さですが、どうして複数の建物で倒壊が起きたのでしょうか。専門家に現場付近で撮影した映像を検証してもらいました。

高知大学 佐々浩司特任教授
「竜巻の可能性が一番高いなというふうに思います」

 その決め手となったのが、こちらの動画…。

高知大学 佐々浩司特任教授
高知大学 佐々浩司特任教授
佐々特任教授
「下の方の少し煙みたいに見える所。これは竜巻の場合によく出るデブリクラウドっていう。飛散物が渦によって舞い上がるんですね。建物が下で崩れるというのは結構(風が)強いと思う。最大瞬間風速は40〜50メートルぐらいが吹いているんじゃないかな」

 今月に入り、各地で幾度となく竜巻が発生。

 5日には静岡県牧之原市でおよそ250棟に被害が出ました。その後も11日には千葉県木更津市内で竜巻とみられる突風が。

 一体なぜ、突風被害が頻発しているのでしょうか?

一体なぜ、突風被害が頻発?
一体なぜ、突風被害が頻発?
佐々特任教授
「停滞前線の存在というのが大きいと思います。(北側は)上空の方はかなり寒気が入り込んできている。南側の下の方はまだ非常に暖かい空気があるということで、すごく大気が不安定になるんですね。台風がやって来る季節にもなりますし、しばらくは(突風が)続く可能性に気をつけておいた方がいい」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月19日放送分より)

広告