とある日の横浜。駅前を颯爽と歩く、ももかさん(27)。「きょうは私の推しが聴衆に向かって話すイベントがある」といい、向かった先は、国民民主党の街頭演説。ももかさんの“推し”は、玉木雄一郎代表。党のキャッチコピーが書かれた自作のうちわとともに街頭演説に参加するのが彼女の“推し活”だという。
元々は女性アイドルのオタクをしていたそうだが、なぜ政治家に“推し変”したのか。「とにかく距離感が近い。演説会がいっぱいあるのでそこに行ったり、国民民主党自体でもイベントがあるので、会おうと思えば常に会うことができる」と答えた。
いま楽しむ若者が増えている「政治家推し活」。一方、SNSでは「“好きだから投票”だと政策が二の次になるんじゃ?」「権力をもつ政治家に盲目的になるのは危険」と批判する声もあがっている。はたして、推し文化は政治にどんな影響を与えるのか。政治家推し活について、国民民主推しのももかさんと、国民民主・森ようすけ衆院議員と『ABEMA Prime』で考えた。
■玉木担のももかさん(27)「ビジュも大事」

会社員・首都圏在住のももかさん。以前は無党派で投票先は「政策マッチング」だった。 しかし、石丸現象を目にしてからは政治に興味を持ち、 「政治っておもしろいじゃん!」となり、国民民主党に行き着いたという。
推し始めたきっかけは、「私たち世代の痛みや苦しみを代弁してくれる、政治家の人が現れてくれた。国民民主党は現役世代の政策をたくさんやってくれているので、そこから推し始めたのが大きい。入口は現役世代重視の政策」だと話す。
また、「ビジュも大事だと思っている」といい、「玉木さんめっちゃかわいい。愛嬌あるし、明るいし、見てて元気になるところが好き」だと語った。
ももかさんは「AKB48」や「=LOVE」などの女性アイドルを推していたそうだが、推しの違いついて、アイドルの場合は「『推しが幸せになってほしい』がモチベだけど逆に言うと自分に見返りはない」。党については、「自分の投票、SNSでの拡散で政党の力になり、ガソリン減税など少しずつ成果が出ている」との考えを示した。
番組では政治家推しをしている他の方にも取材したところ、、国民民主党推しそらさん(仮名・20代女性)は、「推し議員のビジュアルからファンになり、各党の政策の違いなどは正直あまり自信がない」。公明党推し komaさん(仮名・30代女性)は「以前から公明党の理念に共感し支持」「SNSを通して政策を多くの人に伝えるために推し活文化(=うちわ・ファンアートなど)を取り入れている」とのことだ。
■「楽しく応援してくれると、政治の雰囲気が変わってすごくいい」

政治家推しに対し、国民民主党の森ようすけ氏は、「違和感はあったが、だんだん慣れてきた」「政治を見てると、すごい自分より年代の上の人たちがつまんなそうにやってるイメージがあったが、(推し活のように)支援者の方が楽しく応援してくれると、政治の雰囲気が変わってすごくいいと思っている」と前向きに感じている。
一方で、ビジュの良さについては、「冷静に見ていただいたら、普通のビジュをしている」とし、「皆さんに知っていただきたいのが、応援してくれて『ありがとう』の気持ちしかない」。
また、「Xで呟いた際、(政治家推しの)支援者の方からのリプライで1番多いのは、政策を第一に推してるということ。応援の仕方が単にオタク的な愛し方だけであって、アイドルとして推してるのではなくて、政治家の応援の仕方が変わってきたという捉え方をしている」との見方を示した。
実業家・TikTokerの岸谷蘭丸は、「選挙の本質は、見た目と好かれ度合いだと思うので、推し活は本質的だと思う。他人を自分の人生の主軸にしているが、応援することによって、自分の生活の何かが良くなるというモチベーションに繋がる。政治はそういうことだし、ずれてない気がする」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)