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刃物を持って店に押し入った男が逮捕されました。緊迫の4分間です。
「騒ぐな」 恐怖の4分間
店長
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ」
20日の午後4時半ごろ、埼玉県羽生市の貴金属買取店に入ってきたマスクにジャージ姿の男。
強盗の疑いで逮捕された奥澤博樹容疑者(60)です。
店の防犯カメラは、これから4分にわたって起きた犯行の一部始終を捉えていました。
入店した奥澤容疑者の左手に白い紙袋。店長がソファーに促しますが、座ろうとしません。店の奥に道具を取りに行った店長。後を追い、男が紙袋から取り出したのは刃物です。そして…。
容疑者
「ごめんなさい」
店長
「(悲鳴)」
容疑者
「騒ぐな、騒ぐな」
店長
「分かりました」
容疑者
「金出せ」
店長
「ちょっと、あっちに…」
容疑者
「うるさい、うるさい」
店長
「分かりました」
「ごめんなさい」
店長
「(悲鳴)」
容疑者
「騒ぐな、騒ぐな」
店長
「分かりました」
容疑者
「金出せ」
店長
「ちょっと、あっちに…」
容疑者
「うるさい、うるさい」
店長
「分かりました」
被害に遭った店長
「包丁を私に向けたときは、ちょっと声は震えているような感じ。たまたまトレーを持っていたので、自分の顔と胸のところに包丁がきても大丈夫なように防御して、背中を向けていくのが怖くて、後ずさりで金庫まで行った」
「包丁を私に向けたときは、ちょっと声は震えているような感じ。たまたまトレーを持っていたので、自分の顔と胸のところに包丁がきても大丈夫なように防御して、背中を向けていくのが怖くて、後ずさりで金庫まで行った」
刃物を突きつけた奥澤容疑者と店長。この後、バックヤードで起きた緊迫のやりとりも防犯カメラは記録していました。
容疑者
「早く金出せ」
店長
「分かりました。今出します。でもきょうお金を使っちゃったので」
「早く金出せ」
店長
「分かりました。今出します。でもきょうお金を使っちゃったので」
店長によると、このとき金庫に入っていた現金5万6000円を渡したといいます。しかし、奥澤容疑者の要求はまだ続きました。
容疑者
「おとなしくしててね。これ置いて、手は後ろ」
店長
「すみません。五十肩で…」
容疑者
「うるさい。気を付けして」
「おとなしくしててね。これ置いて、手は後ろ」
店長
「すみません。五十肩で…」
容疑者
「うるさい。気を付けして」
すると乾いた音が聞こえ始めます。これは粘着テープの音でした。
店長
「現金を渡した後、肩からひじくらいまで6周ぐらい布の粘着テープで巻かれて、足首も2周くらい巻かれた。その後『床に寝ろ』と言われたので、ひざをついて自分で横に寝た」
「現金を渡した後、肩からひじくらいまで6周ぐらい布の粘着テープで巻かれて、足首も2周くらい巻かれた。その後『床に寝ろ』と言われたので、ひざをついて自分で横に寝た」
奥澤容疑者は店長を粘着テープで拘束した後、さらにスマートフォンも奪いました。
容疑者
「ほら座って。早く早く」
店長
「…」
容疑者
「うるさい」
店長
「ごめんなさい」
容疑者
「命とどっちが大切?」
店長
「これでいいですか?」
容疑者
「早く。横になれって言っただろ」
「ほら座って。早く早く」
店長
「…」
容疑者
「うるさい」
店長
「ごめんなさい」
容疑者
「命とどっちが大切?」
店長
「これでいいですか?」
容疑者
「早く。横になれって言っただろ」
入店から4分後、奥澤容疑者は歩いて店から出て行きました。警察によると、この後、車で逃走していたといいます。
親族が明かす近況 携帯代払えず…
事件が起きたのは、警察署の目の前の貴金属買取店です。
22日、防犯カメラなどの捜査から逮捕された奥澤容疑者。身柄が確保されたのは現場周辺でもなく、自宅がある群馬県明和町でもなく、茨城県古河市のビジネスホテルでした。
奥澤容疑者の親族
「事件を起こした日、私のところに来て、私も(奥澤容疑者に)裏切られた面が多々あるので怒った。多分、お金に困っていたと思う。(奥澤容疑者が)相談しに来た時にスマホも(契約が)切れて仕事が困るって言うから、現金を渡してスマホを使えるようにとお金を渡した」
「事件を起こした日、私のところに来て、私も(奥澤容疑者に)裏切られた面が多々あるので怒った。多分、お金に困っていたと思う。(奥澤容疑者が)相談しに来た時にスマホも(契約が)切れて仕事が困るって言うから、現金を渡してスマホを使えるようにとお金を渡した」
事件直前、奥澤容疑者は携帯電話の料金が払えない状況に陥っていたといいます。
奥澤容疑者の親族
「お金がなくてやったんだと思う。もうショックですね。なんてことをしてくれたんだと思って」
「お金がなくてやったんだと思う。もうショックですね。なんてことをしてくれたんだと思って」
奥澤容疑者は警察の調べに対して容疑を否認しています。
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