社会

報道ステーション

2025年9月25日 03:04

職員に“セクハラ口止め”迫ったか…沖縄県南城市長が会見 休職する職員も

職員に“セクハラ口止め”迫ったか…沖縄県南城市長が会見 休職する職員も
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第三者委員会によって複数のセクハラが認定されている、沖縄県南城市の古謝景春市長(70)。市長室で女性職員と交わした会話が記録された音声データを入手しました。そこには「訴える準備をしている」などと、口止めとも取れる発言も。

■音声を入手「あんた話したの?」

24日は、沖縄の南城市で開かれる祭りの記者発表でした。しかし、古謝市長は終始、渋い表情。

司会者
(Q.1〜2問聞いても?)
「祭りに関することなら結構です」
(Q.報道でセクハラ被害に関する音声データが出たが確認した?)
「祭りとは直接関係ないので、申し訳ありませんがご遠慮ください」
女性職員への口止め

先月13日、市長室で録音された音声データは、セクハラ被害を訴えた女性職員への口止めともとれるものでした。

市長
女性職員
「おはようございます。失礼します」
市長
「僕がここで(職員名)とハグしたさ」
女性職員
「はい」
市長
「これ第三者委員会にあんた話したの?」
女性職員
「え、私?言ってないです」
市長
「娘のように可愛がっているから、まさかキスされたとか言っているのは、職員か誰かが嘘をついているんじゃないかと思ってさ」

その翌日には。

市長
市長
「『それ以外、変なことをやられていない』と言ってね。もし聞かれたらね」
女性職員
「えっとあれですか、ハグとかされたことですか?」
市長
「そうそうそう。ハグはやったさ。それ以外はやってないから。キスしているんじゃないかとか、みんな言ってるからさ。あんたが言ったのかと思ってさ」
女性職員
「私にした時のこと?」
市長
「あなたが言ってなかったら、僕はずっと否定するからさ。言ってないよね?」
女性職員
「第三者委員会とか」
市長
「あ?」
女性職員
「言ってなくて」
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「弁護士と相談」辞職しない考え

セクハラ8件が認定

そもそも古謝市長は、市が設置した第三者委員会に複数の市役所職員へのセクハラ8件が認定されています。第三者委員会の聞き取りでは、市長からこんな弁明も。

南城市 古謝景春市長
南城市 古謝景春市長
「女性職員の疾患を慮って口を指で触ったら、職員は目をつぶっていてキスをしていると間違えられた」
第三者委員会

セクハラ行為が長年続いた原因について、第三者委員会は市長を通算19年以上、務めるなかで「強大な権限を有し、地位を確固たるものとして、注意する者がいない状態が作り出された」としました。

南城市 古謝景春市長
南城市 古謝景春市長
「弁護士と相談して対応してまいります」
(Q.弁護士と相談するじゃなく、ご自身のことですよね?)
「…」

市長は、セクハラ行為の一部を認めたうえで、辞職しない考えを示しています。

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「刃向かったら…」周囲は萎縮

第三者委員会のアンケートに記入したか

職員の1人は、古謝市長から約10年間にわたってセクハラを受けていたといいます。それだけでは済まず、市長から「第三者委員会のアンケートに記入したか」などと脅されるようになったということで、自分を守るために音声の録音を始めました。

市長
市長
「あんたが言ったんじゃないよね?」
女性職員
「私がですか?」
市長
「うん」
女性職員
「私じゃないです」
市長
「だったらいいよ。もう訴える準備しているから」

この職員はその後、休職しています。今回、取材に応じてくれました。

セクハラ被害を訴えた職員
セクハラ被害を訴えた職員
「『私から抱きつかれた』とか『キスされた』とか、支援者たちに言い歩いているという情報も入ってきて。このまま私が黙っていたら、どんどん広まっていくなと。悔しいし、市長はずっと居られるのに、被害者はおびえて過ごすしかない。本当に悔しい」
不信任決議案

この問題について、市議会はというと。これまで野党議員らが3度、不信任決議案を提出しましたが、いずれも賛成票が出席議員の4分の3に届かず、否決されました。

南城市の現役市議
南城市の現役市議
「市長はあらゆるところに顔が利く。刃向かったら議員になれない。選挙で応援してもらって恩義を感じている議員も少なくない」

24日、質疑応答では無言を貫いた古謝市長を待ち受けました。

南城市 古謝景春市長
南城市 古謝景春市長
(Q.音声データの件は確認された?セクハラ行為については?)
「真実が明らかになります」

26日には、4度目の不信任決議案が提出される見通しです。

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