昨今、新宿・歌舞伎町などの路上でスーツケースが放置され、問題となっている。
このような現象は空港でも起きており、関西国際空港では2024年、814件のスーツケースが放置された。空港事務所によると、スーツケースは主に外国人観光客の物とみられ、旅行中に壊れてそのまま空港に放置したのではないかとしている。それだけでなく、日本で新たに買い替える観光客もいるという。都内でスーツケースを販売する店舗に話を聞くと、「使っていたスーツケースを旅行中に買い替える外国人が増えた」と話す。
では、不要となったスーツケースはどうなるのか。壊れたスーツケースを回収し修理する、日本鞄材株式会社の中村亜依香氏は「パーツを替えたり、大きく壊れていても修繕することが可能なものはできる」と話す。
中村氏は「回収したスーツケースは、1度きちんと清掃や整備をさせていただいた上で、必要としてくださる方のもとで使い続けてもらえるようにしている」と語り、「少し整備をすればまだ全然使えるものも多く見られるので、すごくもったいないと感じる」と述べた。
再利用しているところもある。東京・水道橋にある、宿泊客の約8割が外国人観光客というホテルでは、屋上でスーツケースを植物を植えるプランターとして再利用している。スーツケースを使って、ピーマンや茄子、大葉など11種類を栽培。スイスチャードという葉野菜は、朝食のサラダとして提供しているという。
庭のホテル 東京 総支配人の海老沼悟氏は「(スーツケースは)保水性に優れている。耐久性もいいので、野菜が育つのにすごく役立っている」と効果を語り、「どうせ捨てるんだったらというところからのチャレンジだったが、うまくいってよかった」とコメントした。
(『ABEMA的ニュースショー』より)