京都の観光地・貴船神社の周辺の道路には、歩いている観光客と車がたくさんいて、すれ違うこともなかなか難しいという状況が見られます。通常5分で行けるところの距離が、渋滞で1時間かかることもあるということです。
地元タクシー運転手「来たくない」
秋分の日の23日、京都市の最高気温は27.9℃。真夏の暑さが過ぎ去ったこともあり、市街地や観光地は多くの人でにぎわいました。
「肌寒かったので軽く羽織ってって感じで。過ごしやすいと思います」
清水寺へ向かう道路では渋滞が発生。駐車場には観光バスが並び、外国人観光客の姿が多く見られました。
「駅から祇園までバスでいっぱいでしたね。外国人の方がすごいですね。たくさんいらっしゃいました」
混雑は山間部でも…。
水の神をまつり、1300年以上の歴史を持つ貴船神社。京都市北部の山間部に位置し、周辺では木々と清流が織りなす美しい景色が楽しめます。
川底が見えるほど透き通った水に、涼を求めて訪れる人もいます。
「川床とか有名なんで、ちょっと涼しいし行こうかなって」
周辺の店では、食事をしながら川のせせらぎを堪能できる「川床」を設置。観光客の人気スポットになっています。
「京の奥座敷」ともいわれ親しまれてきた貴船神社周辺には、23日も山間の狭いエリアに観光客が殺到。さらに、慢性的に渋滞が発生。道幅が狭い一車線の道路では、所々でぎりぎりすれ違うことのできる道幅に一苦労。渋滞の原因になっています。
貴船神社近くに設置されたライブカメラの映像を見ると、すれ違うことができず渋滞している状況に業を煮やしたのか、手前の車の運転手が車から下りると、対向車の元へと向かい、車を誘導。わずかにスペースを確保し車を通していました。
「一本道で、もうこの道しかないので。渋滞している時は(5分の距離が)1時間とか。ずーっと長蛇の列になって、戻ってくるのでかなり時間がかかるので来たくないですね」
車で訪れたという、京都府内から来た観光客はこのように話します。
山間部の“映えスポット”人気のワケ
多くの人でにぎわう貴船神社。京都の市街地と同様、外国人観光客の姿も目立ちます。
京都駅から車で40分、公共交通機関だと1時間以上かかる山間部の神社に、なぜ訪れるのでしょうか。
「通りの両側に赤い灯篭(とうろう)が並んでいる動画を、インスタグラムで見ました」
オランダから来た観光客
「SNSで知りました。灯篭が並んでいるのを見たいです。背景が緑の森なのできれいですよね」
海外から来た観光客のお目当ては、長く続く石段の両側にずらりと並んだ赤い灯篭。この灯篭の景色が今、SNSで注目されているといいます。
「赤い灯篭と豊かな緑に囲まれた、爽やかで神聖な雰囲気をお楽しみ下さい」
季節ごとに移り変わる景色と赤い灯篭とのコントラストや、ライトアップされた幻想的な様子がSNSで話題に。
神社には日本人も多く訪れていますが、なかでも若い人の姿が目立ちます。
「SNSできれいな場所だなと思って来た感じですね」
「縁結び的な意味合いもあるので、より良い縁をっていうところで」
京都・大阪から来た観光客(20代)
「ティックトックとインスタでおすすめに流れてくるから、行きたいってなって」
もともと「縁結びの神社」として有名だった貴船神社ですが、最近では若い人を中心に「SNS映えスポット」として浸透。水に浮かべると文字が浮かんでくる「おみくじ」も、「SNS映えする写真」として人気を集めています。
「ずっと癒やされていました」
「この灯篭、すごい神秘的でいいなと思いました」
狭い一本道に対向車…あわや接触
近年、注目される観光地になった貴船神社ですが、訪れる人が増えたことで、道幅が狭いため車道に広がり歩く人が続出。渋滞の原因にもなっています。
車と歩行者があわや接触という危険な場面や、サイドミラーを折りたたまないと通過できない場所もありました。
「やっぱりみんなスマホ見ながらとか、この川の写真を撮りたいし、ばっと入って撮ったりとか、あまり車に気が付いていただけない」
「観光客が多くて、車の往来をあまり気にしていませんよね」
「車の対面通行には道路が狭すぎると思います。ここを運転するなんて考えられないわ。バスで来たけど、車がすれ違うのさえ怖かった」
午後になり観光客が増えてくると、通れなくなった観光客がまた車道にあふれるようになってきました。
見かねた周囲の店の従業員が交通誘導を試みますが、1台通ってもすぐ後ろからまた車が来ているので、渋滞が長くなっているだけになっています。通れない道に、観光客も縫うように歩いていきます。
慢性的に渋滞する状況に、周辺の店の従業員はこのように話します。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月24日放送分より)