日本有数の温泉街、神奈川県湯河原町でサルによる被害が深刻です。去年1年間で1万件を超えています。そして、三重県のいなべ市でも毎日のように住宅地にサルの群れが出没していて農作物に被害が出ています。
温泉街で年間被害1万件超え
こちらに近づい来たと思った次の瞬間、突然襲い掛かってくるサル。さらに、バイクの上に乗って大きく揺らし、部屋の中の犬と対峙(たいじ)すると威嚇。
人里に降りてきたサルが凶暴化し問題となっているのが、関東有数の温泉街・神奈川県湯河原町。
街中ではサルが悠々と道路を横切っています。
「(この辺で)1匹か2匹パーッと出てきた後に、合計20匹くらいの団体がぞろぞろと出てきますね」
「(Q.毎日のように?)そうですね、一日おきには必ず来ますね」
さらに、ビアバーに突然サルが現れて居座り、客が逃げた隙に、おつまみのナッツを悠々と食べていたといいます。
湯河原町ではサルによる被害が年間1万件を超える異常事態に。
「ここが実際、サルに破られた屋根の穴になります」
被害に遭ったのは宿泊施設。壊された屋根には大きな穴が。他にもサルがぶら下がった光ケーブルは断線して、インターネットが使えなくなったといいます。
「電柱のほうから2本線が来ています。WiFi用の光ケーブルが2本来て。そこから下に垂れ下がっているんですけど、これもやっぱりサルにやられて」
しかも、室内にも侵入。炊飯器を踏み台にして、何かを探しているかのようです。
部屋に置いていたミカンも奪い、ベランダで食べる様子も見られます。一体、どうやって室内に入ってきたのでしょうか?
ドアハンドルを手前に引いて玄関から堂々と侵入。偶然出くわした百武さんが、足を上げて追い払いました。
車にへこみ 露天風呂の上にサル
被害は他の宿泊施設でも。自慢の露天風呂も、上を見ればサルの姿が。人がいても動じません。
そのサルたちによって洗面台がぐちゃぐちゃに。アメニティーが荒らされ、散乱しています。
「マウスウォッシュをかじったり、持っていったりしてましたね。ちょっと甘い味がしたんだと思うんです」
地元住民も被害に遭っていました。
「(Q.車の屋根のへこみ)(赤い)屋根から飛び移った時に、大きいやつ(サル)があけた穴(へこみ)だと思われます」
「(Q.普通こんなところへこまないですもんね)へこまない」
被害は畑でも出ています。
地元住民
「食べごろの時に…そう…悔しいですよ。悔しいよ…」
被害を受けたのはスイカ。手塩にかけて育ててきて、そろそろ収穫しようと思った矢先でした。
1年前に、宿泊施設の部屋から撮影した映像を見ると、周りには多数のサルの姿が。人が部屋にいるのに、お構いなしに中に入って来ようとしています。
地元住民によると、サルが頻繁に現れるようになったのはここ2〜3年で、今年は特にひどい状態だといいます。
サルたちはどこから来るのか?サルが出没するエリアを上空から見てみます。
サルが頻繁に目撃される住宅街の背後には、山が迫っています。周りには畑なども広がっています。湯河原町では、ミカン畑が数多くあり、サルの餌(えさ)となっているといいます。
サルの被害に遭った宿泊施設「シェアハウス湯河原」の百武館長はこのように話します。
爆竹で対策も…農作物被害が深刻
一方、長年サルの被害に悩まされ続けている場所もあります。
三重県いなべ市では、24日も住宅地にサルの群れが現れました。
屋根の上で、たそがれるようにたたずむ2頭のサル。別の住宅の屋根では毛づくろいをしています。
この様子に、地元住民は…。
「『出ます』じゃないですよ。もう自分の広場ですよ」
郵便配達員
「めちゃくちゃいますよ。配達でも嫌ですもん」
さらに取材を続けていると、住宅地に鳴り響く爆竹の音。音のする方向へカメラを向けると、ゾロゾロと歩くサルの群れが…。
「昔はいなかったですよ。僕らが小さい時は」
地元住民によると、10年以上前から住宅地に姿を見せるようになったといいます。
いなべ市で現在把握しているのは17の群れで、およそ1150頭。昨年度の農作物の被害は100万円以上に上ったといいます。
いなべ市では、防護柵の設置に補助金を出したり、爆竹などを無償で市民に配布して追い払うよう呼び掛けるなど対策に追われています。
いなべ市の担当者は「追い払いをしないと人間を怖がらなくなる。集落単位で粘り強く追い払い、里は怖いところだと学習させることが大事」と訴えます。
しかし住民たちの間から、こんな声も上がっています。
「怖がらないもんね、あっち(サル)は。私らのほうが怖いで…。もうお手上げです」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月25日放送分より)